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我が国においては、世界に類を見ない速さで人口減少、少子高齢化が進む中、補聴器を必要とする高齢者は増加しており、我が国の難聴者数は推計1,430万人(日本補聴器工業会調べ)となっている。
本県においても、人口の3割以上を65歳以上の高齢者が占める中、65歳から74歳では3人に1人、75歳以上では7割から8割が加齢性難聴と言われている。
聴力機能は、人々が日常生活を送るに当たって重要な機能であるが、加齢によりこの機能が低下することは、友人や家族等とのコミュニケーションの機会や外出頻度の減少による社会的孤立や、聞きづらさからくるうつ病や認知症発症の原因と考えられている。
この加齢性難聴は、加齢によって誰にでも生じる可能性があるため、補聴器の装着により聴覚機能を補助することが対策の一つと考えられ、高齢者の聴覚機能の維持は、高齢者が地域でつながり、孤独を防止し、結果として健康寿命の延伸につながることにより、医療費の抑制にも寄与するものと考えるが、我が国の難聴者に占める補聴器所有者の割合は15.2%とヨーロッパ諸国の21%から55%に比べてかなり低くなっている。(日本補聴器工業会調べ)
そのような中、市町村が実施主体となり障害者手帳の交付を受けた人を対象とする全国統一の補装具費支給制度のほか、都道府県・市町村が独自に実施する身体障害者手帳の交付対象外の人への補助制度がある。
しかしながら、中等度、軽度の加齢性難聴は対象にならない場合が多く、補聴器の値段も1台5万円から50万円程度と高額のため、低額年金や無年金の高齢者は購入したくてもできない状況である。
このような実態の中で、近年、独自に補聴器購入の助成事業を実施している自治体もあるが、ごく一部である。
よって、国においては、補装具費支給制度の対象とならない加齢性難聴者への必要な対策として、下記の事項を実施するよう要望する。
記
1 身体障害者手帳交付対象外の加齢性難聴者の補聴器購入に関する全国統一の公的支援制
度を創設すること。
2 健康診断の項目に「聴力検査」を加えること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年10月14日
香川県議会
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