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公開日:2020年12月10日

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彫漆制作工程4

彫漆(ちょうしつ)制作工程 北岡 省三[昭和59年制作]

  • 15(1)花の肉付け
    桔梗の花の中心部を彫り下げ、色漆の層を浮き彫りにして花びらの形を整えます。
  • (2)葉の蒟醤(きんま)
    桔梗の葉の部分は、下草の葉と区別するために蒟の技法で仕上げます。工程に沿って、左側はアウトラインを彫り、中央は葉脈を残して面彫りを施し、右側は焼錫粉を混ぜた黒漆を塗り、乾くと埋めるという作業を6回ほど繰り返して完成させます。

  • 16 全体の研ぎ
    呂色炭で研ぎ出して表面を整えます。
    • 呂色炭は、エゴノキなど、きめの細かい樹木を焼成した軟質の研ぎ炭で、研ぎの仕上げ用に使用します。

  • 17 仕上げ完了
    素地に生漆を塗り、胴擦りを数回繰り返して艶をつけ光沢を出します。花の中心部は沈金、しべの部分は金粉を蒔いた平蒔絵で仕上げます。
    • 胴擦りとは、菜種油と砥の粉を練り合わせたものを脱脂綿につけて漆面を磨くことをいいます。
    • 沈金は、漆面に線彫りをして漆を摺り込み、金箔や金泥を押し込んで文様を際立たせる技法です。
    • 平蒔絵は、絵漆で文様を描いて金銀の粉を蒔き、漆で固めて磨く技法です。

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