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研究所で学んだことを振り返っての研究生の感想の一部です。(令和4年3月)
この1年間をひとことで表すと、とても楽しかったです。大学でも漆芸をしていましたが、少人数だったため個人でしているような感覚でした。しかし漆芸研究所は、同じ目標に向かう仲間がたくさんいるため、基本的には個人プレーですが、チームプレーのような感覚で楽しく漆の仕事ができ、ここに来て良かったと思っています。
初めて漆に触れ、一作品を仕上げるまでに想像以上に多くの工程があることを知りました。まずは工程の手順を覚えるのに手間取りましたが、先生方にご教授いただきなんとかこの1年間漆に対する知識を少しずつ深めることができました。2年生ではさらに多くの知識と技術を身につけられるよう励んでいきたいです。
一瞬の様な1年間でした。文化財修復の現場を転々としながら、地元の技法も身に付けたいと思っていました。いざやってみると、思うように彫れなかったり描けなかったりしますが、今勉強していることを将来どう活かそうか考えるのはもの凄く楽しいものです。令和4年度も、深みのある作品を作りながら研究に励んでいきたいと強く思っています。
1年生では分からなかった事が、作業を重ねていく中で理解できるようになった時は自分の中で前進しているんだな実感することができました。まだまだ頭と手がうまく連動しないことがあるので、たくさん作業して失敗をして次につなげていきたいです。
研究所に入って2年目は、1年の時よりさらに時間が過ぎるのが速く、まるで龍宮城にいるようでした。2年生になると漆芸実習以外の授業が増え、さらに作品の数も増えるので、完成させるだけでも一苦労でした。3年生では一つの分野に集中して制作することができるので、今回よりも良い作品を作れるように励みたいと思います。
課題に追われ大変でしたが、その分充実した3年間だったと思います。入所当時に比べるとどう動けばどうなるかが想像出来る様になってきましたが、まだまだ予想外の事も多く、漆は面白い素材であると感じます。この3年間で試してみたい事も沢山できたので、それらを活かしこれからの制作に繋げていきたいと思います。
研究所での3年間は、光の速さで過ぎ去ってしまいました。基礎をコツコツと積み上げ、出来ることをひとつひとつ地道に増やし、繊細に丁寧に作業を繰り返すことでしか、何一つ作り上げることのできない漆芸の厳しさと難しさに向き合い続ける日々でした。初心を忘れず、飛躍できることを信じて、これからも漆のものづくりを続けていきたいです。
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