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本年6月にデジタル教科書を正式な教科書とする関係法が成立し、国は令和12年度以降の導入に向けた検討を進めている。紙の教科書と同様に小中高校で使用され、義務教育段階の児童生徒には無償給与される。また、同時に新学習指導要領の実施も始まり、情報教育の強化や、児童生徒のニーズに応じた柔軟なカリキュラム、生成AIについての学習や活用などが見込まれている。
導入後の教科書の形態は「紙」「デジタル」、学習内容を紙とデジタルに分けて掲載する「ハイブリッド」の3種類が想定されており、各地域でどの教科書を使うかを選択することになる。紙とデジタルにはそれぞれの特性や利点があり、児童生徒の発達段階や教科の特性等を踏まえ、双方の良さを生かした活用が求められている。
社会の急速な進展に伴い、教育分野におけるデジタル化も年々進み、学習方法の多様化や効率化が図られている。その一方で、デジタル化が子どもたちの学力や学習活動に与える影響については、十分な検証が必要である。
教育現場には、視力の低下等の健康面への影響や通信障害発生のリスクに加え、デジタル機器の使用が学力や読解力、思考力等に与える影響や、書いて覚える学習とのバランスについて、十分な検証が必要との指摘がある。また、通信環境や端末故障への備え、家庭環境による教育格差、教員の負担にも十分配慮するとともに、災害時においても子どもたちの学びを止めない環境を確保することが重要である。
社会全体のデジタル化が加速度的に進む中で、子どもたちが次世代の先導役に育ってほしいという期待感は共有している。一方、これまで我が国の教育を支えてきた紙の教科書には、一覧性に優れ、文章をじっくり読み、書き込みながら思考や理解を深めることができるなどの良さがある。紙かデジタルかという二者択一ではなく、それぞれの長所を生かした教育環境を構築することが重要である。
よって、国においては、これからの日本を担う子どもたちの健やかな成長と学びの質の向上のため、デジタル化がもたらす影響や功罪について、学力や健康への影響、書く学習とのバランス、教育格差や教員の負担、災害時を含む学習環境の確保等について十分に検証・対策を行い、紙とデジタルそれぞれの良さを生かしながら、教育現場を含め広く国民の理解を得て、適切かつ着実に推進するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年10月16日
香川県議会
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