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※研究所で学んだことを振り返っての研究生の感想の一部です。(令和2年3月)
入所当初の私は漆の知識がほぼありませんでした。しかし、先生方に基礎から丁寧に教えていただき、少しは理解できるようになってきました。この1年を通して、平らな面で研げば平面になる等の考えれば当然のことを実行する難しさを痛感しました。来年は「当然」を実現できるよう心掛けたいと思います。
目にするモノ、耳にするコト、何もかもが初めてのことばかりで、右も左もわからずあたふたしている間に、気が付いたら1年がたっていました。本当にあっという間でした。全てが初めてで挑戦、難しすぎてわからず、出来ないことばかりを痛感しましたが、その分とても楽しくやりがいに満ちた1年でした。
未経験の状態で始めて1年、最初は教わるがまま作業をしていましたが、先生方のご指導のおかげでだんだんと自分の身になっていると感じます。漆やその技術は学べば学ぶほどに奥深く、難しく、そして可能性しかないと感じる、とても充実した日々を過ごせました。
2年生になり、初の器物制作で下地工程から1年生の時とは段違いの難しさで、なかなか上手くいかずたくさん失敗をした1年でした。ですが、どの工程も楽しくて、少しずつ、1つずつ出来ることが増えていくのを実感できました。日々精進していきます。
1年生では基礎的な事を学び、2年生で各技法のデザインを自分で一から考え形にするのはとても難しく「何をどう表現するか」これが特に難関でした。来年はそれに加えて修了作品の形も自分で考えることになるので、試行錯誤を重ねながら”自分の形”を表現して、邁進していきたいと思います。
今年は初めての器物制作で失敗もしました。失敗を恐れ大泣きもしました。しかし、確実に漆のことを1年生の時よりも学び、知識も増えました。先生方や研究生にもらったアドバイスが良い刺激になり、研究所で学ぶことに関して良い環境だ、と再認識しました。
漆のことが学びたくて入った研究所での3年間は、たくさんの先生方から見て、聞いて、手を動かして学び、私にとって夢のような環境でした。技術面でも表現面でも多くの壁にぶち当たりましたが、修了制作で自分の考えた形で漆の作品を作るのが毎日本当に楽しかったです。これからもっと良いものが作れるよう、日々精進していきたいです。
基礎生物学研究から漆の世界に飛び込みましたが、漆芸は知れば知るほど、作業の積み上げ方や発想の仕方が生物学の研究ととても似ていました。専門的な話を分かりやすく興味をひくように相手に説明することにも従来の経験が活かせると感じました。今後は文化財保存修復の道に進み、さらに漆芸の腕を磨いて作品制作にも邁進したいです。
研究所で過ごした3年間は、道具作りから加飾に至るまでの丁寧な指導、先生方の作品を見せていただいたり、解説を聞いたり等、とても充実していました。自分の持つ技術の向上も感じることができて良かったです。3年間ありがとうございました。これからも頑張ります。
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