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公開日:2023年12月14日

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生物多様性の保全・ネイチャーポジティブの対策の強化を求める意見書

 生物多様性の保全に関して、我が国では環境省において1995年に最初の生物多様性国家戦略を策定し、自然環境や社会状況の変化とともにこれまでに5回の見直しが行われてきた。昨年12月には、1993年に発効された生物多様性条約第15回目締約国会議COP15が開催され、2030年までにネイチャーポジティブ(自然再興)という新たな世界目標が採択された。
 生物多様性は地球の持続可能性の土台であり、人間の安全保障の根幹となっており、持続可能なものにしていくために、生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の実現が不可欠である。
 我が国においては、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」と、この新たな世界目標を受けて、2023年に新たに第六次戦略「生物多様性国家戦略2023-2030」が策定された。我が国としての「ネイチャーポジティブ」の実現の達成のためには、それぞれの地方自治体において、それぞれの地域の特性に応じたより一層実効性の高い取組を行うことが必要である。
 よって、国においては、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、以下のとおり地方自治体や地域のNPO法人等への支援の強化を強く求める。

1 脱炭素関連の予算のみならず、生物多様性関連の予算についても必要な額を確保し、生物多様性に対する社会全体の認識を高めていくこと。

2 2030年までに陸と海の30%を保全する「30by30」の実現に向けて、OECM(事業者など民間が保有している生物多様性保全に貢献する区域)の認定を推進するなど、地域との連携のもと取組を加速化すること。

3 環境教育の推進と国民の行動変容の促進、すべての子どもたちが自然にふれあう機会を創出するため、環境教育や自然保護を推進する地域の人材育成を支援すること。

4 廃棄物や汚染を削減し、製品と資源の循環利用を促すサーキュラーエコノミーは、脱炭素や生物多様性と並ぶ環境政策の3本柱のひとつであり、これらは互いに親和性が高いものである。そのため、地域におけるサーキュラーエコノミー分野におけるバイオマスの持続可能性、製品のライフサイクル全般での環境負荷低減等の取組を支援すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

令和5年12月14日
香川県議会

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