ページID:4507

公開日:2010年5月31日

ここから本文です。

平成22年5月31日 答申第473号(香川県情報公開審査会答申)

平成22年5月31日(答申第473号)

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が行った非公開決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成20年10月1日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。

  • (1)平成20年9月30日午後3時からの高松地裁での平成19年(ワ)第630号事件の傍聴のために出張した職員の氏名・所属の分かる文書(以下「本件請求1」という。)
  • (2)上記(1)記載の職員の作成した復命書、関連する出張命令書(以下「本件請求2」という。)
  • (3)特定土地改良区の役員推薦会議の会議録を作成する必要がない旨の指導をした際の一切の起案文書その他の関連する一切の文書(以下「本件請求3」という。)
  • (4)上記(3)の指導の根拠の分かる一切の文書(以下「本件請求4」という。)

2 実施機関の決定

実施機関は、公開請求のあった行政文書が不存在として、平成20年10月15日付けで本件処分を行い、異議申立人に通知した。

3 異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、平成20年11月17日付けで、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対して異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

1 異議申立ての趣旨

「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 異議申立ての理由

異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をする必要がある。
  • (2)本件決定通知書の記載では、不存在とするが、虚偽である。本件請求1及び2については異議申立人本人が現認しており、本件請求3及び4については、特定土地改良区の○○理事長が法廷において証言しているのである。

3 行政不服審査法第25条第1項ただし書に基づく口頭意見陳述

口頭意見陳述において主張している理由は、おおむね次のとおりである。
本件請求1及び2については、公開しない理由に「行政文書が存在しないため。」とあるが、私は裁判所で県職員を3人見た。相手の弁護士と話をしており、○○理事長とも挨拶をしていた。県の職員が来ている場合は、何らかの書類は残っているはずである。
また、仮に文書がないとしても、この非公開通知書では、出張の事実があるかどうか分からない。明らかにすべきである。
本件請求3及び4については、○○理事長が法廷で「県の職員から指導を受けた。」と証言している。文書が無いというのは虚偽である。そういう文書が無いというのなら偽証になるはずである。

第4 実施機関の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件請求1及び2について
    高松地裁の平成19年(ワ)第630号事件は、特定の土地改良区に関する民事訴訟であり、県は原告又は被告のいずれにもなっていないことから、平成20年9月30日に高松地裁で同事件の裁判があることを知らされておらず、同裁判の傍聴に行った職員はいない。
    したがって、本件請求1及び2に係る行政文書は存在しない。
  • (2)本件請求3及び4について
    「特定土地改良区の役員推薦会議の会議録を作成する必要がない旨の指導をした際の一切の起案文書その他の関連する一切の文書」については、土地改良課において文書指導を行った事実がないことから、行政文書は存在しない。
    したがって、本件請求3及び4に係る行政文書は存在しない。
    なお、土地改良区の役員推薦会議の会議録については、土地改良法や特定土地改良区の定款には、その作成を義務付けた規定はない。
    以上により、本件請求のあった行政文書が存在しないため、非公開決定を行ったものである。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。

2 本件請求対象行政文書の存否について

  • (1)本件請求1及び2について
    審査会で調査したところ、県は、高松地方裁判所の平成19年(ワ)第630号事件の原告又は被告のいずれでもないことが確認された。
    また、香川県行政組織規則(昭和36年規則第27号)第8条によると、土地改良区の指導及び監督に関する事務を所管しているのは土地改良課であるので、同課の職員に対して当該裁判の傍聴に行ったか否かについて調査をしたところ、職員が平成20年9月30日に高松地方裁判所に行ったことは確認できなかった。
    したがって、県は当該裁判の当事者ではないので、その傍聴に行った職員はいないとの実施機関の主張に不自然なところはなく、本件請求1及び2に係る行政文書の存在を推認させる特段の事情もない。
    よって、実施機関が本件請求1及び2に係る行政文書が存在しないため非公開とした本件処分は、妥当であると判断される。
  • (2)本件請求3及び4について
    土地改良区の役員推薦会議は、土地改良法(昭和24年法律第195号)第18条第11項により組合員が総会で役員を選任する場合に、役員の候補者を選出するための会議である。
    土地改良課の職員に対し、当該会議の会議録を作成する必要がないことを特定土地改良区に文書で指導したか否かについて調査したところ、文書で指導したことは確認できなかった。
    また、土地改良法並びに特定土地改良区の定款、役員選任規程及び規約を見分したところ、土地改良区の役員推薦会議の会議録を作成することについての規定はないことが確認された。
    したがって、当該会議録の作成についての法令、定款等の規定はなく、特定土地改良区に対して役員推薦会議の会議録を作成する必要がないことを文書で指導していないという実施機関の主張に不自然なところはなく、本件請求3及び4に係る行政文書の存在を推認させる特段の事情もない。
    よって、実施機関が本件請求3及び4に係る行政文書が存在しないため非公開とした本件処分は、妥当であると判断される。
  • (3)異議申立人のその他の主張について
    異議申立人は、その他種々の主張をしているが、いずれも当審査会の上記判断を左右するものではない。
    よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

第6 審査会の審査経過

当審査会は、本件諮問事件について、次のとおり審査を行った。
(省略)

401号~450号 451号~500号 501号~

このページに関するお問い合わせ

総務部知事公室広聴広報課

電話:087-832-3060

FAX:087-831-1066