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公開日:2016年3月22日

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雨乞いの竜

その昔、雨の降らない日が続くと、夜も寝ないで川の底をさらえ、井戸を掘って、水くみをしました。それでも日照りが続き、ため池の水も涸れそうになると、村をあげて雨乞いをしたのです。

今から二百年も前のこと、その年は大変な干ばつで、何日も何日も日照りが続きました。村人は集まり、八幡さまの「雨の宮」にお参りをしたり、山の高い所にある「竜神さん(竜王さん)」の前で木を燃やし雨乞いをしたりしました。

大きな赤い炎は山々を赤く染めるほどで、一心にお祈りをしましたが、雨はなかなか降りません。そこで今度は、伊予の国(現在の愛媛県)の奥の院から少し離れた山あいにある水の絶えたことがないという淵に水をもらいに行きました。

その水をもって帰る途中で止まると、そこに雨が降るというので、何人もの若者が次々と休むことなく運び続け、持ち帰った水を神様に供えて雨乞いをしました。

それでも、その年は雨が降りません。いよいよ困った村人は、雨乞いの行者として有名な和蔵(わぞう)さんに祈祷をお願いしました。

すると和蔵さんは、村人に大きな竜をつくって海に流せばよいと答えました。竜は昔から雨を呼ぶといわれていましたから、村人は藁で大きな竜をつくり、村を練り歩きました。

人々は貴重な水を竜にかけて雨を願い、海へと流しました。和蔵さんも一心に雨を降らすお経を唱えました。

それから二、三日の後、南の空に雨雲が現れて、待ちに待った雨が降りだし、稲も枯れず、人々は救われました。

そこで干ばつの時には、藁で大きな竜をつくるようになったそうです。この雨乞い竜は、三豊市仁尾町で毎年夏に行われる「仁尾竜まつり」として伝えられています。

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