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公開日:2020年10月14日

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平成18年7月3日 答申第378号(香川県情報公開審査会答申)

平成18年7月3日 答申第378号

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が行った一部公開決定(以下「本件処分」という。)は妥当である。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成14年12月27日付けで、香川県情報公開条例(平成12年条例第54号。以下「新条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の行政文書の公開請求(以下「本件請求」という。)を行った。
〇〇と〇〇に所在していた農業協同組合との合併に関して農業協同組合法に基づき香川県知事に提出された合併の認可に関する申請書類、その一切の添付書類(合併契約書類、合併に関する議決に係る議事録を含む。)、並びに、当該各合併の認可に係る一切の起案文書及びその一切の添付書類

2 実施機関の決定

実施機関は、本件請求に対応する行政文書として次の行政文書(以下「本件行政文書」という。)を特定し、別表1の「公開しない部分」が「公開しない理由」に該当するとして、平成15年2月21日付けで本件処分を行い、異議申立人に通知した。

  • (1)〇〇合併認可申請書(以下「申請書」という。)
  • (2)上記(1)の添付書類(以下「申請書添付書類」という。)
    • (ア)合併の理由書
    • (イ)合併経過報告書
    • (ウ)合併予備契約書
    • (エ)合併経営計画書(貸借対照表を含む)
    • (オ)各組合の合併臨時総会議事録の謄本及び付属資料(総会資料)のうち、〇〇、〇〇及び〇〇分
    • (カ)貸借対照表及び付属資料(財産目録、試算表)のうち、〇〇、〇〇及び〇〇分
    • (キ)債権者保護手続きが完了したことを証する書面及び付属資料(公告、催告書)のうち、〇〇、〇〇及び〇〇分
    • (ク)設立委員の住所、氏名及び略歴を記載した書面(法第66条第1項に規定する資格を有することの証明を含む)
    • (ケ)役員の理事、監事の別、住所、氏名及び略歴を記載した書面(理事の構成が法66条第3項において準用する法30条第10項本文に規定する要件に該当することの証明を含む)
    • (コ)員外監事資格証明書
    • (サ)設立委員会の議事録の謄本
    • (シ)定款
  • (3)上記(2)の添付書類の変更届(以下「変更届」という。)
  • (4)上記(3)に係る添付書類(以下「変更届添付書類」という。)役員の理事、監事の別、住所、氏名及び略歴を記載した書面(理事の構成が法66条第3項において準用する法30条第10項本文に規定する要件に該当することの証明を含む)
  • (5)〇〇の合併認可に係る起案文書(以下「起案文書」という。)

3 異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、実施機関に対して、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、平成15年3月23日付けで異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

1 異議申立ての趣旨

「非公開処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 異議申立ての理由

異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、香川県の情報公開条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をすべきである。
  • (2)本件「決定通知書」の「公開しない理由」は、香川県の情報公開条例の非公開事由に該当しない。
  • (3)本件「決定通知書」の「公開しない理由」には、適法に処分理由が明示されていないので、香川県行政手続条例第8条に違反し本件処分は無効である。

第4 実施機関の説明要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。

1 設立委員の代表の氏名及び印影

香川県公文書公開条例(昭和61年条例第30号。以下「旧条例」という。)の解釈及び運用に当たっては、旧条例第3条第2項において、「個人に関する情報が保護されるように最大限の配慮をしなければならない。」と規定されており、これを受けて旧条例第6条第1号において、「個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るもの」は、同号ただし書きに定める情報を除き、公開しないことができると規定されている。
設立委員は、個人の責任においてその職務を行う性質のものであることから個人に関する情報に該当し、公開することにより特定の個人を識別することができ、個人のプライバシーを侵害すると認められ、旧条例第6条第1号に該当する。また、設立委員は登記をする必要もなく、さらに組合員など利害関係者以外の者が知りうる状況にはなっておらず、旧条例第6条第1号のただし書きに該当しない。

2 〇〇、〇〇及び〇〇の合併臨時総会議事録の謄本及び付属資料(総会資料)のうち、発言者の氏名及び地区名、個人の職の名称及び氏名、役員若しくは職員の職の名称及び氏名(但し、組合長は除く。)並びに議長の氏名及び印影並びに設立委員の氏名及び住所

これらについても、1と同様、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものと認められ、旧条例第6条第1号に該当する。

3 設立委員の氏名、住所、組合員資格、営農状況、略歴及び印影

これらについても、1と同様、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものと認められ、旧条例第6条第1号に該当する。

4 代表監事の個人の印影

これらについても、1と同様、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものと認められ、旧条例第6条第1号に該当する。

5 〇〇及び〇〇の貸借対照表付属資料の試算表のうち、作成者の氏名及び印影

これらについても、1と同様、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものと認められ、旧条例第6条第1号に該当する。

6 〇〇、〇〇及び〇〇の債権者保護手続きが完了したことを証する書面及び付属資料の催告書のうち、催告書の発送先

行政文書の公開義務がない情報として、旧条例第6条第2号において、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報で、公開することにより、当該法人等又は当該個人に不利益を与えることが明らかであると認められるもの」は、同号ただし書きに定める情報を除き、公開しないことができると規定されている。本号に該当するとして非公開とした部分は、各農協の取引先であり、当該情報は経営上重要な内部管理に関する情報である。従って、公開することにより、競争関係にある者等により利用されるなど農協と取引先の事業運営に支障を及ぼすおそれもあるなど、農協と取引先に不利益を与えることが明らかである。よって、旧条例第6条第2号に該当し、それぞれのただし書きに該当しない。

7 役員の生年月日、職業、正組合員資格耕作面積、略歴及び住所地名の字番地(但し、代表権を有する役員は除く。)

すべての役員(理事、監事)の氏名、役職名及び住所地名(字番地は除く)については情報公開誌で、代表権を有する役員の住所地名の字番地については登記簿謄本で何人でも閲覧できる情報であるが、これら以外の項目については、1と同様、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものと認められ、旧条例第6条第1号に該当する。

8 員外監事の生年月日、最終学歴及び職歴

員外監事の氏名、役職名及び住所地名(字番地は除く)については情報公開誌で何人でも閲覧できる情報であるが、これら以外の項目については、1と同様、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものと認められ、旧条例第6条第1号に該当する。

9 設立委員会の議事録

  • (1)旧条例第6条第1号の該当性について
    設立委員会議事録には、設立委員個人の氏名や所属農協名のほか、個人の意見や意思表示などが含まれており、これらについても、1と同様、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものと認められ、旧条例第6条第1号に該当する。
  • (2)旧条例第6条第2号の該当性について
    設立委員会の審議内容は、農協合併に伴う組織や経営方針などに対する要望など内部管理に属する情報に該当し、新設合併組合に引き継がれる事項であることから、公開することにより、新設合併組合に不利益を与えることが明らかであると認められ、旧条例第6条第2号に該当する。
    また、設立委員会の議事録は、組合員や組合の債権者などからの閲覧等の求めに応じる必要もなく、旧条例第6条第2号のただし書きに該当するものではない。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

新条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
なお、新条例の施行日である平成12年10月1日前に作成し、又は取得した旧条例第2条第1項に規定する公文書に該当する行政文書であって平成18年4月1日前の公開請求の対象となったものについては、新条例附則第3項の規定により、旧条例第6条各号の解釈、運用が適正であったか否かにより非公開情報の該当性について判断するものである。
また、非公開情報の該当性の判断に当たっては、実施機関が主張する非公開理由のうちいずれかに該当すると判断した情報については、他の非公開理由の該当性についての判断は行わないものである。

2 本件行政文書の内容等について

「申請書」及び「申請書添付書類」は、〇〇設立委員の代表から農業協同組合の新設合併の認可に際し、農業協同組合法第65条に基づき、県に提出された申請書及び添付書類である。
「変更届」及び「変更届添付書類」は、上記添付書類の変更に係る変更届及び添付書類である。
「起案文書」は、上記申請に対する認可に係る起案文書である。

3 非公開情報該当性について

旧条例第6条第1号の規定は、日本国憲法で保障された個人の尊厳及び基本的人権の尊重の立場から、個人のプライバシーを最大限に保護するために定められたものである。しかし、プライバシーの具体的な内容が法的にも社会通念上も必ずしも明確でなく、その内容や範囲は事項ごと、各個人によって異なり得る。そこで、旧条例は、プライバシーであるか否か不明確な情報も含めて、特定の個人が識別され得る情報を包括的に非公開として保護することとし、その上で一般的に非公開とする必要のないものを例外的に本号ただし書において公開することとしたものと解される。
旧条例第6条第2号の規定は、法人等又は事業を営む個人の正当な利益を害することを防止する観点から、その事業活動の自由を保障し、公正な競争秩序を維持するため、公にすることにより、当該法人等又は個人に不利益を与えることが明らかであると認められる情報については非公開とすることとした上で、それらに該当する情報であっても、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、公開することを定めたものであると解される。
当審査会は、これら非公開条項の規定趣旨を踏まえて、別表2のとおり判断する。

4 第3の2の異議申立ての理由のうち(3)の理由について

条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。

よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

(省略)

別表1
公開しない部分 公開しない理由
設立委員の代表の氏名及び印影 (旧条例第6条第1号該当)
設立委員は、個人の責任においてその職務を行う性質のものであることから、個人に関する情報に該当し、公開することによって、特定の個人を識別することができるため。
また、設立委員に関しては、登記を要する必要も無く、さらに組合員など利害関係者以外の者が知りうる状況にはなっておらず、条例第6条第1号のただし書きに該当するものではない。
本件行政文書の(2)の(オ)の議事録の謄本のうち、発言者の氏名及び地区名、個人の職の名称及び氏名、役員若しくは職員の職の名称及び氏名(ただし、組合長は除く。)並びに議長の氏名及び印影 (旧条例第6条第1号該当)
特定の個人を識別することができる個人情報であるため。
設立委員の氏名、住所、組合員資格、営農状況、略歴及び印影 (旧条例第6条第1号該当)
特定の個人を識別することができる個人情報であるため。
代表監事の印影のうち、個人の印影 (旧条例第6条第1号該当)
氏名を公開している個人の個人情報であるため。
本件行政文書の(2)の(カ)の付属資料の試算表のうち、作成者の氏名及び印影 (旧条例第6条第1号該当)
特定の個人を識別することができる個人情報であるため。
本件行政文書の(2)の(キ)の付属資料の催告書のうち、発送先 (旧条例第6条第2号該当)
各農協の取引先であり、重要な内部管理情報に該当し、新設合併組合に引き継がれる事項であることから、公開することにより、新設合併組合に不利益を与えるため。
本件行政文書の(2)の(ケ)及び(4)のうち、生年月日、職業、正組合員資格耕作面積、略歴及び住所地名の字番地(ただし、代表権を有する役員は除く。) (旧条例第6条第1号該当)
氏名を公開している個人の個人情報であるため。また、役員の氏名、役職名及び代表権を有する役員を除いた役員の住所地名(字番地は除く。)以外の項目は、登記簿謄本や情報公開誌に記載されておらず、条例第6条第1号のただし書きに該当するものではない。
本件行政文書の(2)の(コ)のうち、生年月日、最終学歴、職歴 (旧条例第6条第1号該当)
特定の個人を識別することができる個人情報であるため。
本件行政文書の(2)の(サ)の行政文書
  • (旧条例第6条第1号該当)
    個人の氏名や所属農協名のほか、個人の意見や個人の意思表示などが含まれており、特定の個人を識別することができる個人情報であるため。
  • (旧条例第6条第2号該当)
    設立委員会の審議内容は、合併に伴う組織や経営方針などに対する要望など内部管理に属する情報であり、新設合併組合に引き継がれる事項であることから、公開することにより、新設合併組合に不利益を与えるため。
    設立委員会の議事録は、組合員や組合の債権者からの閲覧等の求めに応じる必要もなく、条例第6条第2号のただし書きに該当するものではない。
別表2
非公開部分 審査会の判断
設立委員の代表の氏名及び印影
設立委員の氏名、住所、組合員資格、営農状況、略歴及び印影
設立委員(代表を含む。以下同じ。)の氏名は、個人に関する情報で特定の個人が識別され得るものであり、また、設立委員は合併に際しての発起人に相当するものであり、法令等により公にすべきとされているものとは認められず、また、公益上公開することが必要である理由も認められないことから、旧条例第6条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
非公開とされた印影は、個人に関する情報で特定の個人が識別され得るものであり、旧条例第6条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
本件行政文書の(2)の(オ)の議事録の謄本のうち、発言者の氏名及び地区名、個人の職の名称及び氏名、役員若しくは職員の職の名称及び氏名(ただし、組合長は除く。)並びに議長の氏名及び印影
代表監事の印影のうち、個人の印影
本件行政文書の(2)の(カ)の付属資料の試算表のうち、作成者の氏名及び印影
本件行政文書の(2)の(コ)のうち、生年月日、最終学歴、職歴
個人に関する情報で特定の個人が識別され得るものであり、旧条例第6条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
本件行政文書の(2)の(ケ)及び(4)のうち、生年月日、職業、正組合員資格耕作面積、略歴及び住所地名の字番地(ただし、代表権を有する役員は除く。) 審査会で調査したところ、非公開とされた部分に記録されている情報は、いずれも登記簿に記載されておらず、また、本件組合自らのディスクロージャーにおいても公表されていない情報であることが確認された。
よって、いずれも個人に関する情報で特定の個人が識別され得るものであり、旧条例第6条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
本件行政文書の(2)の(キ)の付属資料の催告書のうち、発送先 非公開とされた部分は、当該組合と取引関係があった事業者の名称であり、これらは当該事業者の販売その他営業に関する情報であることから、公開することにより、当該事業者に不利益を与えることが明らかであると認められ、旧条例第6条第2号本文に該当するとともに、ただし書に該当しないと判断される。
本件行政文書の(2)の(サ)の行政資料 審査会で見分したところ、当該議事録における審議内容は、実施機関が主張するように、合併に伴う組織や経営方針などに対する要望など内部管理に属する情報であり、これらは合併して設立された組合に引き継がれる事項であると考えられることから、公開することにより、当該組合に不利益を与えることが明らかであると認められ、旧条例第6条第2号本文に該当するとともに、ただし書に該当しないと判断される。

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