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公開日:2018年9月27日

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オリーブの栽培条件と管理

栽培条件栽培管理

栽培条件

1)気象条件

日照については、日照量が多いほど生育がよく、年間2000時間以上の日照時間が望ましいとされています。
オリーブは乾燥に強いイメージがありますが、良好な生育、果実肥大のためには年間1000mm程度の適度な降水量が必要です。
気温については、年平均気温が14〜16℃の温暖地が適当とされていますが、比較的低温には強く、短時間であればマイナス10℃で寒害が発生する程度です。しかし、長時間の低温は枯死を招くので注意が必要です。特に、若木の時は低温に弱いため、小枝や太枝、さらに幹にまで損傷を被りやすく、枯死に至ることがあります。
一方、花芽分化に対する低温要求度は強く、1月の平均気温が10℃以下でなければ着花しにくくなります。
また、風による樹の倒伏や根傷み、果実の損傷や落果などの被害が発生しやすいので、風当たりの強い場所を避けるとともに防風対策を十分に行う必要があります。

2)土壌条件

排水良好で、十分な保水力と保肥力に富んだ肥沃地で、十分な有効土層[※]が確保された土地が適しています。
オリーブの根は土壌通気性の要求度が大きいので、排水不良な粘土や地下水位の高い土地(水田跡地など)では生育が極端に不良となります。

[※]作物の根が容易に伸展できる土の層

栽培管理

オリーブを栽培する際の注意点などです。なお、記載している時期については香川県の気候による例となります。

1)植え付け

植え付けの時期は、春(3月)と秋(9〜10月)がありますが、新梢が出始める前の春植えが最適です。植栽間隔などについて十分検討を行い、植え付け位置を決定します。植穴は、早めに準備し、完熟堆肥や土壌改良材をよく混和しておきます。深植えとならないよう土で高さを調整し、傷んだ根を切り詰め四方に広がるように植え付けます。オリーブは根が浅く倒伏しやすいので、植え付け後は支柱を立てて誘引し、十分な灌水と敷きわらにより乾燥防止を図ります。
なお、自家不和合性が強いので1〜2割の受粉樹(異なる品種)を混植する必要があります。

2)施肥

肥料は芽の動き始める前の3月中旬、開花後の6月下旬、休眠に入る前の10月下旬に施用します。また、土壌pH矯正のため、2月中旬に石灰を施用します。

  • 苦土石灰施用量の目安(kg/10a)
苦土石灰施用量の目安図
樹齢区分 未結実期
(植付後1〜3年)
結実初期
(同4〜9年)
成木
(同10年以上)
苦土石灰施用量 30 45 60
  • 施肥成分量の目安(kg/10a、成木園(植付後10年以上、33樹/10a))
施肥成分量の目安表
時期 窒素 リン酸 カリ 備考

春肥(3月中旬)

8 5 7 未結実期(植付後1〜3年)の施肥量は成木の3分の1、結実初期(同4〜9年)は3分の2程度に減肥する。
夏肥(6月下旬) 4 3 4
秋肥(10月下旬) 4 3 4
16 11 15

3)病害虫防除

オリ−ブを加害する害虫のうち、最も問題となるのがオリ−ブアナアキゾウムシです。モクセイ科の植物を好んで食害し、特にオリ−ブを集中的に加害します。成虫は体長15mm、体幅6mm程度で体色は黒褐色、6本の脚と長い口吻を持ちます。卵は平均7日(夏)〜18日(春秋)でふ化します。幼虫は皮層に潜入し、食入孔から食害したオガクズ状の木屑を出しながら60〜200日間食害を重ねます。その後、木質部に楕円形の蛹化室を作って蛹となります。蛹は10〜15日で羽化し成虫となります。
成虫は、3月下旬から10月下旬まで間断なく活動を続け、冬期は休眠状態で越冬します。成虫は、3〜4年間生存し、樹冠上部の若い緑枝の樹皮等を食害した後、地際近くに降りて樹皮を食害し、その傷口に産卵します。雌成虫1頭当たり総産卵数は300個以上で、通常1日に1個ずつ産卵します。
オリ−ブアナアキゾウムシの防除は、薬剤防除だけでなく清耕栽培[1]による耕種的防除[2]、幼虫や成虫の捕殺も効果的です。成虫については、保護色のため見つけにくいですが、地際近くや枝の分岐部等に潜伏しているものを捕殺します。
薬剤防除は、登録農薬により行います。スミチオン乳剤、ダントツ水溶剤、アディオン水和剤等がありますが、登録内容に従って防除します。
その他の害虫では、新芽が出始めるとハマキムシ類が新芽を食害します。

  • [1]清耕栽培:下草を生やさない土壌表面管理
  • [2]耕種的防除:栽培法、品種、環境条件などを適切に選択して、病害虫が発生しにくい条件を整える防除方法。

また、病害では炭疸病が発生します。
炭疽病は糸状菌(カビ)の一種が侵入することで葉や枝、果実などに発生する病気です。果実が発病すると、褐色の病斑が円状に現れ腐敗が広がります。病斑上に形成された胞子は、雨水に溶け出し、飛沫とともに周囲に飛散し、二次感染を繰り返します。炭疽病は、果実のどの生育ステージでも感染しますが、濃い緑色の頃までは発病しにくく潜在感染の状態にあり、着色期以降成熟が進むとともに発生が多くなります。なお、炭疽病に対する感受性には品種間差があります。
薬剤防除は、休眠期にICボルドー66Dを、生育期には梅雨、秋雨時期を重点にペンコゼブ水和剤、アミスター10フロアブルを散布します。薬剤防除だけに頼らず、植栽間隔を十分に取り、せん定により日当たり風通しを良好に管理します。収穫が遅くなるほど被害が多くなるので、発生の多い年は早めに収穫します。

登録内容の変更があるので注意してください。また果実用、葉用、観賞用でも登録内容が変わりますの注意してください。

オリーブアナアキゾウムシ炭疽病被害果

4)収穫

(1)果実加工用(テーブルオリーブス)果実

果実加工用(テーブルオリーブス)果実には緑果用(グリーンオリーブス)と熟果用(ライプオリーブス)がありますが、本県においては緑果が主体となっています。
緑果用(グリーンオリーブス)は、熟度の若い黄緑色果実で濃緑色の果実が黄化を始めた頃が適期です。マンザニロ種で9月下旬〜10月下旬、ミッション種で10月上旬〜11月中旬が収穫期となります。現在の出荷規格(小豆島果樹部会オリーブ班)は、果実赤道面での横径14mm以上で損傷がない、赤紫系の着色がない、品種固有の形状をしている果実とされます。
熟果用(ライプオリーブス)にはミッション種が用いられ、赤紫色に成熟した果実が収穫されます。収穫時期は、11月下旬から12月上旬です。収穫は手づみで行います。果実を手の中に優しく包み込むようにし、親指と人差し指で果梗部をつかみ、傷つけないよう収穫します。
どちらの場合も傷果、炭疸病果、過熟果、未熟果、小果の混入がないように選別します。

(2)オイル用果実

オイル用果実は、油分含量が増加する10〜12月頃に収穫します。なおグリーンタイプのオイル用は、オイルの含油率が低い10月から収穫します。オイル用果実も、採油時の油の品質に影響するので傷果、腐敗果、炭疸病果等が混入しないように注意します。家庭でオイルを手搾りする場合は12月に入ってから収穫する方が採油しやすいでしょう。

このページに関するお問い合わせ

農政水産部農業試験場小豆オリーブ研究所

電話:0879-75-0033

FAX:0879-75-1021