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公開日:2025年10月1日

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令和7年度「ONE STEP TOGETHER 県政知事トーク」(第2回)を実施しました

令和7年8月20日(水曜日)県高松合同庁舎

令和7年度県政知事トークの第2回目は、知事が高松市で県民の皆さんと意見交換を行いました。皆さんからは、日々の生活や活動において感じられている課題や県政に対するご意見、ご要望等をいただき、非常に有意義な意見交換会となりました。

集合写真

参加者

高松市から推薦された県民15名が参加

意見交換の概要

r7-8-20知事1【知事】本日は15名の方にご参加をいただきました。いろいろな立場の方に来ていただきましたので、学生や学校関係の方、NPOや自治会で活動されている方、各種団体の代表をされている方と3つのグループに分け、1グループ約30分ずつ意見交換を行い、私のほうからコメントをしながら進めていきたいと思います。まずは第1グループから意見をお願いします。

第1グループ(学生・学校関係者)

【参加者からのご意見】

1.香川県の人は防災意識が低いと言われているのではないかと思います。啓発活動も含めて、香川県として、今後どういった取り組みを考えていますか。

2.普段から盆栽に関する活動を行っており、盆栽の広報活動をしています。
イベントを行ったり、SNSで動画を挙げていこうと思っていますが、香川県では、盆栽の知名度が低いというアンケートが出ています。県民に盆栽をどうやって知ってもらいますか。

3.香川県中小企業家同友会と繋がりを持って、どうしたら若者たちが地元に戻ってくるかを、中小企業の人と深く考えながら活動しています。今後、教育の中で、生徒たちにどういうアプローチをして、香川県に戻ってきてもらおうと考えていますか。大学進学で県外に出て、また地元に戻ってきてもらうために、工夫していきたいことは何ですか。インタビューシップを受けた子たちに、地元に戻って働きたいかというアンケートをしたところ、「戻ってきて働きたい」、「県外に出て世界に出て働きたい」という意見が半々でした。地元の企業を知るということが大事だと思います。今後、どういう工夫をして、若者たちに地元の企業とか働く場所の存在を伝えていきますか。

※インタビューシップ・・・「インターンシップ」の内容に「インタビュー」を加えた造語。高校生が1人1社に出向いて、企業の経営理念や経営者・社員の生きがい働き甲斐を聞き、「働く意味」を学ぶ。

4.香川県は他県と比べて、他大学との交流の場が少なすぎるので、今後は、県内の学生を200人ぐらい集めたスポーツ大会や、婚活関係の出会いの場の創出、大きい合コンなどをしていきたいと考えています。
そこで質問が3つあります。
1つ目は、地域でどのようにスタートアップを実現でき、どういう支援があるのか。
2つ目は、知事が学生を200~300人規模で自由に動かせるとしたら、どんなイベントを企画したいか。
3つ目は、今後スタートアップや出会いの場、関係人口などにどのようにお金やリソースを使っていきたいか、今後の方針を教えてほしい。今後香川県が特に力を入れていく分野や方針に合わせて、学生としてどんな活動やリソース配分ができるかを知りたい。

5.香川県に愛着を持つ子供を育てる教育や、外に出た後、地元に戻ってくる人材を増やすことが重要だと考えていますが、県として、県立学校を中心に人材定着をどう進めていくのでしょうか。また、県立大学構想については、理学部を作るだけではなく、香川ならではの特色を活かし、スタートアップやアートと企業の連携など、新しい価値を生み出す大学にしてほしいと思います。

r7-8-20全体

【知事(第1グループ)】
・防災について
 香川県は洪水や地震被害が少ないといった地の利があり、防災意識が自分事になりにくいと思いますが、南海トラフ地震への備えは重要だと考えています。最近は防災への関心が高まっていますが、実際の行動が課題となっています。特に地震による対して、住宅の耐震化や家具の転倒防止対策(家具固定や棚の上の荷物の固定など)を住民に粘り強く呼びかけています。行動を通して防災意識を高めていく取り組みを今後も続けたいと考えています。
・盆栽について
 香川県の松盆栽は海外(特にスペインやフランス)で高く評価されています。県内でも関心が広がってきてはいますが、まだこれからです。一方、若い世代の間で室内に緑を置くことへの関心が高まっており、盆栽も選択肢の一つとして注目される可能性があります。今後は皆さんの方でも若者向けに小ぶりな盆栽などの普及を促進してほしいと思います。
・地域人材の確保・育成
 香川県にも、しっかりした企業が多くありますが、地元企業の存在や魅力が高校生や親世代にも十分知られておらず、県外への就職が多い状況が続いています。企業の方でも、特にエンジニアなど人材不足が深刻です。まずは、県内の産業を知ってもらう必要がありますが、BtoB企業が多く、わかってもらいにくい。香川に残って、香川を引っ張ることの大切さなどについて、高校の先生から生徒に伝えてもらうなど、県内企業に県出身者が残るような取り組みを進めます。
・学生の力の活用
 街の活性化のためには、街に出る人が増えるなど、動きがあることが大切だと思っています。そのためには、街が「美しく」「安全で」、「楽しむ」ということが重要であり、「美しく」と「安全で」は行政の役割ですが、「楽しむ」は民間の力によるところが大きいと考えています。県としても、公共スペースを開放する方向で進めていますので、ぜひご活用ください。
・スタートアップへの支援
 かがわ産業支援財団に窓口をおいて、手厚い支援を行っていますが、今以上に、サポートを広げていきたいと考えています。

それでは第2グループお願いします。

第2グループ(NPO法人・自治会等関係者)

【参加者からのご意見】
6.地域の基盤は経済や産業であり、企業経営者の役割は非常に重要だと考えています。一方で、NPOには可能性も限界も感じています。地域には積極的に活動できる人だけでなく、参加が難しい人もいて、そのような人たちへのケアやサポートも大切であり、NPOや市民活動がそれを担っていと思います。最近の若者は地域や社会貢献に慣れていますが、うまく関われず劣等感を持つ人もいます。地域は多様な人々が存在する場であることを理解してほしいと思います。

7.健康、医療、介護、子育てなど様々な分野で、地域の小さな担い手が活動していることが、居場所づくりや役割のマッチング、心のつながりに貢献し、健康寿命の延伸や子育て支援にも繋がっていると感じています。目立たないところで頑張っている人たちを応援する仕組みをどう考えているのかについてお聞きしたいと思います。

8.高松市東南部を流れる春日川は、平成16年の台風で大規模な氾濫が発生し、国の事業で川幅が広げられ美しい川になりましたが、両岸の景色が変わってしまいました。地元では堤防に花を植える活動が続いていますが、近年はホテイアオイ(水草)が大量発生し、一旦は解決しましたが、今年5月にまた発生しています。除去しても再び繁茂して異臭などの問題が発生しています。県に言ってはいますが、なかなか対応してもらえません。美しい自然を守り、創出するための県の施策にはどういうものがありますか。

9.高松市では、行政と地域が協力してコミュニティ協議会を中心に、持続可能なまちづくりを進めてきました。しかし、人口減少や少子高齢化、単身世帯の増加などで地域活動の担い手が減り、団体運営や行事の参加者不足が課題となっています。特に自治会は加入率が低下しており、既存自治会の再生や未加入世帯へのアプローチが重要な課題となっています。県には、市町と連携して地域づくりや関係人口の確保、自治会加入促進のための支援策をお願いしたいと思います。

10.塩江町では人口流出が続き、地域活性化のため林業会社の設立を進めています。しかし、香川県の林業政策は針葉樹中心で、広葉樹林業への支援が不足しています。広葉樹は県の森林面積の6割を占めますが、従事者は少数です。広葉樹には渇水対策など公益的な役割も期待されます。林業は成果が出るまで長い年月が必要なため、今から広葉樹林業への支援や啓発、産業振興策を強化し、県民全体で森の価値を考えてほしいと思います。

 

r7-8-20知事2

【知事(第2グループ)】
・子供から高齢者まで孤独や居場所の問題が社会全体で深刻化しており、今後ますます重要になると考えています。行政としては居場所づくりや困っている人への支援をしっかりやっていきたいと思います。そして、どうやったら、そこに入ってきてもらえるか積極的に考えていきたいと思います。
また、行政は「任せる」ということが苦手ですが、そこを乗り越えていけるよう取り組んでいきます。
・春日川のホテイアオイ問題については、個別に早急に対応したいと思います。また、水辺や河川空間の美しさや憩いの場づくりは重要な課題であり、行政だけでは出来ない部分があるので、住民と協力して取り組む必要があると考えます。香川県は道路の植樹などは整備されていますが、河川空間のいいところは確かに少ない印象があります。市とも一緒にいい空間づくりを進めていきたいと思います。


【参加者からのご意見】
8-2.春日川の水草問題について、過去には、県土木事務所の河川課や香川大学の先生、地元関係者で対策委員会を作り協議しましたが、効果的な解決策を見つけるのは難しい状況です。川幅拡張や取水堰の設置で水が溜まるため、水草の繁殖力が強く、洪水以外では水を流して水草を除去することも困難で、水利組合などの事情もあり、抜本的な対策が難しいまま現在に至っています。

【知事】

・よくわかりました。
・自治会の加入率が低下していることを課題として認識しています。私がかつて住んでいた他県の地域では自治会に入らないとゴミ出しができないなど動機づけがありましたが、香川県ではそのような仕組みがなく、加入率が低い状況です。隣近所との絆つくりは大事なので、しっかりやっていきたいと思います。また、防災への備えをテーマに動機づけができないかとか、祭りなど楽しいイベントの実施のサポートができないかなど、市と協力してやっていきたいと思います。
・現在、かがわヒノキの利用促進に力を入れており、使い道が広がり、動きが出てきています。使い道の確保が重要だと感じており、今後は広葉樹林の活用についても考えていきたいと思います。

【参加者からのご意見】
10-2.香川県の山側の広葉樹林はかつて地域のエネルギー源として重要だったのですが、ガス化の進行で放置されるようになりました。現在、広葉樹を公共施設のバイオマス燃料などに活用する提案もしていますが、初期コストの高さや行政の消極的な姿勢が課題となっています。

【知事】

それでは、第3グループお願いします。

第3グループ(各種団体代表者)

【参加者からのご意見】
11.高松市消費者団体連絡協議会は瀬戸内海を守るため、家庭からでる廃油やごみの処理などの環境問題への取り組みや、特殊詐欺防止の啓発活動を柱としてきました。しかし、団体の担い手が高齢化し、若い参加者が集まりにくく、今後の継続に不安を感じています。行政との連携や、消費者相談員・アドバイザーの育成事業も行っていますが、行政側の担当者が定期的に異動で代わることもあり、行政が自分たちに任せてくれないという感じがあり、やりがいの低下や立ち位置の不安も課題となっています。過去には子供向けの環境体験活動も実施しており、今後も活動を続けたいと思っています。

12.高松市青少年健全育成市民会議は、家庭・学校・地域・社会が連携し、青少年の健全な成長を支援する活動を行っています。
近年、インターネットトラブルなど、非行が低年齢化しており、非行問題行動に対してどのように対応していけるかが課題となっています。組織が高齢化しており、子供や親との意識のズレを感じています。今後、健全育成に関わっていく人材をどのように確保していくのか、県・市の考えをお聞きしたい。
また、子どもの通学路や学校での安全確保について、どのように考えているのかお聞きしたい。

13.高松市子供会育成連絡協議会は地域の子供会活動を支援する団体ですが、少子高齢化や共働き世代の増加、コロナによる行事中止などで子供会の加入率や役員の人数が減少しています。昔は地域で清掃や廃品回収など社会貢献活動も行っていましたが、現在はそうした活動が減っています。日本では幼少期からのボランティアや社会貢献活動が少なく、子供会活動を通じて体験活動や社会貢献の機会を増やし、大人になっても自然に地域活動に関われる流れを作りたいと考えています。また、屋島や五色台の少年自然の家など県立の子供向け自然体験施設の老朽化が気になっており、魅力ある施設づくりをお願いしたい。

14.文化財の保護協会は、市民に文化財の価値を広めることを目標に、地域の史跡巡りや伝統文化体験教室、講座など様々な活動を行っているが、コロナ禍で活動が制限され、苦労している。構成員の高齢化や若者の参加がないということが課題となっており、何か支援策があれば伺いたい。
四国遍路の世界遺産登録について、行政としてやっているのは分かるが、一般の人への意識啓発が弱い。一般の人への普及の取組みをお願いしたい。
瀬戸内国際芸術祭についても、地元文化の情報発信が弱いと感じています。

15.高松商工会議所は約4780社が加盟し、女性会や青年部も活動していますが、会員企業は人材不足に悩んでいます。少子高齢化が進む中、地元に残る人材の育成が重要であり、県立大学には郷土愛や地域貢献につながる教育を期待しています。米国では、AIの進展により就職先がなくなっているという話もあり、新しい時代に対応できる大学づくりを求めています。

 

r7-8-20知事3

【知事(第3グループ)】
・活動団体の高齢化が課題となっていますが、学生など若い世代にも意欲的な人がいます。老舗の団体に若者が参加しやすくするため、行政も協力して敷居を下げ、意欲ある人が活動に加われるような仕組みづくりを考えていきたいと思っています。
・通学路の安全対策は非常に大切であり、痛ましい事故をきっかけに一斉点検が行われますが、時間が経つと対策が手薄になりがちです。香川県でももう一度、県下で順次点検をやっていきたいと思います。対策の動きが遅いこともありますが、諦めずに繰り返しご指摘いただきたいと思います。
・コロナ禍で途絶えた市民・地域活動は、企業や観光よりも元通りになりにくい部分があり、行政としてもその認識を共有し、重要な活動は回復に力を入れるべきだと考えています。
・子供たちが集まる県有施設は老朽化や汚れが目立つ場所が多く、順次きれいに改修しています。子供が無料や安価で気軽に楽しめる場所の充実は、外出のきっかけにもなり大切なことだと考えていますので、ペースを上げてやっていきたいと思います。
・遍路道については、同じ問題意識を持っており、四国遍路世界遺産登録推進協議会でもきちんと対応していきたいと思います。世界遺産登録を目指し、石柱だけでなく道中にも遍路道だと分かる工夫をして地元の盛り上がりを促したいと思います。
・瀬戸芸についてもおっしゃるとおりです。こうしたイベントが地域への関心や訪問の動機づけになっており、これからもしっかりとやっていきたいと思います。その中で、アートだけでなく、地域の文化もあわせて発信できるよう、次回の課題としたいと思います。
・企業側からは技術者を求められており、こうした技術者は当面AIに代わるものではないと考えています。県立大学では、こうした技術者を養成するなど、企業とのつながりが見えるような大学としたいと考えています。

【参加者からのご意見】
14-2.用水路の藻については農家負担で除去していますが、現在、地域に農家は1割ぐらいしかいません。用水路の管理は土地改良区の責任ではありますが、負担が大きすぎると感じています。行政の支援をお願いできたらと思います。

【知事】
河川のいろいろな藻の繁殖による弊害は、高温ということが影響していると思います。現状はよくわかりました。

【参加者からのご意見】
15-2.商工会議所女性会では、毎年、(四国遍路道の)石柱を1ヵ所おいています。石柱を置かせてもらえるところがあれば教えて欲しい。

【知事】
置き場所について、県も協力するので、引き続きお願いしたいと思います。

【参加者からのご意見】
4-2.楽しいイベントをやりたいのですが、大学生には2つの大きな課題があります。1つは金欠で、県や市の案件に応募したくても、過去の委託経験が応募要件となっていて参加できないということ。もう1つは、騒いだり自由に楽しめる場所や環境が整っていないこと。昔は公園などでBBQや花火ができたが、今は規制が厳しくできないので、申請すれば特別に騒いでもいい日を認めてほしい。甲府駅前の夜のビアガーデンのような楽しいイベントを香川県でも実現したいので、県や知事の支援や整備をお願いしたい。

【知事】
応募要項については、過去の慣習で記載されている部分もあり、やりたい人が参加しにくい状況になっているものもあるのではないかと思います。今後改善していく必要もあると考えています。また、イベントの場所については、昼間ならサンポート周辺の歩行者天国エリアを無料で利用できるので、希望があれば相談してほしい。

【参加者からのご意見】
3-2.私は高校生活で、生徒同士が主体的にイベントを運営し、後輩へ引き継いでいくことを重視してきました。教員主導ではなく、生徒が自ら取り組むことが重要だと考えています。また、大学生など若い世代が地域の課題や魅力を伝える活動も大切だと思います。県で対応できることには限りがあると思うので、県や企業、学生が協力し、個々で頑張るだけでなく、意見を交換し繋がりを深める場を増やしてほしいと、この会を通じて感じました。

6-2.知事が言う「任せることの難しさ」は多くの現場で感じられますが、顔が見える関係を築ける場があることで、相談や交流の機会が生まれるので、こうした場が増えると良いと思います。一方で、今日のような意見交換会をもっと公開・発信してほしいと感じています。参加者がSNSなどで情報発信できるようにすれば、信頼関係も深まるのではないでしょうか。

5-2.行政は新しいことに挑戦しつつ、守るべきものもあるため大変だが、攻めの姿勢がなければ発展はないと感じています。自校はDXハイスクールとして予算をもらい、様々な新しい挑戦ができています。例えば、官公庁の補助を受けてカンボジアへの教育研修旅行も実現しました。予算をつけて新しいことへの挑戦を促す仕組みはありがたいですが、不正や持ち逃げなどのリスクもあるため、実績のない子たちでもチャレンジできる信頼の仕組みや環境づくりを、今後さらに検討してほしい。そうすれば、相乗効果で新しいことが生まれると考えています。

【知事】
大事なご意見ありがとうございました。大変いろいろな観点からご意見をいただきまして、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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