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「経済財政運営と改革の基本方針2024」では、経済あっての財政との考え方の下、経済再生と財政健全化の両立を図ることなどが示されたが、エネルギー価格や物価の高騰などが地域経済に大きな影響を及ぼしている中、子ども・子育て政策の強化、カーボンニュートラルの実現、デジタルを活用した地域創生の加速化、防災・減災、地域公共交通の再構築など、必要な財政需要に対応するため、さらなる地方財政の充実・強化が必要となっている。
よって、国においては、下記の事項について、格段の措置を講じるよう強く要望する。
記
1 地方の財政需要を的確に反映し、持続可能で安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額の確保・充実を行うこと。なお、行政の効率化や人口減少等を理由とした単純な地方歳出の削減は行わないこと。
2 喫緊の課題であるこども・子育て政策の強化につき、地方が事業を安定的に行えるよう必要な財政措置を適切に講じること。その際、全国一律のこども医療費助成制度の創設や不妊治療の保険適用範囲の拡大、学校給食費の無償化等の実現に当たっては、原則として国が負担すること。
3 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、必要な財政需要を的確に見込んだうえで確保するとともに、「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」等の拡充や支給要件の緩和のほか、脱炭素化推進事業債の対象を国庫補助事業の地方負担分にも広げること。
4 デジタルの力を活用して地方創生を加速化・深化していけるよう、地方財政計画における「地方創生推進費」や「地域デジタル社会推進費」を拡充・継続し、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源を十分に確保すること。また、地方創生関連予算を十分に確保するとともに、令和6年度までの特例措置となっている「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の拡充・延長を行うこと。
5 地方公務員の定年年齢の引き上げの円滑な制度移行において、地方の財政負担が新たに生じないよう、確実に所要の地方財政措置を講じること。特に、定年年齢の引き上げ期間中も真に必要な規模の新規採用を計画的に継続するために人件費が増加する場合等においても、適切に地方財政措置を講じること。
6 令和2年度から導入された会計年度任用職員制度が円滑に運用できるよう、制度運用に必要となる地方財政措置を引き続き講じること。
7 令和6年度の地方財政計画においては、令和5年度に引き続き折半対象財源不足が生じておらず、臨時財政対策債の抑制が一定図られたものの、その廃止や地方交付税の法定率の引き上げなど抜本的な改革を行うべきであり、臨時財政対策債に頼らないよう、財源不足に対応して必要となる地方交付税の財源を適切に確保すること。
8 医療の先進性を確保し、県民医療の充実を図るため、高度医療・先進的医療のための医療器械の更新等について、リースなど購入以外の手法により調達ができるよう、適切な地方財政措置を講じること。また、持続可能な医療提供体制の確保に向け、地域において重要な役割を果たしている自治体病院の経営強化や医療体制の整備に対し、財政的な支援を拡充すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年7月11日
香川県議会
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