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公開日:2020年12月10日

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発掘現場通信 岡遠田遺跡

弥生時代のムラを調査中!

前回の報告から2か月も空いてしまいましたが、調査はおおむね順調に進んでおります。

前回報告した約300基の柱穴は何とか掘り終えて、2棟の掘立柱建物を確認することができました(写真1)。それ以外にも円形と方形の竪穴住居2棟の一部を壁際で確認することができました(写真2)。いずれの建物も弥生時代後期のものと推定されます。

すぐ南に続く調査区でも多数の柱穴群を検出し、さらに円形の竪穴住居1棟の痕跡も確認しました(写真3)。現在は住居中央の炉跡の調査の最終段階を迎えています。

さらに南の調査区でも方形の竪穴住居2棟を検出しています(写真4)。

調査対象地の中央に位置する現代のため池(岡田1号池)の北側には弥生時代後期頃のムラが広がっていたことが推定されます。

今後もムラの広がり(範囲)や建物の構成などを考えながら調査を進めてまいります。(10月15日)


写真1 1区の掘立柱建物2棟


写真2 1区の竪穴住居2棟


写真3 2区の遺構を検出したところ


写真4 3区東半で遺構を検出したところ

発掘調査が始まりました

沖南遺跡の調査を終えた後、同じ国道438号(通称;貞光線)の路線上に位置する岡遠田(おかとおだ)遺跡の調査を8月から開始しています。沖南遺跡からは直線距離で南へ約500メートルの台地上で、約20mの高低差があります。

調査は道路建設部分とため池の拡張部分を合わせて、来年3月末まで調査する予定です。7つに分割した調査区は北から順に調査を行い、現在は1区の遺構検出が終わった段階です。試掘のデータどおり柱穴を見つけていますが、柱の痕跡の残るものを含めて300基ほどあり、その仕事量の多さにいきなり調査員は頭を抱えております。

それはさておき、試掘では弥生土器も見つかっていることから、弥生時代の建物跡を期待しつつ、北方にどっしりと構える「讃岐富士」こと飯野山の麗しき山容を毎日眺めながら調査できる幸せをかみしめております。(8月17日)


 


1区の柱穴検出状況(南から)


1区と飯野山

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