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農政水産部
土地改良課
ため池防災対策グループ
副主幹 石川正幸(農業土木)
〈プロフィール〉
1993年入庁。土地改良事務所などを経て、2021年4月から現職。観音寺市出身。
香川県では農業用水を安定的に確保するため、12,000か所余りものため池を有していますが、中には、決壊した場合、下流域へ甚大な被害が想定される貯水量の大きいため池も数多く存在しています。
このような中、近年頻発するゲリラ豪雨や今後40年以内に90%程度の確率で発生が危惧されている南海トラフ地震などの自然災害に備えるための防災対策や、ため池の保全管理が喫緊の課題となっています。
こうしたことから、ため池に水位計や監視カメラを設置することで、豪雨や地震時のため池の状況を遠隔監視により速やかに把握し、適切な判断や行動につなげるとともに、台風等豪雨時の事前放流や低水位管理による流域治水にも取り組むこととしています。
ため池を単なる「利水」だけでなく「治水」という側面でも活用するために、ICTを活用した令和時代の新しいため池監視体制の構築を目指しています。
具体的な取組みとして、令和4年度に市町担当者や地元土地改良区等に対して説明会を実施した結果、令和5年度は12市町98池において、この監視体制を実施する予定です。
水位計等観測機器
耐震補強工事
ため池調査
私は、土地改良課のため池防災対策グループで、ため池の耐震対策といったハード事業と、ため池管理者に適切な保全管理を促すといったソフト事業の両方を担当しています。
ため池の耐震対策では、ため池堤体の地質調査を行い、現状土の強度や水位等を確認し、安定計算で所定の安全率を満たしているか検証を行います。強度不足であれば、補強盛土や地盤改良等の耐震対策工事を実施しています。
ため池の保全管理では、ため池の技術的診断と適正管理のための指導・助言を行う機関である香川ため池保全管理サポートセンターと連携して、ため池の老朽化の程度や管理状況等を調査し、ため池管理者に対する指導・助言や技術講習会等を実施しています。
近年、農業従事者の高齢化・減少により、管理不十分なため池が見受けられるようになっているため、これからはため池の管理者をサポートし、より効率的な方法で、将来にわたって継続的に適正な管理保全が行われるよう、ため池の監視体制を強化していくことが重要だと考えています。
現在、私が行っている業務は、全てが香川県民の暮らしに直結しており、県民の安全・安心な暮らしをを守るために職員が協力して業務に取り組んでいます。ため池改修等を実施し、地元の方々に喜んでいただけたとき、県職員になって良かったと実感します。
香川県の未来を次の世代につなぐことが強く求められる中、職員一人一人が担うべき責任は大きいですが、その分やりがいはあります。みなさんと一緒に香川県民のために働く日が一日も早く来ることを願っています。
(掲載内容は、令和5年2月現在のものです。)
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