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令和7年度県政知事トークの第6回目は、知事がさぬき市を訪問し県民の皆さんと意見交換を行いました。皆さんからは、日々の生活や活動において感じられている課題や県政に対するご意見、ご要望等をいただき、非常に有意義な意見交換会となりました。

さぬき市から推薦された県民19名が参加
【知事】今日は大変お忙しい中、皆さん、県政知事トークにご参加いただきまして誠にありがとうございます。また日頃から、皆様方には地域のそれぞれの分野のリーダーとして、地域のために日々いろいろな活動をしていただいておりますことに改めて感謝を申し上げます。
今日は、日頃皆さんの活動の中で感じておられる課題や、県政に対してのいろいろな提案を率直にご発言いただければと思います。
グループ分けは少し似通った活動分野で分けさせていただきました。第1グループは文化・地域振興の分野、第2グループは教育・子育て・福祉の分野、第3グループは観光・産業の分野でご活躍されている方といたしました。ご発言は、どのような分野のお話でも構いません。日頃の生活やお仕事の中で感じておられることもご発言いただければと思います。
【参加者からのご意見】
1. 8月に志度・津田エリアで開催された瀬戸内国際芸術祭夏会期では、さぬき市の各団体が協力し、私たち自治会でもランタンや花のプランターの設置、作品づくりなどに取り組みました。市全体で多くの方がボランティアとして関わり、瀬戸芸はさぬき市を大いに盛り上げ、経済効果もありました。3年後も楽しみですが、今回の瀬戸芸の効果や成果を今後どのように県政に活かしていくのでしょうか。
さぬき市でも人口減少が進み、自治会の加入率も令和7年度には68%まで下がっています。少子高齢化や単身世帯の増加で地域活動の担い手が減り、自治会の再生や未加入世帯への働きかけが重要な課題です。持続可能なまちづくりのため、私たち自治会も努力しますので、行政の皆さんにもぜひご協力とご支援をお願いします。
東讃の志度、津田、石田の3校統合高校の現在の進捗状況について、これから、どうなっていくのかお聞かせください。
2. 4年前からさぬき市の空き家調査に関わり、これまで約800軒を一軒一軒歩いて調査してきました。空き家の8割が老朽化しており、深刻な状態のものも多く、解決策も見いだせずに悩んでいます。また、私の自治会は36世帯中22世帯が2人以下で、1人暮らしや高齢者も多く、自治会活動にも支障が出ています。少子高齢化や空き家、耕作放棄地など地域の課題が山積しており、少しでも改善し次世代につなげたいので、皆さんのご指導をお願いします。
3. 最近は情報網やSNSが発達し、子どもたちが性的な情報や間違った情報に触れる機会が増え、SNSを使った性犯罪も県内でも発生しています。これまで以上に、今の社会状況に合った性教育を学校でしっかり実施していただきたいので、知事から県教委に要望していただきたいです。
4. 企業の労働組合として、通勤時の交通渋滞や駐車場問題に悩んでいます。他社では公共交通機関の利用促進がよく挙げられますが、志度では特に三木方面からの通勤が難しく、長尾からは琴電があるものの、原付近の11号線は朝の渋滞が深刻です。今後さらに渋滞が課題になると思いますので、企業・地域・行政が連携し、公共交通機関の活用など交通問題の解決策を一緒に考えてほしいです。
5. 文化芸能の分野では高齢化が進み、銭太鼓や傘踊り、日本舞踊などの伝統芸能が衰退しています。新しい世代の参加もなく、世話役や担い手も減っており、自治会の解散も増えています。今の時代は定年後も働く人が多く、趣味や地域活動に関わる余裕がありません。市や県には、文化芸能や地域行事を継続・活性化できるよう、より一層の補助や支援をお願いします。
6. 文化財保護協会の最大の課題は会員の減少で、会費収入も減り活動に支障が出ています。コロナ禍で活動が中止されたことや、若い世代が文化財に関心を持たないことが主な原因です。今後は若い人や子どもたちに文化財への関心を高めてもらう取り組みが必要だと思います。県政として、会員確保も含め文化財保護活動が円滑に進む方法を検討してほしいです。
さぬき市は四国八十八カ所霊場の「上がり三か寺」があり、遍路への関心が非常に高い町です。前山の「おへんろ交流サロン」では遍路に関する資料の展示や研究を進めており、今後さらに活動を充実させたいと考えています。また、「おへんろつかさの会」の会員もボランティアで遍路に関する文化活動を行っています。四国遍路の世界遺産登録に向けて、今後も香川県として支援をお願いします。
8月の瀬戸内国際芸術祭開催時に、さぬき市文化財保護協会として津田の郷土館を開放し、地域の文化財を多くの方に見ていただき、津田の歴史を知ってもらうことができました。来場者からも好評でしたので、今後もさらに充実した展示で地域の歴史や文化を伝え、芸術祭を盛り上げるためにも地域の魅力をもっとPRしていきたいと考えています。
7. さぬき市でもボランティア人口が減少しており、特に若い人の参加が全くない状況です。ボランティアの要請は多いのですが、期待に応えきれず、個人ボランティアも高齢化やコロナ禍の影響で減っています。今後は、若い世代がボランティアに関心を持ち、街の活性化につながるような取り組みを考えていきたいです。また、子育て支援や安心安全なまちづくりのため、廃校など未活用のコミュニティ資源を活かせる町づくりを進めてほしいと思います。
他市では毎日情報発信が行われ、市民がそれを参考にして行動しています。さぬき市でも、情報発信は市民にとって非常に重要だと思うので、もっと力を入れてほしいです。

【知事(第1グループ)】
・今年の夏、志度・津田エリアで初めて瀬戸内国際芸術祭を開催し、多くの来場者が訪れました。瀬戸芸をきっかけに、志度や津田の魅力を多くの人に知ってもらう動機づけができたと感じています。アート作品の展示場所をマップ上で紹介することで、普段訪れない場所にも足を運んでもらえる効果がありました。今後もSNSなどを活用して、志度や津田の町に訪れてもらえるような仕組みを工夫し継続することが、まちの活性化になります。私たち県も引き続き支援し、今回の成果を3年後の開催にもつなげていきたいと思います。
自治会の加入率低下は県全体の大きな課題で、何とか対策を講じたいと考えています。他県では自治会に入らないとごみが出せないなどの仕組みもありますが、加入のきっかけとして地域の楽しいイベントや工夫も重要だと思います。自治会に入ることで楽しみやメリットがあることを伝えることが大切です。県としても自治会の活性化を重要な課題と認識し、今後も支援していきます。
東讃地域の統合高校については、令和12年の開校に向けて準備を進めています。志度高校や津田高校の跡地の活用方法は未定ですが、市長と相談し、良い使い道を考えていきたいので、皆さんからもアイデアをいただければと思います。また、志度津田地域から高校がなくなることへの懸念もあると思いますが、新しい統合高校が、子どもたちにとって「良い高校」と思えるようにすることが最も重要です。地域とのつながりを保ち、他校にはない地域連携やイベントスペースなどを設け、志度や津田の方にも利用してもらえるよう工夫していきます。失うものができるだけ少なくなるような工夫を皆さんとともに考えていきたいと思います。
・空き家問題は県下全域で深刻な課題だと改めて認識しました。危険な老朽化した空き家については、所有者の同意がある場合は、補助制度を活用していただき、所有者不明の場合は、市町にて空き家法に基づく略式代執行を行うなど、予算の制約なく除却を進めています。利用可能な空き家については、公的住宅や民泊などへの活用を支援する制度も整えていますので、積極的に活用していただきたいと思います。
・社会状況にあった性教育については、教育委員会と相談しながら検討したいと思いますので、重要なポイントについて教えてください。
・子どもの数は減っていますが、教員数は減らさずに対応しています。現在、香川県は35人学級を全国でも先進的に実施しており、今後も教員を減らさないことで、一人ひとりに目が届くようになってくると思います。引き続き先頭を走っていきたいと思います。
・公共交通機関については、新たに鉄道を整備するのは現実的に難しいため、今後は運転手不要の新しいタイプのバスの導入を検討していきたいと考えています。技術開発も進んでいるので、実証実験を重ねて実現を目指します。
また、11号線の渋滞については県内でも特に深刻な課題と認識しており、三木の高速道路の高架部分を志度方面まで延伸する計画を進めていきます。
・文化芸能の後継者不足について、県としては発表の場を設けたり、補助金による支援を続けたりしていきます。若い人が伝統文化に参加しやすいよう、最初のハードルを下げ、まずは楽しみながら参加できる機会を作ることが大切だと考えています。
・文化財保護活動の担い手や予算が減少している現状を改めて認識しました。物価高の影響もあり、従来の会費や補助額では活動の継続が難しくなっているため、今後は補助額の増額も含めて支援策を検討していきたいと思います。
四国遍路の世界遺産登録の実現に向けて、文化庁と連携し全力で取り組んでいます。大変価値のある事業なので、今後も皆さんのご支援をよろしくお願いします。
・ボランティア活動については、県下の多くの地域で担い手不足が課題となっています。一方で、中高生にはボランティアをやりたいという意欲があるのに、実際には参加しづらい現状があります。若い人が参加しやすいよう、敷居を下げて、まずは気軽に体験できる仕組みが必要だと感じています。県としても、市町と連携しながら、若い世代の参加促進など新たな取り組みを考えたいと思います。
【参加者からのご意見】
8. 地域貢献を担う人が減少・高齢化しており、自治会や福祉活動にも影響が出ています。私の所属する民生委員児童委員でも担い手不足が深刻で、定年を超えた方に再登場してもらう状況です。県や市には、退職した職員や教員の方々に地域貢献を呼びかけるなど、担い手不足解消のための対策をぜひお願いしたいです。
民生委員に対して「そんなことも知らないのか」といったハラスメント的な声を耳にすることがあり、県にも組織改善や研修、委員の資質向上のための対策をお願いしたいです。また、物価高の影響で活動推進助成金が不足しているため、増額も要望します。私たちは地域の困りごとを行政や福祉事業につなぎ、自立支援に努めていますので、県と協力し、誰もが安心して暮らせる地域づくりを進めていきたいと思います。
9. 子育て支援について、さぬき市でも高校まで医療費無償化となり、保護者としてありがたく感じています。ただ、他の自治体と比べると支援内容にばらつきがあるように思います。さぬき市では人口減少や新生児の出生数が200人を下回る状況が続き、将来的に中学校の生徒数も大幅に減ることが心配です。県として、子育て支援の地域差をどのように認識しているのかお伺いしたいです。
子育て支援のKPIとして保育園の待機児童数は把握されていますが、さぬき市では幼稚園の園児数が大幅に減少しており、危機感を持っています。理由として、時間外預かりの周知不足や預かり時間の短さがあり、フルタイムで働く保護者には利用しづらい状況です。幼児教育は重要であり、限られた予算の中で幼稚園の先生方も努力されています。幼稚園への支援や施策を強化し、子育て世帯の増加につなげてほしいです。
教員の素質や能力向上には自己研鑽が必要ですが、先生方は日々多忙で負担が非常に大きいと感じています。働き方改革が進められている中で、教職員の負担軽減についてどのような対策を考えているのか、お聞かせください。
10. 東讃エリアでは少子高齢化と人口流出が深刻で、さぬき市でも出生数が減り、中学校の部活動やスポーツ少年団の維持が難しくなっています。部員不足で廃部も増えているため、部活動の地域移行や、スポーツ協会の公益社団法人化・総合型スポーツクラブ設立を検討しています。中学生や大人が一緒にスポーツできる環境づくりのため、県の支援をぜひお願いします。3つの中学校を集めてスポーツ活動を充実させたいと考えています。
11. 県の老人会は会員数が大幅に減少し、あと10年ほどで資金が尽きる見込みです。個人としては活動に不自由はありませんが、組織の存続が心配です。会員減少を防ぐため様々な工夫をしていますが効果が出ていません。老人会の活動は健康や認知症予防にも役立つので、ぜひ知事ご自身の言葉で「老人会に入りませんか」と呼びかけていただき、PRや加入促進にご協力をお願いします。
12. 子育てサロンの参加者は少子化の影響で減っていますが、産後や仕事を一時的に辞めて利用される方、1年間通う方など様々です。仕事復帰の際、小さい会社では育休が取れなかったり、スキルアップして転職を考えたりするお母さんも多いので、0~2歳児の保育料無料化を検討してほしいです。働くお母さんを応援してほしいし、近くに選べる仕事があればいいと感じています。
さぬき市には小児科がさぬき市民病院しかなく、診療時間も限られているため、子どもを病院に連れて行きにくい状況です。また、産科も少なく、里帰り出産がしづらく高松まで行かないと出産できない現状があります。高松市と比べて医療などの地域格差が大きく、子育て世帯がさぬき市を選びにくい原因になっているので、改善してほしいと思います。

【知事(第2グループ)】
・退職者に地域貢献を呼びかけるというご意見について、早速考えてみたいと思います。
物価が上がっている中で助成金が横ばいでは厳しいという意見は理解できますので、老人会や民生委員、文化財などの助成金について、増額に向けて検討していきたいと思います。
・子育て支援のばらつきは本来あってはならず、国や県の対応が遅れたことで市町ごとに差が生じています。医療費については県が市町と協力し、高校生まで無償化を進めています。給食費もばらつきがありますが、第3子・第4子の無償化は実施済みで、今後は国が全て無償化するとしているため、来年度からの実現を強く求めていきます。医療や子育て費用のばらつきがなくなるよう、国の一律政策の実現を求めていきます。
幼稚園のことについては、時間外預かりの周知も足りないということで、これも早速対応していきます。
教職員の充実は非常に重要だと考えており、香川県では教員数を少なくとも減らさないようにしています。教員や教頭、新任教員の負担軽減のため、OBなどによるサポーター制度を導入し、抜本的に人数を増やして先生方が子どもと向き合う時間を確保しています。今後もこの制度をさらに拡充していきたいと考えています。
・老人会への呼びかけを行いたいと考えており、どのような形が良いか早急に検討します。私自身が老人会の活動を訪問し、訪問記を書くことも考えていますので、その際は相談させていただきます。
・0歳から2歳児の保育料無償化は当然だと考えており、高校までの無償化も進めているので、できるだけ早く実現したいと思います。こうした施策は国が一律で実施すべきであり、高校までは基本的な月謝の類が不要になるよう進めていきたいと思います。
早速、さぬき市民病院のことは、確認したいと思います。
高松市との格差があることは理解していますが、さぬき市にも魅力があると思います。高松に通勤できる距離なので、さぬき市に住むメリットもあると考えています。今後は市長と連携し、そうした方向も考えていきたいと思います。
【参加者からのご意見】
13. 熊は香川県で確認されていませんが、イノシシやシカ、サルは出没しています。今年は県内全域でこれらの動物の出没が減っていますが、今後また増える可能性もあります。さぬき北地区では捕獲した動物の処理に困っているため、冷凍庫の設置を要望します。
14. 香川県には瀬戸芸や金比羅さん、讃岐うどんなど全国的に有名なものがありますが、県の知名度向上のための施策をぜひ知事にお願いします。世界遺産登録も知名度アップにつながると思うので、観光客誘致なども含めて今後積極的に取り組んでほしいです。
私たちが利用している弥勒池は、ここ数年雨が少なく、大川ダムからの水も不足しており、稲作に大きな影響が出ています。大川ダムには香川用水が導入されていないため、他の池のように水が確保できません。大川ダムに香川用水を導入し、弥勒池やその下流の池にも安定して水が供給できるよう、ぜひ早急に対応をお願いします。
15. イノシシやサルなどの有害鳥獣による農作物への被害が年々増えており、農家の収入減や農業者の減少、遊休農地・耕作放棄地の増加につながっています。高齢化で農地が放置され、鳥獣のすみかとなる悪循環も起きています。また、河川の土砂や雑木が鳥獣のすみかとなり、市街地や通学路に出没して危険なこともあります。サルの捕獲では県の協力で効果がありました。今後は、県による河川の浚渫や雑木の伐採を強化してほしいです。
16. 若い人が農業に興味を持てるよう、高校では先進的な農業カリキュラムを導入してほしいです。実習場所も多くあるので、高校生の段階から農業への関心を高めてほしいと思います。また、香川県立農業大学校の校舎が老朽化し、入学者も少ないため、高校卒業後も県内で農業に携われるよう、農業大学校の今後のビジョンも検討してほしいです。そのためには、若者が稼げる農業の仕組みづくりも必要だと考えます。
新規就農者のスタートアップ支援が重要だと考えています。県には新しい農業技術やスマート農業、アクアポニックスなど先進的な取り組みに積極的に挑戦してほしいです。こうした技術を高校生や大学生にも学ばせてほしいと思います。また、オリジナル品種の開発は難しいですが、全国で栽培できる新しい登録品種を積極的に導入し、生産者の意欲向上やPRにつなげてほしいと思います。
新規で農業を始める際、土地の確保は農地機構の協力で解決できていますが、機械の購入が大きな課題です。県の助成金を使っても新規購入は難しいため、地元や国内の農機具企業、JAなどと連携して、農機具のレンタル制度があれば、スタートアップがしやすくなると思います。稼げる農業やスタートアップ支援に力を入れてほしいです。
17. あなぶきアリーナを中心とした観光振興には、宿泊施設の整備が重要だと考えます。クレメント級のホテルがもう一つあってもいいと思います。また、広島のようにクルーズ船の寄港による観光客増加も期待できるので、県としてクルーズ船が寄港できるよう取り組んでいただきたい。ただし、国際会議やインバウンドの増加によるオーバーツーリズムにも注意し、バランスを取りながら進めてほしいです。
東京の家賃高騰を背景に、働く場所と住む場所を分けて地方への移住促進が重要なキーワードになると思います。高松や香川から東京への通勤は難しいですが、新幹線ができて関西圏への通勤が1~1.5時間で可能なら、関西で働き香川に住むというスタイルが現実的です。経済圏の広域化やインフラ整備を進めるべきであり、総合計画に基づき積極的に取り組んでほしいと思います。
地方では車通勤が多いですが、企業の交通費補助は財務省の規定で上限があり、ガソリン代が高騰しても上限を超えると所得税がかかります。地方の実情に合わせて、車通勤の交通費の課税上限見直しを国に働きかけてほしいです。地方の知事が連携して要望すれば、何か動きがあるのではと期待しています。
18. さぬき市では製造業、建設業、小売業などで深刻な人手不足が続いており、根本的な原因は労働人口の減少です。人口増加に向けた移住・定住促進や子育て支援などの施策をさらに強化してほしいです。特に中小・小規模企業では人手不足や後継者不足が深刻で、機械化や外国人労働者にも頼れず、採算が取れない業種も多くあります。下請け構造や資本力の格差もあり、自助努力だけでは解決が難しいため、県には小規模企業の省力化や労働技術向上の支援をさらに推進してほしいです。
徳島文理大学香川校の高松市への移転により、さぬき市では不動産業や地域経済への影響だけでなく、地域の魅力低下が課題になっています。若者が集まり地域の活力となるよう、さぬき市には、志度キャンパスや校舎の有効活用を学校法人に提案していただいています。
香川県がじゃらんの観光国内宿泊旅行調査2025で総合満足度1位に選ばれたのは、うどんなどのグルメやローカル感のあるスローな旅が評価されたためだと思います。今後も香川県が選ばれ続けるよう、他の満足度項目でも1位を取れるような取り組みを強化してほしいです。
19. さぬき市は面積の半分が山林で、その約9割が個人所有ですが、林業従事者の高齢化や相続後の管理放置により、山林の管理が行き届いていません。木材価格の低迷や林業への関心の低さもあり、林業の担い手不足が深刻です。県産ヒノキのブランド化に取り組んでいるものの、今ある材を伐採すると後が続かず、植林・造林の推進が必要です。しかし、作業員の高齢化や人手不足、シカやサルによる被害、補助金体制の市町間のばらつきなど課題があります。森林環境譲与税なども活用し、県の補助金の上乗せや枠組み拡充によって、造林・植林がしやすい体制を整えてほしいです。
令和12年に3校の統合高校が開校予定ですが、生徒の通学に関して造田駅の設備が不十分です。雨天時の休憩場所がなく、障害者にとっては高架橋の階段利用が難しいため、造田駅の改修をJRと協議してほしいです。また、駅から学校までの県道には歩道がなく、通学の安全確保のために歩道整備も検討してほしいです。

【知事(第3グループ)】
・捕獲した個体の一時保存の話は、まだ今遅れていると思いますので、持ち帰って勉強したいと思います。
・弥勒池の件は承りました。
・川の浚渫は治水のためにも重要であり、予算を増やして取り組んでいます。具体的な場所があれば、個別に指摘してください。
・オリジナル品種の導入や農機具レンタルなど具体的な農業支援の要望については持ち帰って検討します。若い人や退職者が農業に参入しやすいよう、ハードルを下げる取り組みを県の農業政策の柱として取り組みたいと思います。
・ホテルの増設、クルーズ船、新幹線、非常に重要なことなので、今、この3つとも進めています。
通勤交通費の課題については初めて知りました。県内の状況を把握しつつ、必要な対応を他の知事と共有しながら検討していきたいと思います。
・地域企業の設備投資支援のため、過去2年間補助金を出して好評だったので、3年目も継続できるよう検討したいと思います。
香川県には海以外にも多くの魅力がありますが、特に瀬戸内海の素晴らしさは県外や海外の人にとって非常に魅力的です。志度湾のような静かな海や島の景色を観光の売りとして、継続的な観光誘客に力を入れていきたいと思います。
・森林については、使うことだけでなく、次につなげることの重要性も理解しましたので、しっかり意識していきたいと思います。
高校統合に関連して造田駅の駅舎については早速、動いていきたいと思います。県道についても高校との間で歩道整備を進めたいと考えています。
【参加者からのご意見】
8-2. 高松東道路の延伸はありがたいのですが、現状では県道272号線(高松志度線)が石田から志度に繋がっているものの、マルナカ付近の渋滞は解消されていません。(高松東道路の)東かがわ方面への延伸も希望しますが、それよりも、現在の高松志度線を天野峠付近まで延伸し、交差点ではなく高低差を活かした信号のない進入路のような形で繋げてほしいです。そうすればマルナカ周辺の渋滞も緩和されるので、ぜひそのような接続方法を検討していただきたいと思います。
空港通りと高松東バイパスの上天神交差点付近では、地下道を上がったすぐのところに信号があり、そこで渋滞が発生しています。地下道を上がってすぐの交差点の信号を廃止し、信号で止まることなくバイパスに合流できるようにしてほしいです。そうすれば地下道での混雑が解消されるので、ぜひ検討してください。
【知事】
(状況も含め)勉強してみます。
【参加者からのご意見】
7-2. 新聞で、空き教室を活用した校内教育支援センターが設置されたという記事を見ました。不登校の児童が増えている中、香川県の公立小中学校では設置率が39.5%とのことです。今後、さぬき市や県としてどのようにこの取り組みを進めていくのか、知事にお伺いします。
【知事】
不登校は重要な課題であり、本当は減らしたいのですが、現実は難しいと認識しています。まず、教室に行けない生徒のために学校内に別の部屋を設けること、また民間のフリースクールも活用できるようにしていきたいと思います。この2つの方法で不登校児童の受け皿を作りたいと考えています。
【参加者からのご意見】
3-2. いじめや不登校の早期発見には、教員が子どもたちの様子や仲間関係にしっかり目を向けることが重要ですが、現在は教員が非常に忙しく、子どもと接する時間が減っているという悩みがあります。日本の教員は世界でも特に多忙で、業務量も多い。生徒一人ひとりに目を配るためには、少人数学級の推進が必要であり、現在の35人学級でも多いと感じています。25人や30人以内の学級規模にすれば教員数も増え、負担が減り、より行き届いた教育が可能になると思います。国主導で進めてほしいですが、県独自でもできる限り体制整備をしていただきたい。サポーター制度は現場の助けになっていますが、まだ十分ではないので、さらなる対応をお願いしたいと思います。
【知事】
子どもの数は減っているが、教員数は減らさずに対応しています。現在、香川県は35人学級を全国でも先進的に実施しており、今後も教員を減らさないことで、一人ひとりに目が届くようになってくると思います。引き続き先頭を走っていきたいと思います。
【知事】
いろいろなご意見をいただきましてありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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