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若い世代の骨髄移植への理解を深めるために、骨髄移植をテーマにした映画上映と、映画を企画・原案・主演した樋口大悟さん、骨髄ドナー登録説明員の大西礼華さん、血液内科医師の大西宏明先生によるパネルトークを開催しました。
日時:2025年11月22日(土曜日)
場所:徳島文理大学高松駅キャンパス(ムラサキキネンホール)
対象者:同大学香川薬学部学生71名、一般参加者148名(計219名)

ドナー登録者が増えて欲しいという思いと、骨髄移植がどういうものか、ドナーについて知ってもらうことが大切だと考え、ドナー側にも焦点を当てた映画を制作した。
(ドナーへ感謝を伝えたいかという問いに対し)
移植から十数年経った。バンクのルールでドナーと患者は匿名での手紙のやり取りしかできない。
映画には、劇場に来てくれているであろうドナーへの感謝の想いを込めた。
この映画が、誰か一人の命を救うチャンスになれば良いと思っている。

登録自体は15分程度の説明を聞いて、献血のついでに少量の採血をすれば完了する。
骨髄バンクについて知ってもらうことが大切。説明を聞き、その時は登録しなくても大丈夫。
分からないことや心配なことがないか声をかけるように心がけている。
身近な人に今日のことを話してください。
説明員になってみませんか?一緒に頑張っていきたいです。

患者さん自身が企画・原案・主演された映画は、医療従事者が病院の中から患者さんやご家族を見る視点だけでは得られない共感が多い。
元気になって活躍されている患者さんの姿を見ると、医療従事者にとってものすごく励みになり、チームの力になる。
ドナーとして骨髄を提供する際には、コーディネーターや医師が適合された方に対し、骨髄採取のリスクや安全性について、細かくかつ正確に説明する。
適合しても必ずしも提供する必要はなく、本人が納得した上でドナーになってもらう体制が整っている。
参加者:骨髄を「脊髄」から採取すると勘違いしている人もいると聞いたことがある。
骨髄の採取部位は、お尻の骨の少し出っ張っている部分「腸骨棘」で、ここには重要な神経や血管がないため、安全性が高い場所だと分かっている。
提供者にとってのリスクとして、全身麻酔をかけることと、うつ伏せで寝る必要があることが挙げられるが、骨髄採取技術も向上しており、麻酔科の専門医が全身管理を行い、万が一の事態に備えた体制がとられている。
また、「腸骨棘」からの骨髄採取ではなく「末梢血幹細胞」を採取する方法もある。
血液を作るもとである造血幹細胞が、特殊な方法で通常の血液の中にも出てくることを利用し、成分献血のように血液中の造血幹細胞だけを取り出して、その他は体内に戻す方法である。
ドナー側が採取方法を指定しない場合は、患者側の都合により採取方法が決められるが、ドナー側に採取方法の希望がある場合は、その方法で提供が可能な場合のみ、ドナーとして選ばれることになる。


骨髄ドナー登録について、イベント後に「ドナー登録についてよくわからない」と回答した参加者が5分の1に減少し、「登録しようと考えている」又は「登録するかどうか迷っている」と回答した参加者が約2倍に増加した。
また、「登録するつもりはない」参加者も半減し、骨髄移植への理解を深めるという目的にイベントの内容が適合していたものと考えられた。
香川県では、高松市丸亀町にある「献血ルームオリーブ」、献血バスのほか、小豆保健所、東讃保健所、中讃保健所、西讃保健所でもドナー登録が可能です。
骨髄移植について、もっと知りたい方は日本骨髄バンクのホームページ(外部サイトへリンク)をご覧ください。
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