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実施内容
ガイドに必要な基礎知識を、フィールドでの体験と対話を通して学ぶ「里海ガイド養成講座(基礎)」を開催しました。企業で CSR 活動に携わっている方や、すでに地域でガイド活動を行っている方など、さまざまな立場の方々が参加しました。
◆講師によるアクティビティ体験、フィールド活動体験
講師の松野氏が手本となり、受講生を参加者役としてアクティビティ体験を行いました。内容は、「金糸雀(かなりあ)色と椋実(むくのみ)色を探そう」「女木島の好きな風景をフレームに収める」「くじで引いた相手に送る俳句」など、さまざまなフィールドで応用可能なものを取り入れました。実施前はやや緊張した様子だった受講生も、アクティビティを通して次第に表情がほぐれていきました。
フィールド活動体験では、小前氏がガイド役となり、磯の生き物観察を実施しました。受講生は、岩を裏返して生き物を探したり、岩の間に隠れている貝類やイソギンチャクを観察したりしながら、楽しみつつ学びを深めていました。
アクティビティの一連の流れとしては、実施方法の説明 ⇒ 注意事項説明(セーフティトーク)⇒ 体験・実施 ⇒ 振り返り・気づきの共有の順で行い、その過程でガイドが「何を」「どのように」説明しているのかを、体験を通して学びました。
◆ツアープログラム開発秘話(先輩ガイドと Q&A)
先輩ガイドが実際に講師として実施した「かがわ里海大学の講座」を題材に、ツアープログラム開発秘話として、プログラム造成から実施に至るまでの流れを時系列で紹介しました。
受講生からは、造成時に苦労した点や工夫した点、広報の方法などについて多くの質問が寄せられました。実際に行った講座(ツアー)内容をもとに解説や質疑応答が行われたことで、参加するだけでは見えにくい準備段階での工夫や考え方を知ることができ、非常に参考になった様子でした。

◆リスクマネジメント、フィールドの危険(リスク)確認
小前氏とともに、実際の事故事例をもとに検証を行い、ツアー中の重大事故やトラブルをどのように回避するかについて考えました。
グループワークでは、フィールドに適した装備や道具の準備、専門的な技術を持つガイドやスタッフの育成、事故発生後にガイドが行うべき対応など、細かな点まで検討する機会となりました。
その中で、事前に危険を予測し回避することの重要性や、そのためにはガイド自身の知識や技術の向上が不可欠であることを改めて認識していました。
また、フィールドに潜む危険(リスク)を考えるトレーニングとして、実際にフィールドを歩きながらリスクを洗い出し、それぞれに対する対応方法についても検討しました。

◆アクティビティづくり、アクティビティ実施
受講生は、特徴の異なる 2 か所のフィールドでアクティビティづくりに挑戦しました。里海を楽しく体験することを目的に、各フィールドの特性を活かしたアクティビティの造成を行いました。
造成したアクティビティの発表では、他の受講生や講師が参加者役となって体験し、「良かった点」「改善点」について意見交換を行いました。これにより、より良い内容へとブラッシュアップするためのフィードバックが行われました。

◆新たな講座修了生の誕生
体験と実践を重視した4日間の講座が終了し、新たな「里海ガイド養成講座(基礎)」修了生が誕生しました。
受講生からは、「学んだ内容を自分の仕事や活動に活かしたい」「ステップアップ講座である『里海ガイド養成講座(応用)』を受講したい」といった声も多く聞かれました。
今後の里海ガイドとしての活躍と、さらなる展開が期待されます。

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