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公開日:2016年1月29日

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むえんさんの泉

むかしむかし、三木町の氷代谷(ひょんたに)の小さなお堂に、「むえんさん」と呼ばれる行者が住んでいました。ある日のこと、お百姓さんが田んぼの畔をつけていると、むえんさんがやって来て、つけたばかりの畔の上を、ひとつ歯のげたで、ひょいひょいと歩いていきます。お百姓さんがとがめると、「豆の植え穴をつくっとるんやがな。」という答え、見るとちゃんと豆穴になっていました。

また、ある夜のこと、近所の若者たちがむえんさんの所に遊びに出かけました。話がはずんで夜中になり、お腹がすいてきたので、遠い所の名物をあれがたべたいこれがたべたいと、わざとからかっていうと、むえんさんは「よっしゃ」といって、すぐに食べさせてくれたといいます。

ある夏には、金毘羅さんへお参りしたいという人に衣をかぶせ、あっという間に金毘羅参りをさせたといいます。

また、ある年のこと、日照り続きで、村人達が雨乞いを頼むと、むえんさんは「よっしゃ」といってそばにあった泉をさらえました。すると水が噴き出し、空にはみるみる雨雲が出て、水桶をひっくりかえしたような大雨が降ってきたとのことです。

またこのお堂には、こんな伝説も残っています。ある寒い日の夕方、一風変わった巡礼がやって来て「そのお堂の傍らの泉の水は、万病に効く」と告げて立ち去ったそうです。

その言葉通り、目につけると眼病が治り、飲めば腹痛も治まるというので、大勢の人が参拝して列はとだえることがなかったと伝えられています。

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