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公開日:2026年7月31日

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「継続」と「楽しさ」が広げる海ごみ清掃の輪
―株式会社ヤマウチの皆様にインタビュー

取材概要

日時:2026年(令和8年)7月11日(土曜日)8時45分から9時35分

場所:香川県高松市庵治町(船隠し海岸)

取材対象:株式会社ヤマウチ(代表取締役岡本様、広報担当吉中様、参加者の皆様)

はじめに

2022年7月から海ごみの清掃活動を続けている株式会社ヤマウチ。

 

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活動開始から丸4年を迎え、いよいよ5年目へと突入した節目となったこの日、同社の清掃活動の現場に伺いました。

岡本社長をはじめ、社員の皆様やそのご家族、さらには取引先や地域の方々まで、笑顔で和気あいあいと活動に取り組む姿から、活動を「継続する秘訣」と「広がっていく輪」の理由が見えてきました。

1.「まずは私自らが動き、継続すること」活動にかける岡本社長の想い

最初に、本活動の発起人である代表取締役の岡本社長にお話を伺いました。

「持続可能な活動を」との想いから始まった海ごみ清掃。多様な人々が共に集う、賑やかなコミュニティへ

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――海ごみの清掃活動を始められたきっかけを教えてください。

岡本社長:

「継続的に、且つみんなでしっかりと取り組めるものは何だろう?」と考えたのが始まりです。

そんな中、坂出市の沙弥島で清掃活動をされている方々がいると知り、実際にお話を聞きに行ったところ、「一緒に活動する仲間を探している」とのことでしたので、「それなら私たちも一緒に参加して、その輪を広げていきましょう」と合流したのがスタートです。

――現在は3か所(沙弥島、山田海岸、船隠し海岸)で活動されているそうですね。

岡本社長:

坂出市の沙弥島は公園が隣接していて駐車場が広いのですが、東かがわ市の山田海岸や、ここ高松市の船隠し海岸はスペースが限られています。そうした駐車スペースや移動距離のバランスを考慮して、集まりやすいこの3か所を選びました。

場所を分けてみたところ、社員からも「この場所はいいね」「船隠し海岸は実は初めて来た」といった新鮮な声が上がりました。

――参加されているのは、どんな方ですか?

社員とその家族、さらには関係者の方々の参加もあります。百十四銀行の皆様がお子さん連れで毎月参加してくれたり、プロバスケットボールチーム「香川ファイブアローズ」の選手も駆けつけてくれたりしています。

X(旧Twitter)で告知すると、ファイブアローズのブースター(ファン)の方々も「選手に会えるなら」と来てくださり、総勢100名近く集まるなど非常に賑やかな活動になることもあります。

活動後はサインや交流の時間もゆっくり取れるため、お互いにとって良い相乗効果が生まれ、活動の輪を広げる大きな力になっています。

自ら背中を見せ、社会課題を肌で感じてもらう

――活動を広げ、定着させるためには、どんなことが大切ですか?

岡本社長:

何より「継続」することが大切です。私が言い出したことですから、私自身が先頭に立って参加し続けることが一番重要だと思っています。任せきりにしてしまうと、どうしても活動の火が消えてしまいますから。

私自身も家族を連れて参加していますが、子どもたちにとっても素晴らしい教育になります。自然に触れながら、目の前にある社会課題(海ごみ問題)に直面する。実際に体験しながら伝える方が、子どもたちにとって大切な思い出になり、「また毎月来たいな」という気持ちにつながっているようです。

――「かがわ里海づくりパートナー」に登録されたきっかけは?

岡本社長:

私たちのXでの発信を見てくださった担当者様から、「パートナーとして登録しませんか」と直接お声がけをいただいたのがきっかけです。「もちろんやります!」と即答しました。

美しい海を、温かい仲間と。活動を長く楽しく続けるための「コミュニケーション」というもう一つの目的

――香川県の美しい海を守る活動は、社会的にも非常に大きな意義がありますね。周囲からの反響はいかがですか?

岡本社長:

瀬戸内海は「世界最大規模の内海(うちうみ)」だと言われており、この美しい瀬戸内海を守ることは大切ですね。

ファイブアローズのシーズン終了報告を兼ねて知事にお会いした際、「実は並行して、このような海ごみ対策活動も行っています」とお伝えしたところ、知事も「世界に誇る美しい海を目指して、ぜひこの活動の輪を広げてほしい」という温かいお言葉をいただきました。

私は北海道出身なのですが、北海道でこれほど美しい海が見られるのは小樽など一部のエリアに限られます。市街地近くの海はここまできれいではないので、香川に来て初めて「誰もがこの美しい海を守りたくなる気持ち」が本当によく分かりました。

ただ、北海道の人はどちらかというと「山」を大切にする文化が強いので、そこは少し違いますね(笑)。でも、香川の皆さんの優しい雰囲気や、のんびりとして親しみやすい県民性は、北海道の人たちに少し似ているような気がして、とても居心地が良いです。

――お話を伺っていると、ごみ拾いそのものと同じくらい、参加者同士の「温かい交流」を大切にされているように感じます。

岡本社長:

そうですね。ごみ拾いだけでなく、活動が終わった後にしっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。「あの人に会いに行く」「みんなとおしゃべりする」ということが、もう一つの目的になれば、活動自体の楽しさが増し、参加の継続につながっていくと考えています。

2.「家族での思い出」「心地よい朝の習慣」参加者たちのリアルな声

会場では、みんなが笑顔でごみを拾っていました。

小さなお子さんと一緒に参加した社員

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「普段、子どもと海に来る機会がなかなかないので、良い経験になるかなと思って初めて参加しました。ごみを自分で拾って、きちんと分別して捨てるというマナーが、遊びながら身につけばいいなと思っています。

心地よい海の風を感じながら散歩感覚で拾えるので、子どもにとっても非常に良い環境ですね。」

 

 

 

長年参加されている取引先企業の方

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「ずいぶん前から定期的に参加しています。毎回うちの会社からも、色々なメンバーが代わる代わる参加させていただいています。普段何気なく見ている地域の海岸ですが、やはり意識するとごみが落ちていることに気づきます。朝の約1時間、みんなで集まって一斉に海をきれいにすることは、本当に気持ちが良いですね。私自身も普段から海を利用させていただいているので、恩返しの意味でも、素晴らしい活動だと感じています。」

 

 

 

初めて参加した若手社員2人

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A「想像していた以上に海岸が汚れていて驚きました。イメージしていた『きれいな海』とのギャップがあり、その分『きれいにしがいがあるな!』と、やりがいに満ち溢れています……と、僕が言うと嘘っぽく聞こえますか(笑)?」

B「よく見ると白い発泡スチロールの破片が細かく散らばっていて、その多さに圧倒されました。こうして実際に体験することで、海のごみ問題が身近なものとして感じられるようになりました。これからも積極的に参加して、香川の海をきれいにしていきたいです。」

3.「楽しむことが一番のSDGs」広報担当・吉中さんが語る運営の裏側

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この活動を中心となって進めている、広報担当の吉中さんにお話を伺いました。

――毎月の運営や広報活動において、苦労されていることはありますか?

吉中さん:

「苦労ですか?実は全然苦労していないんです(笑)。

社内でSDGs活動をしっかり推進していこうという大きな目標があり、その一つとして、仕事の一環ではありますが、楽しく取り組んでいます。何より、参加してくれるお子さんたちが海で楽しそうにしている姿を見るのが嬉しくて、いつも楽しんで運営しています。」

――外部の方や他企業との連絡も、吉中さんが調整されているのですか?

吉中さん:

「はい、私が窓口となっています。先ほど社長からもあったように、ここ(船隠し海岸)は駐車スペースが限られているため、基本的には社内メンバーを中心に20?30名で実施しています。

一方、坂出市の沙弥島は駐車場が広いため、Xで『もし興味があれば、どなたでもお越しください!』と広く呼びかけています。時にはカマタマーレ讃岐のフロントスタッフ、ボランティアメンバーや、香川ファイブアローズの選手、そしてブースターの皆さんが、スケジュールを合わせて参加してくださることもあります。」

――ごみの処分はどうなさっていますか?

吉中さん:

「市から専用のごみ袋を無償で提供していただいており、非常に助かっています。また、事前に市に申請しておくことで、活動後の月曜日に市がごみを回収しに来てくれます。私たちはごみを1か所にまとめて置いて帰るだけでよいので、『拾うこと』だけに集中でき、本当に感謝しています。」

――最後に、同じように香川県内で海ごみ拾いをされている方々へメッセージをお願いします。

吉中さん:

「私たちはまだ香川県内の3つの海岸しか行けていません。瀬戸内の海は世界に誇れるほど美しいのに、海岸にごみが散らばっているのは本当にもったいないことです。他の団体や個人の皆さんと力を合わせて、大好きな香川の海を一緒に美しくしていけたら嬉しいです。ぜひ共に頑張りましょう!」

4.今回の成果と、5年目に向けての決意

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ごみ拾いの時間が終了し、全員でごみを1か所に集めます。トングやビブス(ゼッケン)を手際よく回収した後、全員が集まって終わりの会が開かれました。

吉中さん:

「皆様、お疲れ様でした!2022年7月に始まったこの活動も、ちょうど丸4年が経過し、今月からはいよいよ5年目に突入しました!(全員から大きな拍手)

本日は総勢27名の方にご参加いただきました。ここで、県外での勤務から久しぶりに香川に戻ってこられたメンバーに、一言感想をお願いします!」

県外から帰任した社員:

「皆さん、今日はお疲れ様でした。私は昨日、京都の舞鶴から香川に戻ってきたばかりなのですが、本日の活動にどうしても参加したくて駆けつけました。

私の目標は『年12回の開催のうち、最低10回は参加する』ことです(笑)。毎年活動を続けていると、ごみはたくさん出ますが、それでも肌感覚として『少しずつ海のごみが減っているな』と実感できるようになってきました。活動の最後に、全員で何キロのごみが集まったかをしっかりと数値で確認できるのも、達成感があって素晴らしい取り組みだと思います。これからも引き続き、みんなで香川の海をきれいにしていきましょう!」(全員から拍手)

岡本社長:

「気がつけばもう5年目に入ったんですね。来月は坂出市の沙弥島での開催となりますので、さらに参加人数を増やして、賑やかに開催したいと考えています。

先ほどのお話にもあったように、活動が継続していくと『遠方から帰ってきてでも参加したくなる』ような、良い意味でやみつきになるコミュニティができていきます。これからも多くの方に楽しみながら参加していただきたいです。来月もぜひよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました!」(全員から拍手)

いよいよ計量!本日の成果は……?

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会が終了すると、慣れた様子で手持ちのデジタルスケールを持った係員が、次々とごみ袋の重さを計量し、スマートフォンに数値を記録していきます。

「2.5キロ!」「はい、次!」と、息の合った連携でスムーズに計測が進んでいきます。

計量が終了し、広報の吉中さんから最終報告がありました。

 

吉中さん:

「皆様、ご協力ありがとうございました!本日は、合計21袋、総重量14.1kgのごみを回収しました!」

(最後に全員で肩を並べて記念撮影を行い、笑顔で解散となりました)

発泡スチロールの箱や農業用の苗箱といった大きなごみも回収でき、短い時間ながらとても達成感のある、中身の濃い活動となりました。

取材を終えて(感想)

青い空と輝く海に負けないくらい、参加者の皆様の爽やかな笑顔が印象的な取材でした。

株式会社ヤマウチ様の素晴らしい点は、活動を「毎月1回、定期的かつ任意参加」とし、誰も無理をせずに楽しめる仕組みをデザインしている点です。SNS等の情報発信を工夫することで、社員のみならずご家族や取引先、スポーツチームの選手やファンまで巻き込み、楽しみながら自然に社会課題に触れられる「笑顔のコミュニティ」が確立されていました。

今回、快く取材に応じてくださった株式会社ヤマウチの皆様、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました!

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