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公開日:2020年10月6日

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平成18年10月2日 答申第397号(香川県情報公開審査会答申)

平成18年10月2日 答申第397号

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県東讃土地改良事務所長(以下「処分庁」という。)が、一部公開決定(以下「本件処分」という。)により非公開とした部分のうち、特定水利組合総会議事録の議長名については、公開すべきである。

第2 審査請求に至る経過

1 行政文書の公開請求

審査請求人は、平成16年11月12日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「新条例」という。)第5条の規定により、処分庁に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。

  • (1)特定土地改良区の設立認可申請書類及びその一切の添付書類の全部
  • (2)上記(1)の申請に関して提出された上記(1)以外の一切の書類
  • (3)上記(1)の申請に対する審査及び調査の各経過及び結果を記載した一切の書類
  • (4)上記(1)の申請に対する許可に係る一切の起案文書の全部及び許可書の控え

2 処分庁の決定

処分庁は、公開請求のあった行政文書として「土地改良区への組織変更認可について(昭和26年4月21日提出)」(以下「本件行政文書」という。)を特定し、会員名簿、同意署名簿、個人の氏名、個人が特定される役職名、議事録署名人の署名、印影(ただし、公開される部分を除く)が香川県公文書公開条例(昭和61年香川県条例第30号。以下「旧条例」という。)第6条第1号に、「特定水利組合総会議事録」の1ページ目6行目から12行目まで(表紙部分を除く)が旧条例第6条第2号に、それぞれ該当するとして、平成16年12月10日付けで本件処分を行い、審査請求人に通知した。

3 審査請求

審査請求人は、本件処分を不服として、平成16年12月22日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により香川県知事(以下「諮問庁」という。)に対して審査請求を行った。

第3 審査請求の内容

1 審査請求の趣旨

「本件処分を取り消すとの裁決を求める」というものである。

2 審査請求の理由

審査請求書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、香川県の情報公開条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をすべきである。
  • (2)本件「決定通知書」の「公開しない理由」は、香川県の情報公開条例の非公開事由に該当しない。
  • (3)本件「決定通知書」の「公開しない理由」には、適法に処分理由が明示されていないので、香川県行政手続条例第8条に違反し本件処分は無効である。

第4 諮問庁の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。

1 旧条例第6条第1号の該当性について

旧条例第6条第1号においては、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものが記録されている公文書は公開しないことができると規定されている。
個人の尊厳及び基本的人権の尊重の立場から、個人のプライバシーを最大限に保護するため個人のプライバシーに関する情報であると明らかに判別できる場合はもとより、個人のプライバシーに関する情報であるかどうか不明確である場合も含めて、個人に関する情報は非公開を原則としている。

  • (1)個人の氏名、個人が特定される役職名、議事録署名人の署名・印影、会員名簿、同意署名簿
    これらの情報は、特定の個人が識別され得る個人に関する情報であることは明白である。よって、旧条例第6条第1号本文に該当し、ただし書に該当しない。

2 旧条例第6条第2号の該当性について

旧条例第6条第2号本文においては、法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報で、公開することにより、当該法人等又は個人に不利益を与えることが明らかであると認められるものは、公開しないことができると規定されている。

  • (1)当該法人の収入に係る内部管理に関する情報
    これらの情報を当該法人の事業活動に関わりなく一般に公開することは、当該法人の自由な事業活動や正当な利益が損なわれるおそれがある。よって、旧条例第6条第2号本文に該当することは明白であり、ただし書に該当しない。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

新条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
なお、新条例の施行日である平成12年10月1日前に作成し、又は取得した旧条例第2条第1項に規定する公文書に該当する行政文書であって平成18年4月1日前の公開請求の対象となったものについては、新条例附則第3項により、旧条例第6条各号の解釈、運用が適正であったか否かにより非公開情報の該当性について判断するものである。

2 本件行政文書の内容等について

特定水利組合の土地改良区への組織変更を認可した際の起案文書であり、特定水利組合管理者から提出された組織変更認可申請書、定款、会員名簿、特定水利組合総会議事録、同意署名簿等が添付されている。

3 非公開情報該当性について

  • (1)旧条例第6条第1号の該当性について
    本号は、個人の尊厳及び基本的人権の尊重の立場から、個人のプライバシーを最大限に保護するために定められたものであるが、プライバシーの具体的な内容が法的にも社会通念上も必ずしも明確ではなく、その内容や範囲は事項ごと、各個人によって異なり得ることから、本条例は、プライバシーであるか否か不明確な情報も含めて、特定の個人が識別され得る個人に関する情報を包括的に非公開として保護することとした上で、さらに、個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれのあるものについても、非公開とすることを定めたものである。
    しかし、これらの個人に関する情報には、個人の権利利益を侵害しないと考えられ非公開とする必要のない情報及び公益上の必要があると認められる情報も含まれているので、これらの情報を本号ただし書で規定し、公開することを定めたものと解される。
    この基本的な考え方に基づき、処分庁が本号に該当するとして非公開とした部分について検討する。
    会員名簿、同意署名簿、個人の氏名、個人が特定される役職名、議事録署名人の署名、印影については、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであると判断され、本号本文に該当すると判断される。
    次に、ただし書の該当性について検討する。
    特定水利組合総会議事録の「議長名」については、村長の氏名が記載されており、これは、ただし書ニに該当すると判断される。
    その他の部分については、ただし書のいずれにも該当しないと判断される。
  • (2)旧条例第6条第2号の該当性について
    本号は、法人等又は事業を営む個人の正当な利益を害することを防止する観点から、その事業活動の自由を保障し、公正な競争秩序を維持するため、公にすることにより当該法人等又は事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのある情報を非公開とすることとした上で、それらに該当する情報であっても、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、公開することを定めたものであると解される。
    審査会で見分したところ、「特定水利組合総会議事録」の1ページ目6行目から12行目まで(表紙部分を除く)は、当該法人の賦課金等の徴収状況や改正案など内部管理に属する情報であり、これを当該法人の事業活動に関わりなく、本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の財政状況が推測されるなど、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、本号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。

4 第3の2の審査請求の理由のうち、(3)について

旧条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。

よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

(省略)

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