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公開日:2025年10月1日

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令和7年度「ONE STEP TOGETHER 県政知事トーク」(第5回)を実施しました

令和7年10月30日(木曜日)三豊市危機管理センター

令和7年度県政知事トークの第5回目は、知事が三豊市を訪問し県民の皆さんと意見交換を行いました。皆さんからは、日々の生活や活動において感じられている課題や県政に対するご意見、ご要望等をいただき、非常に有意義な意見交換会となりました。

集合写真

参加者

三豊市から推薦された県民15名が参加

意見交換の概要

知事1【知事】今日は大変お忙しい中、県政知事トークにご参加いただきましてありがとうございます。また日頃から、皆様それぞれのお立場で、県政にいろいろな形でご協力をいただいておりまして、本当にありがとうございます。
日頃、皆さんの活動で感じておられる課題や、県政に対してのいろいろな提案を率直にご発言いただければと思います。
グループ分けは少し似通った活動分野ということで、こちらの方で分けさせていただきました。第1グループは教育・子育ての分野、第2グループは観光・環境対策の分野、第3グループは健康づくりの分野でご活躍されている方といたしました。ご発言はどのような分野の話でも構いません。日頃の生活やお仕事の中で感じておられることもご発言いただければと思います。

 
第1グループ(教育・子育て)

【参加者からのご意見】

1.  三豊市では小中学校の不登校児童生徒がコロナ後に大幅に増加しています。その受け皿として高瀬中学校の夜間学級に併用している学びの多様化学校において、不登校の義務教育学齢期の生徒も受け入れています。最近は学齢期の生徒が増えており、対応に苦慮していますが、夜間学級に通うことで生徒のコミュニケーション力が向上するなど、効果を感じています。不登校対策としてこれらの受け皿は重要ですが、個別対応のための教員配置が不足しており、手厚い配置を要望します。現在は努力と工夫で対応していますが、夜間部は昼間部よりも対応に時間がかかるため、人員配置の充実をお願いしたいです。
 もう1点は、部活動の地域移行についてです。中学校の部活動の地域展開について、三豊市は香川県内でも先進的に取り組んでいますが、土日は学校外で活動する際、実際は、学校の先生が指導者として登録している状況です。保護者からは、以前は無料だった部活動に月謝がかかることや、遠くまで通う負担について多くの不満の声が寄せられています。平日は従来通り中学校の先生が部活動を見ていますが、働き方改革の影響で先生に職務命令を出せず、校長として対応に苦慮しています。指導者確保や財源面も課題であり、香川県独自の支援があったらいいと思います。土日の部活動指導には謝礼が出ますが、平日の放課後も部活を見なければならず、勤務時間外にもかかわらず謝礼は出ません(教職調整額に含まれているため)。今は、土日は国の補助金で謝礼が出ていますが、補助がなくなれば月謝が大幅に上がり、保護者から学校に問い合わせが来ることが懸念されます。今後の謝礼や部活動運営について、ぜひご配慮をお願いします。

2.  県にお願いしたいことが2点あります。1点目は、小学校体育館へのエアコン設置についてです。中学校では設置が進んでいますが、小学生は夏場に運動場も体育館も使えず、運動の機会が減り、子どもたちのストレスも溜まっています。今後も暑さが続くことが予想されるため、早急にエアコン設置を進めてほしいです。国からの補助だけでなく、県からも補助金を出していただければ設置が早まると思うので、ぜひご支援をお願いします。
 2点目は生活習慣についての外部講師による授業の充実についてです。大学の医学部の先生など専門家が小学校に来てくれる例があり、子どもたちは専門家の話を真剣に聞き、ダンスなどを交え楽しく学んでいると聞いています。こうした授業を受けられる子どもが限られているので、より多くの子どもたちに受けてもらいたいです。しかし学校単位では予算が厳しいため、助成制度の拡充など、県の支援をお願いしたいです。子どもたちが将来健康な体を持つためにも、生活習慣の大切さを小さい頃から学ぶ機会を広げてほしいと思います。

3.  小学生向けのプログラミング教室でプログラミング体験があるかを尋ねると、ほとんど手が上がらず、学校ごとにプログラミング教育の実施状況に差があると思います。自分自身も幼少期にプログラミングやロボットの出前授業を受けて理系に進み、技術を社会やビジネスに活かすことができました。理系人材は将来重要なので、小学生が技術に触れる機会がなかったことで、理系の道に進まなかったというような、機会損失を減らしたいです。県主体で、県内各地の子どもたちが技術やプログラミングに触れられる機会を増やしてほしいと思います。

4.  三豊市から委託を受けて、子育てひろばや学童保育、乳幼児一時預かりなどを運営していますが、共働きや長時間労働で子どもと向き合う時間が十分に取れない家庭が多いと感じています。親の努力だけでなく、経済的な支援や働き方の見直しなど、子どもとの時間を作り出せるような支援が必要です。子育ては家庭だけでなく社会全体で支えるものと考えており、行政の協力や声かけも重要です。私たちも子育て家庭の支えになれるよう、今後も努力していきたいと思っています。

5.  三豊市財田町では少子高齢化が進み、子どもが少なく不安も多いですが、地域の特色や地元愛を育てる環境づくりへの支援をお願いしたいです。学校の合併などがあっても、地域で活動できる場所をつくってくれていますが、家庭の経済状況や送迎の都合で平等な機会が得られないこともあります。家庭環境や地域によらず、子どもたちが同じ機会を得られる環境づくりを望みます。また、地域の伝統行事も担い手不足で存続が難しくなっているため、予算や支援の充実も必要です。民間として地元の居場所づくりにも取り組んでおり、行政と民間が協力して地域に目が行き届く活動を進めたいです。地元で楽しい体験や思い出があることで人口流出が防げ、地元愛が育つので、そうした活動への支援を希望します。
全体写真

【知事(第1グループ)】
・夜間学級の取り組みは非常に重要で先進的だと認識しており、今後も継続して取り組んでほしいと思います。不登校の減少は難しいと思いますが、不登校の生徒も学べる体制整備が不可欠であり、引き続き対応をお願いいたします。教員配置についての要望も受け止め、検討したいと思います。
 また、部活動の地域展開について、民間講師には謝礼が必要で、土日に、地域クラブの指導者になっている学校の先生に謝礼は出るが、平日の勤務時間外に、学校の先生が部活動の指導をしても謝礼を出すことは、教職調整額との兼ね合いもあり難しいと感じています。すぐに具体的なコメントはできませんが、状況は理解しました。
・小学校体育館のエアコン設置については、1日も早く全校に導入したいと考えています。小中学校は市町の管轄ですが、県としても積極的に働きかけや支援を行い、早急にエアコン設置が進むよう取り組みたいと思います。これは急ぐべき課題だと認識しています。
・プログラミングやダンスなど、学校カリキュラムでは難しいが子どもにとって重要な体験の機会について、私も大切だと考えています。こうした活動には、適切な講師の確保が不可欠です。具体的に「こういうことをやりたい」という相談を学校や関係機関に持ちかけてもらえれば、講師料や場所などの課題も乗り越えられると思います。もし対応が難しい場合は、私にも相談していただければ、一緒に考えたいと思います。
・子育て支援には「経済的支援」「親同士のつながりの確保」「柔軟な働き方」の三本柱が重要だと考えており、県政でもこの三点を中心に取り組んでいます。共働き世帯が増える中、子どもと過ごす時間の確保が課題であり、企業には一時間単位の有給休暇や短時間正規雇用の導入を働きかけています。人手不足の状況を柔軟な働き方推進のチャンスと捉え、今後もスピード感をもって進めていきたいと思います。
・学校の合併について、送迎や経済的負担などの課題があることを理解しています。小中学校の合併はできるだけ避けるべきだと教育委員会とも話していますが、やむを得ず合併する場合は、部活動などで生じる負担についても何か支援ができないか考えて見たいと思います。
 また、合併によって地域の特色や伝統行事が失われることは望ましくないと思っています。例えば、祭りなどは合併後も従来通り続けることで、地元の活力や愛着が保たれると考えています。効率化だけを重視せず、地域の伝統や盛り上がりを大切にする方向で、今後も働きかけていきたいと思います。

 

第2グループ(観光・環境対策)

【参加者からのご意見】

6. カーボンニュートラル活動において、地球温暖化や異常気象が深刻化し、もはや待ったなしの状況です。しかし、多くの企業が自社のGHG(温室効果ガス)排出量の把握すらできていないのが現状です。まずはGHG排出量の現状把握を促し、脱炭素活動に取り組むよう企業に呼びかける必要があります。また、企業を支援できる有識者の育成・増加について、香川県にも助力をお願いしたいです。

7. 日本では2050年の脱炭素社会実現に向けて各地で取り組みが進められていますが、国が示す「脱炭素先行地域」に香川県が提案できていないことは残念です。香川県も「2050年CO2排出実質ゼロ」を宣言していますが、今後3年、5年、10年でどのような具体的な取り組みを進めていくのか、ぜひ教えていただきたいです。

8. ちちぶの会は1996年から毎月第1日曜日に清掃活動を行っており、最近では観光客の増加に伴い、役員や近隣住民が毎週日曜日にも清掃を続けています。大型ゴミの流入は今も続いていますが、活動を通じて地域住民や移住者との交流も生まれています。また、小中学校でも、ちちぶの会の清掃活動が授業に取り入れられ、地域の清掃をするだけでなく、若い世代にゴミ問題への意識を持たせる取り組みも進めています。自然や白い砂浜を守る活動が今後も長く続くよう、若い世代への継承や仕組みづくりにも力を入れています。

9. 県にお願いしたいことが2点あります。
1点目は、父母ヶ浜を含む庄内半島の観光客が急増し、環境保全の重要性が高まっていることです。父母ヶ浜はオランダの認証団体、グリーンデスティネーションズ、世界の持続可能なトップ100選で認証されており、県と三豊市、地元団体が連携して、海岸と駐車場を含めた統一的な環境保全に柔軟に取り組める体制づくりを希望します。
 2点目は、欧米諸国のメディアへの露出や評価が観光ブランドの向上につながるため、香川県と三豊市が一体となって、海外プロモーションに積極的に取り組んでほしいということです。

10. 小学校で地球温暖化防止につながる省エネ活動の授業支援を行っていますが、持続可能な社会の実現には教育の力が重要だと感じています。文科省が推奨する「環境・経済・社会を統合した教育(ESD)」を県全体で推進してほしいです。実際、子どもたちは自由な発想で省エネや食べ残し削減など具体的な目標を立てて主体的に活動しています。こうした取り組みは学校ごとで差があり、県として発信・推進していただくことで、将来の脱炭素社会づくりに子どもたちの意識がつながると考えています。
 

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【知事(第2グループ)】
・カーボンニュートラルについて、香川県は2030年のCO2排出削減目標に向けて順調に進捗していますが、今後さらに取り組みを拡充する必要があると考えています。企業、とくに工業地帯の大口排出者のエネルギー転換が効果を上げている一方、中小企業の取り組みはまだ十分でないため、専門家の派遣や助成金活用による省エネ化を加速させたいと思います。
 また、個人の家庭でも断熱窓の普及などを推進し、助成制度の活用をPRしていきます。新築・既存住宅ともに断熱化を進め、家庭からの排出量削減にも力を入れていきます。
・香川県は日照時間が長く、今後もソーラー発電を広げていきたいと考えています。ただし、環境保全とのバランスには注意が必要です。最近は軽量で壁にも設置できるペロブスカイトというソーラーパネルにも期待しています。これにより山間部の自然を損なうことなく、街中でも発電が可能です。現状、ペロブスカイトは設置・施工上の課題がありますが、技術的に解決されれば香川県でのソーラー普及がさらに進むと考えています。
・ちちぶの会の長年にわたる継続的な活動に感謝申し上げます。そのおかげで父母ヶ浜が世界的にも注目される場所となったと考えています。今後も活動の継続をお願いします。若い世代や移住者が参加しやすいよう、参加のハードルを下げることが重要だと思います。実績が上がるほど敷居が高くなる場合もありますので、誰でも気軽に参加できる仕組みづくりが大切です。いずれにしても、これからも活動を続けていただきたいと考えています。
・父母ヶ浜について、三豊市と香川県の担当者の連携を改めて確認し、一体感を持って対応できるようにしたいと思います。連携に課題があれば教えてください。
 欧米でのブランド化やメディア露出の重要性についても認識しており、現在フランスの旅行会社と連携し、瀬戸内海を社員旅行の行き先としてセールスしています。その中で、メディアへの露出について相談してみたいと思います。
・SDGsの環境分野には教育の力が重要であり、小さい頃からの取り組みが必要だと考えています。現在は学校単位で工夫されていますが、県としても積極的に働きかけていきたいと思います。子どもたちが楽しく取り組めるよう、現場のアイディアを集めて、事例集のようなものもできたらいいかなと思いますので、今後も様々なアイディアをいただきたいと思います。

 

第3グループ(健康づくり)

【参加者からのご意見】

11. 香川県では昼食にうどんを食べる人が多く、野菜の摂取量が不足しがちなので、70g程度の小鉢を一品追加するなど、野菜摂取を促す活動をしたいと考えています。三豊市は海や山の食材、フルーツなど旬のものが豊富なので、それらを活用した料理を広めていきたいと思います。

12. 毎月「幸せ処」という笑いの集いの場を開催しており、65歳から94歳まで多くの方が参加しています。しかし、まちづくり推進隊が来年で終了すると聞き、参加者から「続けてほしい」「行き場がなくて寂しい」と強い要望が寄せられています。私自身も活動を続けたいと考えていますが、今後どこに相談すればよいか模索中です。県として、こうした高齢者が集える楽しい場づくりを支援していただけると大変ありがたいです。

13. 農業や野菜、薬草の栽培、加工品づくりに取り組んでおり、特に薬用作物の栽培に力を入れています。薬用作物は環境負荷が少なく、健康にも良い持続可能な事業分野ですが、栽培には手間や人件費がかかるため、ボランティアの協力が重要です。現在は地元農業高校の生徒も協力してくれています。三豊市のこうしたサステナブルな取り組みを知事が県内外へ積極的に紹介し、関心を高めてもらうことで、仲間やボランティアの輪が広がることを期待しています。

14. 10年ぶりに日本で活動し、コンテンポラリーダンスの知名度と需要が地方でも高まっていることを実感していますが、人材と資金が不足しているのが大きな課題です。講師への要望も多く、一人では対応しきれません。芸術への支援がヨーロッパに比べて少ないことも問題だと感じています。人材や資金の課題解決策として、劇場をハブとして市民や子ども、プロが共に活動できる場づくりや、芸術監督制度の導入などを検討・推進してほしいです。
劇場にはスタジオやリハーサルルーム、照明・音響設備、事業予算などの豊富なリソースがありますが、専門人材が配置されていないため、現状は貸館中心になっています。市民の発表会だけでなく、創造的でチャレンジングな活動にこれらの環境を活用すべきだと考えます。ヨーロッパのアートセンターのように、芸術性の高い発表と市民・子ども向けプログラムを両立し、障害者や不登校の方への包括的なアプローチも可能だと思います。

15. フリーインストラクターとして様々な教室で活動しています。日頃感じていることは2点あります。1つ目は、長時間座りっぱなしは健康に良くないので、講習会などでも1時間に一度は立ち上がって休憩や深呼吸をする「ブレイクタイム」を設けてほしいということです。2つ目は、運動習慣を続けるために「マイチャレかがわ」などの健康アプリの活用が有効ですが、周知が十分でなく、使い方に疑問点もあります。例えば歩数ランキングの上限が不自然で、ポイント稼ぎのための不適切な利用も見られます。利用者の状況に合わせた歩数設定やアプリの改善、地域での説明会など、より使いやすく広く活用できる工夫を希望します。
 

知事3

【知事(第3グループ)】
・昨年度から、香川県では健康寿命を延ばすためのPRを積極的に行っています。平均寿命と比べ健康寿命が10歳ほど短い現状を踏まえ、県民全体で取り組む重要性を感じています。特に野菜摂取の促進に力を入れており、「野菜ファースト」として食事の最初に野菜を食べる運動を推進しています。私自身も実践し、血糖値や食べ過ぎ予防につながるということで努力しています。また、ベジメーターを活用して野菜摂取量の見える化にも取り組んでいます。うどん県として、うどんに合う野菜のサイドメニュー開発も課題であり、関係者の皆さんと協力して進めていきたいと考えています。
・まちづくり推進隊が終了することについては把握していませんでしたが、三豊市の事業であるため、不安や意向については三豊市とよく相談したいと思います。
・薬用作物の生産やPR、人手不足のサポートなどのご要望について、薬用作物の意義を十分理解できていないため、一度詳しく説明していただき、その社会的意義を明確にした上で、県として公的な支援やPRを検討したいと考えています。
・劇場の活用については、従来の催しの繰り返しにならないよう、コンテンポラリーダンスなど新しい企画や、専門的な知識や意見を持つ方のアイデアを積極的に取り入れるべきだと考えています。そうした専門家の意見は、必ずしも現地に来てもらわなくても、オンラインでも提供してもらうことが可能ではないかと思います。
・「マイチャレかがわ」の改善については、さっそく取り組みたいと思います。知名度向上にも取り組みたいと考えていますが、ホームページやチラシだけでは十分に県民に伝わっていない現状があります。そのため、フェイストゥフェイスの場面など、直接伝える機会を活用し、粘り強く周知活動を進めていきたいと思います。また、「1時間経ったら立ち上がろう」といった健康づくりの運動も県民運動に取り入れていくので、良いネーミングがあればぜひ提案してください。


【知事】
たくさんのご意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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