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現在、大企業を中心に景況感には改善傾向が表れているが、地域を支える中小事業者は依然として厳しい状況にある。民間の信用調査会社によれば、今年1月から6月までの上半期に1千万円以上の負債を抱えて倒産した四国の企業は93件で、去年の同じ期間と比べると13%増えたことが分かった。このうち香川県では21件であり、その背景としては、コロナ関連の支援が終了するタイミングに、円安や物価高、それに深刻な人手不足等が重なったことが挙げられている。上半期としては過去10年間で4番目に多い件数となっており、今後は、日銀のマイナス金利政策解除によって金融機関の貸出金利が上昇することも考えられ、倒産がさらに増えることが懸念されている。
もとより、わが国では、中小企業・小規模事業者が、企業数の9割以上、雇用者数の約7割を占めており、日本経済の屋台骨であるのみならず、国民生活を支える社会基盤であり、地域社会の担い手である。経営者の高齢化、最低賃金の引上げ、働き方改革関連法の適用への対応など、中小事業者を取り巻く環境は大きな変革期を迎えており、十分な対策を行わなければ、大企業との格差が広がり、デフレからの脱却が遠のくと考えられる。
よって、国においては、働き方改革や賃上げなど山積する課題に取り組む中小事業者への支援が一層充実されるよう、次の事項の実施を強く要望する。
記
1 中小企業・小規模事業者が事業の充実と活性化が図られるよう、新たに正規労働者を雇用した場合、社会保険料の事業主負担の一定部分を助成するなどにより、中小企業の新規人材の獲得を支援すること。
2 中小企業・小規模事業者が原材料費やエネルギー価格、労務費などの上昇分について、発注側企業と価格交渉し、適切に価格転嫁できる環境を整備するなど、関係省庁が連携して綿密なフォローアップを行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年10月11日
香川県議会
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