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公開日:2020年10月14日

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平成18年10月2日 答申第384号(香川県情報公開審査会答申)

平成18年10月2日 答申第384号

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が行った非公開決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成15年9月8日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求(以下「本件請求」という。)を行った。

  • (1)「香川県宗教法人名簿・平成9年3月」と同様の本公開請求書到達日現在の「宗教法人総括表」「神道系統別明細表」「仏教系統別明細表」「キリスト教系統別明細表」「諸教系統別明細表」に該当する内容の分かる一切の行政文書(電磁的記録を含む)
  • (2)本公開請求書到達日現在の「仏教系統別明細表」「キリスト教系統別明細表」記載の各宗教法人の名称、所在地、代表役員、包括団体の名称、認証番号の分かる一切の行政文書(電磁的記録を含む)

2 実施機関の決定

実施機関は、本件請求に係る行政文書を作成及び取得しておらず存在しないとして、平成15年9月24日付けで本件処分を行い、異議申立人に通知した。

3 異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、平成15年10月5日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

1 異議申立ての趣旨

「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 異議申立ての理由

異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、香川県の情報公開条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をすべきである。
  • (2)本件「決定通知書」の「公開しない理由」は、虚偽である。少なくとも、電磁的記録は存在する。
  • (3)本件「決定通知書」の「公開しない理由」には、適法に処分理由が明示されていないので、香川県行政手続条例第8条に違反し本件処分は無効である。

第4 実施機関の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。

1 行政文書の特定について

以下のとおり、異議申立てに係る行政文書は作成及び取得しておらず存在しない。

  • (1)申請に係る文書の特定について
    • (ア)異議申立ての対象となっている本件請求の(1)に係る行政文書について
      「香川県宗教法人名簿・平成9年3月」の「宗教法人総括表」は県内各市及び郡毎に、「神道系統」、「仏教系統」、「キリスト教系統」、及び「諸教系統」の区分で宗教法人数を集計したものである。「神道系統別明細表」は県内各市及び郡毎に神道系統の詳細な教(宗)派の区分で宗教法人数を集計したものである。「仏教系統別明細表」「キリスト教系統別明細表」「諸教系統別明細表」も同様である。
    • (イ)異議申立ての対象となっている本件請求の(2)に係る行政文書について
      「仏教系統別明細表」「キリスト教系統別明細表」自体は上記のとおり宗教法人数を集計したもので各宗教法人の名称、所在地、包括団体の名称、認証番号について記載は無いが、これらが開示請求項目であること、異議申立ての対象となっている本件請求の(1)に係る行政文書において表自体が請求されていること、「香川県宗教法人名簿・平成9年3月」の構成から、「仏教系統別明細表」「キリスト教系統別明細表」各表のそれぞれ、それ以降に登載されている県内各市・町毎に各宗教法人の認証番号、包括団体の名称、法人の名称、所在地、代表役員氏名、電話番号を登載した表と捉えることが妥当であり、また「神道系統」、「仏教系統」、「キリスト教系統」、「諸教系統」のうち「仏教系統」、「キリスト教系統」のみの請求であることから各系統混在したものではなく、「香川県宗教法人名簿・平成9年3月」の各表と同様の区分によるものを意味するものと考えられる。
      しかし、上記1、2の内容・区分による表は「香川県宗教法人名簿・平成9年3月」が策定された後作成しておらず、当該公開請求書到達日現在の対象となる行政文書は存在しない。

2 異議申立ての理由の(2)について

異議申立ての理由の(2)に少なくとも「電磁的記録は存在する。」とあるが、これは本行政文書公開請求以前に電話にて異議申立人から宗教法人についての台帳等の存否に関する照会があり、その際に各宗教法人の情報はパソコン(パーソナルコンピューター)で管理している旨の回答をしているのでこれを指していると考えられる。以下のとおり上記電磁的記録は異議申立人の主張する異議申立に係る行政文書に該当しない

  • (1)異議申立てで該当する文書として主張される電磁的記録
    上記のパーソナルコンピューターで管理している情報とは、香川県知事を所轄庁とする各宗教法人について、宗教法人法第13条に基づく宗教法人の規則の認証申請書、同法第9条に基づく登記に関する届出、同法第25条第4項に基づき提出される書類などを基に、各宗教法人の名称、主たる事務所の所在地、代表役員の氏名、包括団体の名称、認証番号はもとより、会計年度の区分、上記法第25条第4項に基づき提出される書類の提出状況、不活動法人であるかどうかなどの情報をマイクロソフト社製のアプリケーションソフト「アクセス2000」によりデータベースとして一覧表形式で作成し、必要に応じてその一覧表から抽出されたデータを基に作られる一覧表、または文書発送等において同一内容の文書を、条件に基づき抽出された対象宛のものを作成するための様式から成り、逐次情報の更新・管理をしているものである。
  • (2)行政文書の性格について
    当該データベースは、実施機関の職員が職務上作成し、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有するものであるから行政文書に該当する。
  • (3)非公開情報の存否
    当該データベースに含まれる情報には宗教法人法第25条第4項に基づき提出される書類(役員名簿、財産目録、収支計算書等)の毎年度ごとの提出状況、当該実施機関として不活動法人として認識しているかどうかの情報が含まれているが、この書類提出制度は、宗教法人がその目的に沿って活動していることを把握することを目的としているため、当然のことながら不活動状態にある宗教法人については書類が提出されていない。そのため、提出状況を公開すると、どの法人が現在不活動状態にあるかとの情報を開示する結果となり、また、当該実施機関として不活動法人として認識しているかどうかの情報は直接に不活動法人であることを開示する結果となる。このことは不活動宗教法人の法人格を買収して悪用する契機を与える事にもなりかねず、不活動法人の解散を推進し法人格の悪用防止といった不活動法人対策に支障を来すおそれがあるため、情報公開条例第7条第4号に該当する非公開情報である。
    なお、宗教法人法第25条第4項に基づき提出される書類についての取扱いは、国においても同様の理由により存否を明らかにすることなく開示を拒否することとなっている。その旨各都道府県に通知されており、同条例同条第7号にも該当する。
    また、文書の発送管理のため、法人の意向に基づき、発送先として所在地については主たる事務所地、代表役員住所地、若しくはそれら以外の住所地を、宛名としては法人、代表役員、若しくはそれら以外の宛名等を管理しており公知の事実以外の個人を識別できる情報が含まれている。
  • (4)異議申立人の主張する異議申立に係る行政文書の該当性
    上記データベースは所轄庁として宗教法人法令等に基づく事務を執行するにあたり用いるものであるが、その事務執行において、通常、県内各市・郡・町毎に系統別、各系統の詳細な教(宗)派別の宗教法人数を常に把握する必要がない。よって「香川県宗教法人名簿・平成9年3月」と同様の「宗教法人総括表」「神道系統別明細表」「仏教系統別明細表」「キリスト教系統別明細表」「諸教系統別明細表」に該当する表を作成していない。
    また、上記同様に、県内各市・郡・町毎に各系統の詳細な教(宗)派毎の区分で各宗教法人の名称、所在地、代表役員名等の一覧を把握する必要がないので作成していない。
    当該データベースの一覧を紙その他これに類するものに印字し、又は印画する方法により出力し、非公開情報部分と区別しても一覧表上県内各市・郡・町毎に系統別、各系統の詳細な教(宗)派別に整理されているわけではないので、異議申立の対象となる本件請求2に係る行政文書に該当する表とならない。ちなみに、電磁的記録として交付する場合には、非公開情報とそれ以外を区分することはデータベースを不可逆的に破壊することになるためこの方法で交付することは不可能である。
    以上から、異議申立人の主張する電磁的記録としての行政文書は異議申立に係る行政文書に該当しない。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。

2 本件請求対象行政文書の存否について

  • (1)本件請求対象行政文書について
    「香川県宗教法人名簿・平成9年3月」(以下「宗教法人名簿・平成9年3月」という。)には、「宗教法人総括表」として、県内各市及び郡毎に、「系統」の区分で宗教法人を集計した集計表があり、「系統別明細表」として、県内各市及び郡毎に、「系統」の詳細な教(宗)派の区分で宗教法人を集計した集計表がある。
    また、県内各市・郡・町毎に各系統の詳細な教(宗)派毎の区分で各宗教法人の名称、所在地、代表役員名等の情報をまとめた一覧表がある。
    本件請求は、宗教法人名簿・平成9年3月と同様の内容との記載がなされており、宗教法人名簿・平成9年3月と同様の区分で宗教法人を集計した集計表及び同様の区分で宗教法人の名称等の情報をまとめた一覧表を請求したものであると解される。
  • (2)本件請求対象行政文書の存否について
    請求日現在の宗教法人名簿があれば、本件請求対象行政文書に該当すると考えられるが、実施機関は、宗教法人名簿は平成9年3月を策定した後作成していないと主張している。
    審査会で調査したところ、実施機関が主張するように「香川県宗教法人名簿」は平成9年3月を最後に作成されていないことが確認された。
    次に、実施機関の保有するデータベースが本件請求対象行政文書に該当するかどうかを検討する。
    審査会で当該データベースを見分したところ、宗教法人の名称や主たる事務所の所在地等の情報が表形式で入力されているものであった。
    しかし、当該データベースは、表形式ではあるものの、宗教法人名簿・平成9年3月と同様の区分の集計表ではなく、また、宗教法人名簿・平成9年3月と同様の区分で宗教法人の名称等の情報をまとめた一覧表でもなかった。
    本件請求が宗教法人名簿・平成9年3月と同様の区分で宗教法人を集計した集計表及び同様の区分で宗教法人の名称等の情報をまとめた一覧表の公開を求めたものと解されることから、実施機関が主張するように、当該データベースは本件請求対象行政文書に該当しないものと判断される。
    よって、実施機関が請求対象行政文書が存在しないとして、非公開とした本件処分は妥当であると判断される。

3 第3の2異議申立ての理由のうち、(3)について

条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。

よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

(省略)

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