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【技術の概要と効果】
ハウス屋根部等に遮熱剤を散布し、ハウス内気温の上昇を抑えることで高温障害の軽減が図られ収穫量が増加した。
【材料】
遮熱剤「Qヒート」(熱線を反射する遮光剤、NIR(近赤外線)を選択的に反射し、光合成に有効な光(PAR)は比較的多く透過するため、多くの日射を必要とし、温室内の温度を抑えたい場合に最適なもの)
【方法】
〇Qヒートを屋根等に散布したハウス(Qヒート区)を設置し、ハウス内外の環境、高温障害の発生具合、収穫量を前年同期と比較した。
〇令和7年6月6日にQヒート15kg(13.5L)×3缶=45kg(40.5L)を水に溶き250?作成した。
〇Qヒート区(4号ハウス793平方メートル、両屋根型(3連棟)硬質フィルム張、内張りに遮光ネット)に希釈したQヒート150Lをピストル噴口で屋根部と南側妻面に散布した。
【結果】
〇ハウス(793平方メートル)の屋根部分と南の妻面の散布時間は、移動時間を含めて44分であった。
〇遮熱剤の使用量は10a当たり2.25缶の使用となったため、カタログ値によると遮光率(PAR)20%、遮光率(NIR)50%、ヘイズ値93%、耐用週間は13~15週となった。6月6日に散布したため、効果は8月29日~9月12日頃までと推測された。
〇ハウス内の屋外日射量に対する割合は、昨年とほぼ同等であった(表-1)。
〇ハウス内の平均気温は、昨年比で8月は2.4℃、9月は1.58℃低下しており、気温を下げる効果があった(表-3)。
〇芯止まり率は、昨年と比較して約50%→4.2%と大幅に改善し(表-4)、結実不良株率は、約100%→10.2%と大幅に改善された(表-5)。
〇収量は、昨年より定植が1週間遅かった(8月5日)ため、収穫開始が遅くなり10月の収量は少なくなったが、12月末までの累積収量は昨年の129%となり、683kg多く収穫ができた(表-6)。
〇Qヒートは3缶で約12万円(793平方メートルで7万2千円)と高価であるが、12月末で、約87万円の増収が見込まれたため、費用対効果はあった。
ハウス内日射量とハウス内平均気温の推移(みどりクラウドのデータより)

ミニトマトの高温障害発生株数(芯止まり、結実不良)


Qヒート散布ハウス(4号ハウス)の収穫量調査

【残された課題、今後の展開、利用上の注意事項】
〇今回の散布濃度が2.25缶/10aであり、この濃度で散布するならば、散布時期を7月初旬にすることで9月30日~10月14日頃までの耐用効果期間となり、暑熱対策期間が長くとれてより良かったと思われる。
【協力】
JA香川県東讃営農センター大川北部集荷場、さぬき市ミニトマト部会
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