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1.参議院議員選挙について
2.猛暑・酷暑による農林水産業への影響について
3.かがわ総文祭2025について
4.旧県立体育館について
5.瀬戸内国際芸術祭の夏会期について
6.南海トラフ地震臨時情報に伴う県の対応について
幹事社:
【1.参議院議員選挙について】
【2.猛暑・酷暑による農林水産業への影響について】
【3.かがわ総文祭2025について】
それでは、幹事社から3点、池田知事に質問させていただきます。20日に投開票されました参院選、香川県選挙区は国民民主党の原田さんが新人で当選されました。まず、原田さんに期待することはなんでしょうか。その点をお伺いしたいということと、もう1点、選挙絡みで申しますと、投票率ですけれども、前回の参院選より、7.24ポイントですか、これぐらい上回りまして、2016年以来、投票率50%台を回復いたしました。選挙期間が1日短いという状況もあったのですけれども、この投票率の伸びにつきましても、知事の所感をお伺いしたいと思います。2点目は、猛暑・酷暑による農林水産物への影響ということで、今年の夏は、6月中に梅雨明けしてしまうと、6月27日ですか、そういう暑い状況が続いて、若干雨の日もございましたが、高温状態というのが、香川県だけではなく西日本全体に続いているという状況にあります。県内の野菜・果樹・花きの農作物、それから水産物の生育・収穫に被害や影響があれば、具体的にその内容をお聞かせいただきたいと思います。また、こうした影響、被害を受けてですね、県として、対策で、高温耐性の品種等々への切り換え、導入、そういったものを検討している事例があれば、教えていただきたいと思います。最後に3点目、総文祭がこの週末に開幕いたします。開幕に当たりまして、参加される全国の高校生に向けての知事のメッセージをお伺いできればと思います。以上3点です。
知事:
いつも大変お世話になります。今日もどうぞよろしくお願いいたします。私からまず1点目、参議院議員選挙についてのご質問にお答えさせていただきます。香川県選挙区で当選されました原田秀一さんに、心よりお喜びを申し上げたいと思います。そして、原田秀一さんの国政でのご活躍に、期待をしているところでございます。具体的には、物価高騰、トランプ関税などへの対応を踏まえました経済対策、そして子育てにかかる、子育て世代の経済的負担の軽減などを中心とした少子化対策、水道施設の耐震化などの国の財政的支援の拡充など防災・減災対策といったインフラ・国土政策、このようなことの推進を期待しているところでございます。今回の選挙の所感でございますけれども、まず投票率が増加をいたしました。香川県は56.46%となっておりまして、多くの有権者の意見が反映されたものであると考えております。期日前投票に関しての報道によりますと、これからの時代を担う30代以下の方が上昇しているということでありまして、全体的な最後の投票率の分析はこれからかと思いますけれども、こういった若い方が投票に向かったということについては大切なポイントであり、重要なポイントであると考えております。それから、多様な政党が登場してきているということで、価値観の多様化については以前より、いろいろなところで言われておりますけれども、正にそういったことも反映された結果かなと思います。それから3つ目は、序盤戦・中盤戦・終盤戦と、それぞれの政党の情勢についても大きな、これまでにない変化があったかなと感じております。インターネットの普及による情報伝達のスピードアップ、こういったものが影響しているのかと感じております。所感については以上でございます。それから2つ目の猛暑・酷暑の農林水産業の影響でございます。まず農産物の方ですけれども、現時点においては県の普及センターが日常的に農家を巡回しておりますけれども、その中で把握しているものについては、露地野菜について、さぬき市・東かがわ市で、ねぎの生育遅延が見られます。また観音寺市で、なす、キュウリについての葉っぱの葉焼けですね。また果樹では、三豊市のブドウの葉焼けなどが確認されております。一方、JAによりますと、出荷量については今のところ影響を受けていないと聞いております。今後の影響が懸念はされているところでございます。次に水産物でございますけれども、7月16日現在屋島湾の海水温が平年より0.8度高い24.3度ということでございます。現時点において海洋生物に大きな影響を及ぼすと考えられる海水温とはなっておらず、特に被害などは聞いていないところであります。今後このまま気温が高く推移をして、一般的に、また、これまでの実績でもある、最も海水温が高くなる9月ごろに、海水温が28度を超えるような日が続いていくと、一部の魚種において影響が出るということが懸念されているところでございます。次に、影響への対策でございますけれども、例年より梅雨明けが随分早かったことから、7月2日にJAや市町に向けまして、高温・用水不足に対する対策の内容を県の方で作成し、それを促しているところでございます。また、県のホームページやSNSでもこの情報を提供しております。また県の普及センター、農家の方へ日常的に巡回しておりますけれども、水の、灌水方法などの指導を行っているところであります。それから高温に強い品種への切り換えですけれども、心配されているアスパラガスについて、さぬきのめざめ2021というものが暑さに強いということで、そちらへの切り換えを。またブドウのピオーネですね、これはシャインマスカットへの切り換えを。また、温州みかんですけども、これも石地という新しい品種、これが暑さに強いということで、この切り換えを、今、推進しているというところでございます。2点目は以上でございます。3点目のかがわ総文祭2025でございますけれども、いよいよ今週末26日から、秋篠宮皇嗣同妃両殿下をお迎えして開催されるということでございます。全国の高校生に対しましては、日頃から積み重ねてきた努力の成果を、この香川の地で存分に発揮をしていただきたいと、そして、その発表をして存分に力を発揮していただくことで、全国の高校生が次のステージに向かう飛躍の場所になったと思えるような、そういう大会になっていただければ嬉しいなと思います。また、全国から2万人の高校生、そして保護者や関係者10万人が集まるということですので、いろいろな層で交流を深めていただければ嬉しいと思っております。そして最後に、香川県にそれだけの方がおいでになりますので、ぜひ、香川県のいろいろな魅力を感じて、また香川県にも来たいなと思ってもらえるような、そういう滞在にしていただけたらと考えております。私から3点のお答えは以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【1.参議院議員選挙について】
記者:1点目について補足でお聞かせいただきたいです。知事ご自身、投票率はいろいろな意味で上がる要素があったかと思われるとのことですが、実際のところ、「候補者が多かった」ということが、直接ある程度、投票率の底上げに繋がったとお考えでしょうか。先ほど、多様化という点をご指摘いただいたわけですけれども。
知事:まだ、最終的な投票率は私も見られていないのですけれども、期日前投票の状況についての報道機関の報道を幾つか見させていただきますと、まず20代・30代の投票率が、前回の投票率より上昇し、40代以上よりも大きい状況が見てとれました。実際にどうだったかというのは、もう一回確認が要りますけれども、そういう方向で、最終的にも投票がされたのではないかと感じております。やはり、若い方の関心が高まったということが、投票率の上昇の大きな要因になったのではないかと思います。
記者:香川県も進めていらっしゃる少子化対策であったり、子育て対策であったり、あるいは若年層のいろいろな形の就労支援、あるいはIターン・Uターンの促進、そういったものにも今後ますます目が向いてくるとお考えでしょうか。
知事:やはり、そういうのは非常に重要な、今後の日本・香川県の将来にとっての大事なポイントですので、そういったところへのこれまで以上の注力が必要だということを、今回の選挙結果を見て改めて感じました。
記者:参院選で何点かお伺いしたいのですが、まず自公過半数割れということで、これに対する所感が1つと、非常に不安定な政局になると思うのですが、今後の県政運営に対する懸念及びどういう状況になったとしても、国に対する要望を、今後どういう形でやっていってほしいか、大きくこの3点をお伺いできればと思います。
知事:まとめてお答えさせてもらいますが、今回の与党の過半数割れ、これは民意であると思います。そして、このような政治状況になっていることから、今後、予算や法案の審議の合意形成には時間を要することになるのではないかと思います。ぜひ、時間を要することは悪いことではないので、建設的な審議をしていただきたいと思います。一方で、そういった中で、県の進めている政策について、この影響ということが、現時点ではまだ未定ではありますけれども、県政にそういった影響がないように、県議会と力を合わせて努力をして取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
記者:これまで自公政権で決めてきた中で知事はやってこられたかと思うのですが、この自公だけで決められないと、今後なることについて、知事は率直に懸念を感じるのか、どういう感想をお持ちですか。
知事:いろいろなご意見が反映されてこの結果になっておりますし、多くの意見が政策に反映されることは、合意を取るのはなかなか難しく、どこら辺で折り合いつけるかということはすごく大変になりますけれども、そういうことがされるようになる、これは非常に望ましいことではないかと思います。ぜひ、そういう、良い折り合いをつける政策決定になるように、ぜひお願いしたいと思いますし、期待をしています。
記者:意思決定のスピード感というものが、やはり若干、地方まで下りてくるのに(時間が)かかってくるかと思うのですが、県のトップとしては、その辺に対する、もう一度重ね重ね、懸念及び要望はございますか。
知事:現時点ではどのような影響になるかというのは、実際、分からないところがあるのですけれども、議論に時間を要しても、決めるべきタイミングでは決めていただいて、県政は、国の予算をもらったり、また、国の法律に基づいて行ったりしている部分もありますので、そこは影響が出ないようにしないといけないと思っています。よく状況を見て、悪い影響が出ないように取り組んでまいりたいと思います。
【4.旧県立体育館について】
記者:旧香川県立体育館についてお伺いします。先週18日に、民間から、買取等による保存及び利活用に関する意向表明書が、知事と県教委の方に提出されまして、協議の開始を申し入れられました。県と県教委として今後どう対応するつもりか、お聞かせください。
知事:先週、報道もございましたけれども、検討されているグループから、県教育委員会がご説明をお伺いいたしておりまして、教育委員会から、グループからお話のあった内容は、私も報告を受けております。この報告によりますと、今回、先週お話のあった内容については、具体的に事業を進める方を含めまして、今後、さらに時間をかけて検討が必要な提案であって、具体的な提案にはなっていないと認識をしているところでございます。地震の発生の可能性が高まる中で、できる限り早期の安全確保が重要で、それをしていかなければいけない訳ですけれども、その方法としては、今、予定している解体以外に、現時点では無いと認識をしております。
記者:8月頃に解体の入札公告に向けた手続きを県教委の方が進めているということですが、今回この申し入れがあった上でも、予定どおり手続きを進める予定ということでしょうか。
知事:今、申し上げましたとおりで、今回の提案については、具体的なものではないという認識でおりますので、安全確保のために、予定どおり、解体については進めてまいりたいと考えております。
記者:知事は2月の当初予算を発表されたときに、私の質問に、「新しいものがあれば、当然考えないといけないということはあるかも分かりません」と、この体育館の解体方針を再検討する上で、そうお答えいただいているのですが、これまで、解体に多額の費用がかかるということと、それから有効な利活用策が民間含めて無いということを理由に挙げてらっしゃいましたが、今回、実際に10億円をかけて解体するという中で、全額改修費用を民間で出すという提案もある中で、それは検討に値する話ではないと捉えられているのですか。
知事:先週いただいた提案というのは、誰がやるのかということを含めまして、具体的なものになっている提案ではないと思います。そういうことで状況に変化はなく、安全確保のためにも、予定どおり解体を進めてまいりたいと考えております。
記者:解体の入札の公告をすると本当に動き出すのですけれども、それを一旦止めて少し猶予を持たせるということも、今のところはないということですか。
知事:今の時点では、解体の予定を変えるような状況の変化と言いますか、そういったものは、今はないと認識をしておりますので、安全確保のためには、予定どおりの解体が望ましいのではないかと考えております。
記者:「具体的ではない」ということがその理由ということですけれども、今後、より具体化すれば可能性はありますか。
知事:どういうものが、ということを、今の時点でお答えすることは非常に難しいです。今の状況で考えるしかないのですけれども、今の状況を判断すると、安全確保のためには、予定どおりの解体をすることが一番望ましいと考えております。
記者:関連でもう1点、4月28日に、この体育館の解体に関して、ハーバード大学の大学院の教授陣から、解体・撤去の決定を再考する要望書が、知事のもとにメールと手紙で送られています。その中では、「要望の本文も公開して構いません」とあるのですけれども、県ホームページの「県民の声一覧」、知事へのメールの回答で「県民の声一覧」の中で公表する際には、大学名を隠す形で、要望の本文も公開していないのですけれども、その判断の理由を聞かせてください。
知事:今のことについては、私自身は認識がないのですけれども、ハーバード大学から、解体を再検討していただきたいというような文章はいただきました。それに関しても、先ほどの、先週のご提案の答えと同じ方針でありますけれども、現時点で、安全確保のためには、解体を進めることが必要だという回答をさせていただきました。それについて、何かこれを非公表にするとか、そういうことについて、私自身は全て、いただいているお手紙もこちらからの回答も、オープンだと思っております。
記者:回答内容に関してはその通りだと思うのですけれども、あえて大学名とかを隠していることを邪推すると、権威のあるところから(意見が)来たということをオープンにしたくなかったのかとも受け取れるのですけれども、そういう意図はないということですか。
知事:ございません。もし、そういうような誤解を招くようなことになっているのであれば、直していきたいと思います。
注)知事への手紙・メールについては、取扱い上、特定の個人や企業・団体に関するもの(個人や企業・団体を特定できる可能性があるものも含む)、公開することにより特定の個人や企業・団体に支障が生じる可能性がある場合などは、ご提言自体を非公開とさせていただくか、該当部分を伏字にして公開することとしています。
【1.参議院議員選挙について】
記者:冒頭の参議院選挙について、追加で1点、お聞かせください。今回、参議院選挙で当選した原田さんに対して要望することといたしまして、物価高騰ですとか、水道管の耐震化などを挙げておりましたが、香川県で、今、知事が感じられている課題について、どういったところを解決していただきたいかというところで、要望がございましたらお聞かせください。
知事:まずは子育て支援ですけれども、経済的な支援は、医療費ですとか給食費ですとか、いろいろなものがあります。そういったものに対して、国で一律、ぜひ進めていただきたいということをずっと申していまして、これはぜひ、そういうふうなことを進めていただきたいと考えております。また、それにも関係しますが、保育士の処遇ですとか、子育てとは離れますが、介護士や看護士の処遇ですとか、そういう公定の定めで、公に定まった価格がベースになって、処遇が決まっているようなものについて、この物価高騰を踏まえて、今、少しずつ改善はされているのですけれども、まだ追いついてないというようなことがありますので、そういったものを早急に上げていっていただくようなこと、これをお願いしたいと思っています。それからもう1つは水道の施設の老朽化・耐震化対策で、これまで水道料金で、この水道(の対策)はやるということが前提になっているものですから、今、急速に人口が減っている中で、なかなか、財政的に今の枠組みだけでは厳しいということで、先送りと言いますか、ペースが上がっていないというのが現状でございます。これを上げていかないと、安全の面で非常に心配されますので、上げたいと思いますが、それに際して、やはりこれまで以上の国の公的助成をしていただかないと進みませんので、それは、ぜひお願いしたいと思っております。
【5.瀬戸内国際芸術祭の夏会期について】
記者:この8月1日には、香川で瀬戸芸・夏会期が始まるところかと思います。先ほど、暑さ関連の質問もございましたが、改めて、訪れる観光客の暑さ対策、運営するスタッフの暑さ対策に加えて、今回、東讃地域も初めて会場になりますが、そういったところの観光客の周遊については、どのようなことをお考えでしょうか。
知事:まず暑さ対策ですけれども、特に人が長時間日差しの中で過ごさないといけなくなる可能性のある港の付近、あるいは美術館の前とか展示の前、そういったところにまず注力をしたいと思っておりまして、そこで日傘を貸し出す、それから水分が取れるようなものも用意をする、こういった少しリスクの高い場所を中心に、暑さ対策に取り組みたいと思っております。それから、今回、東かがわ・さぬき・そして宇多津といった、これまでになかった、本土側の会場ができますので、まずはいろいろな周遊について、実行委員会のホームページで流していきたいと思います。交通手段であるとか、そういったこともしっかりと流していく、このようなことを、初めての会場であるからより一層、しっかりやっていきたいと思います。
記者:暑さ対策の水分ですとか、日傘について、設置場所などはもう既に決まっていますでしょうか。
知事:8月1日からやれるように、準備は整っております。
【6.南海トラフ地震臨時情報に伴う県の対応について】
記者:去年の8月、南海トラフの臨時情報が発表されまして、そこから1年となりますが、例えばまた(臨時情報が)発表がされたときに、県としての対応のガイドラインですとか、県内施設への対応というところで、香川県として何か新しい方針などを打ち出す予定はありますでしょうか。
知事:前回、初めての経験でありましたので、県、市町、それぞれ少なからず戸惑いと言いますか、あったのは事実でありますが、その時の振り返りをして、もう既に、今までの中でもいろいろな会合とか場面で、市町の方には「出たらこのように対応していく」というようなことをお知らせしております。これからも機会があるときに続けたいと思います。
【1.参議院議員選挙について】
記者:参院選関連でもう1点質問させてください。当選された原田さんは、公約の1つとして、企業誘致を挙げていたと思います。これに対する知事の期待についてお伺いします。
知事:企業誘致は、1つは、香川が優れた起業地であるということのPRが重要です。ぜひ、気候の面、交通の便の面、原田秀一さんのいろいろなこれまでのネットワークがあると思いますので、PRをしていただけることを願っております。それから、いろいろな国策に伴って誘致をしている、データセンターなどが代表例ですけれども、そういったものについては、国の助成もいただくことで立地が進みますので、それの獲得についてもご尽力いただければありがたいと願っております。
記者:原田さんがおっしゃっていたのは、グローバル企業の誘致ということで、熊本の半導体メーカーでしたか、それを例に挙げて、経済効果があるからそれを香川に、ということもおっしゃいましたけれども、「グローバル企業」ということに関して何かご所感はございますか。
知事:国内のみならず、そういうグローバルな企業に香川に来ていただけるということは、これからもぜひ実現できるように取り組んでまいりたいと思っております。そういう中で、原田秀一さんのこれまでのいろいろな経歴などを拝見しても、いろいろなネットワークがあると思いますので、ぜひそういうネットワークの中から、香川をPRしていただいてこちらにお話がくるような、そういったことを期待して、願っております。
以上
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