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公開日:2020年10月14日

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平成18年7月3日 答申第376号(香川県情報公開審査会答申)

平成18年7月3日 答申第376号

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が次の文書について香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「新条例」という。)第28条第4項に該当するとして行った非公開決定を取り消し、改めて公開又は非公開の判断をすべきである。

〇〇コンテナターミナルの外貿コンテナ取扱貨物量(平成14年度)(以下「本件審査対象文書」という。)

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成15年9月1日付けで、新条例第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。

  • (1)国の2004年度予算の概算要求に盛り込まれた〇〇の約17ヘクタールを埋め立てる整備事業が必要であるとされた一切の根拠(各種統計資料を含む。)を記載した文書その他の資料及び〇〇の利用状況に関する統計資料その他の利用状況の分かる一切の資料
  • (2)上記(1)の整備計画に関する一切の文書その他の資料(一切の図面類を含む。)

2 実施機関の決定

実施機関は、平成15年9月30日付けで、公開請求のあった行政文書として、次の(1)から(9)までの行政文書(以下「本件行政文書」という。)を特定し、本件行政文書(1)ないし本件行政文書(3)が新条例第7条第4号又は第7号に該当するとして、本件審査対象文書が新条例第28条第4項に該当するとして非公開決定(以下「本件処分」という。)を、本件行政文書(5)ないし本件行政文書(8)について公開決定を、本件行政文書(9)のうち法人の所有する専用岸壁に係る情報が記載された部分が新条例第7条第2号又は香川県公文書公開条例(昭和61年香川県条例第30号。以下「旧条例」という。)第6条第2号に該当するとして一部公開決定を行い、それぞれ異議申立人に通知した。

  • (1)海上出入貨物集計表(平成14年)
  • (2)コンテナ個数・シャーシ台数集計表(平成14年)
  • (3)泊地係船岸及び本船荷役集計表(平成14年)
  • (4)本件審査対象文書
  • (5)〇〇計画書-改訂-平成9年11月
  • (6)海上出入貨物集計表(平成10~13年)
  • (7)コンテナ個数・シャーシ台数集計表(平成12、13年)
  • (8)瀬戸内海の魅力を活かす港湾整備の推進について(平成15年6月の重点要望)のうち、1 〇〇の新規整備に係る部分(9) 泊地係船岸及び本船荷役集計表(平成10~13年)

3 異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、平成15年10月13日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

1 異議申立ての趣旨

「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 異議申立ての理由

異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、香川県の情報公開条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をすべきである。
  • (2)本件「決定通知書」の「公開しない理由」は、香川県の情報公開条例の非公開事由に該当しない。
  • (3)本件「決定通知書」の「公開しない理由」には、適法に処分理由が明示されていないので、香川県行政手続条例第8条に違反し本件処分は無効である。

第4 実施機関の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。

1 新条例第7条第4号又は第7号の該当性について

新条例第7条第4号では、県の機関等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを非公開情報と定めている。
また、新条例第7条第7号では、法令等の定めるところ又は実施機関が法律上従う義務を有する各大臣その他国の機関の指示により、公にすることができないとされている情報を非公開情報と定めている。
異議申立てに係る本件行政文書(1)~(3)を取りまとめて公表する「港湾統計(平成14年)」は作成途中である。よって、これら統計調査の集計結果を公表以前に公開することにより、社会・経済の混乱を招くおそれがあり、また、統計調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。(新条例第7条第4号に該当)
また、統計法(昭和22年法律第18号)第19条の2第2項で「前項に掲げる者(指定統計調査に関する事務に従事する者等)が総務大臣の承認を得た場合のほか集計された結果を第7条の規定により定められた公表期日以前に、他に漏らし、又は窃用したときは、これを10万円以下の罰金に処する」と規定されている。(新条例第7条第7号に該当)

2 新条例第28条第4項の該当性について

異議申立てに係る本件審査対象文書は香川県ホームページに掲載しており、新条例の規定による公開をしないものとされている行政文書に該当するため。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

新条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
なお、非公開情報の該当性の判断に当たっては、実施機関が主張する非公開理由のうちのいずれかに該当すると判断した情報については、他の非公開理由の該当性についての判断は行わないものである。

2 本件行政文書の内容等について

本件審査対象文書は、香川県ホームページに掲載されている「〇〇コンテナターミナルの外貿コンテナ取扱貨物量(平成14年度)」と標題のついた文書である。
本件行政文書(1)ないし本件行政文書(3)は、平成14年の海上出入貨物集計表、コンテナ個数・シャーシ台数集計表、泊地係船岸及び本船荷役集計表であり、これらの集計表は港湾調査票の調査事項を項目ごとに集計したものである。

3 非公開情報該当性について

  • (1)新条例第7条第7号の該当性について
    新条例第7条第7号は、法令等の定めるところ又は実施機関が法律上従う義務を有する各大臣その他国の機関の指示により、公にすることができないとされている情報が記録されている行政文書は、非公開とすることを定めたものである。
    この基本的な考え方に基づき、実施機関が本号に該当するとして非公開とした部分について検討する。
    統計法第16条は、「指定統計調査の結果は、速やかにこれを公表しなければならない。ただし、総務大臣の承認を得た場合には、これを公表しないことができる。」と規定している。
    一方、同法第19条の2第2項は、「前項に掲げる者(指定統計調査に関する事務に従事する者等)が、総務大臣の承認を得た場合のほか集計された結果を、第七条の規定により定められた公表期日以前に、他に漏らし、又は窃用したときは、これを十万円以下の罰金に処する。」と規定し、同条第3項は、「職務上前二項の事項を知り得た第一項に掲げる者以外の公務員又は公務員であつた者が、前二項の行為をしたときもまた当該各項の例による。」と定められている。
    審査会で調査したところ、港湾調査は、指定統計第6号として、昭和22年内閣告示第21号により告示されており、同法の適用を受ける指定統計調査である。
    さらに、港湾調査の年報の公表期日は、港湾調査規則第14条第1項の規定により、調査年の翌年12月末日までと定められている。
    そうすると、平成14年の港湾調査の年報の公表期日は平成15年12月末日であると判断され、本件処分がなされた平成15年9月30日において平成14年の港湾調査は公表期日が到達しておらず、同法第19条の2第2項の規定により、公表期日以前に港湾調査の集計表を公にすることはできないと認められる。
    よって、海上出入貨物集計表(平成14年)、コンテナ個数・シャーシ台数集計表(平成14年)、泊地係船岸及び本船荷役集計表(平成14年)は、本号に該当すると判断される。
  • (2)新条例第28条第4項の該当性について
    新条例第28条第4項は、香川県立文書館等の行政文書であって、一般の県民の利用に供することを目的に管理しているものについて、この条例の規定による公開をしないことを定めたものと解される。なお、「香川県立文書館等」とは、県立文書館、県立図書館、県民室等をいうものと解される。
    そこで、香川県のホームページで公表されている行政文書が本項に該当するかどうかを検討する。
    審査会で調査したところ、実施機関の定める「インターネットによる広報活動関係管理要領」では、香川県のホームページは広聴広報課及び情報掲載課によって管理等を行うこととされている。
    よって、香川県のホームページで公表されている行政文書は、県立文書館等の行政文書であって、一般の県民の利用に供することを目的に管理しているとまでは言えないことから、本項に規定する行政文書に該当しないと判断される。

4 第3の2異議申立ての理由のうち、(3)について

新条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。

よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

(省略)

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