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公開日:2025年9月1日

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瀬戸内ギャラリー第19回企画展
「たくさん集める」からわかること2
ー生活用具に記された文字記録ー

趣旨

生活の中で使われてきた身近な道具は、日常の暮らしぶりや、地域の習俗等を物語る貴重な資料です。各地に残された様々な道具を集めて比較・研究すると、それぞれの地域における暮らし・文化の特徴や多様性、移り変わりが見えてきます。

地域の博物館・資料館では土地の風土や暮らしに関わる様々なモノを多数収集・保管しており、これらの資料は地域の姿を読み解くための大切なコレクションとなっています。

本展では、当館および県内の資料館等のコレクションのうち、文字記録がある生活用具に注目し、これらを「たくさん集める」ことからわかる香川の暮らしのモノ語りを紹介します。

チラシ(PDF:2,828KB)

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展示詳細

令和8年110日(土曜日)~223日(月曜日・祝日)
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(月曜日が休日の場合は、原則として翌火曜日)

瀬戸内海歴史民俗資料館第1展示室中2階瀬戸内ギャラリー

(高松市亀水町1412-2五色台山上)

主催等

主催:瀬戸内海歴史民俗資料館(香川県立ミュージアム分館)

展示構成

(1)年号×モノからわかること
(2)文字記録×モノからわかること
(3)文字記録×回転馬鍬からわかること
(4)コラム木箱に収められた「子安貝」

展示資料・作品数

約60点

 

 

関連行事

れきみん講座

「モノと文字から探る香川の暮らし」

年号などの文字記録が記された生活用具の調査から見えてきた、モノと文字が織りなす香川の暮らしを紹介します。

日時 214日(土曜日)10時30分~11時30分
講師

長井博志(当館主任文化財専門職員)

場所 瀬戸内海歴史民俗資料館(高松市亀水町1412-2)
定員 25名(先着順)
申込期間 9月2日(火曜日)から受付開始(定員になり次第、終了)

 

展示解説

展示会場で当館職員が解説を行います。事前申込不要です。

日時

117日(土曜日)・27日(土曜日)11時~(約40分)

場所 瀬戸内海歴史民俗資料館瀬戸内ギャラリー

 

いずれも無料/れきみん講座は事前の申し込みが必要です。
【申込方法】
電話、「香川県電子申請・届出システム(外部サイトへリンク)」を利用したインターネットでお申し込みください。

主な展示資料

Manga Toumi

▲回転馬鍬(かいてんまんが)(昭和20~30年代高松市前田西町収集)資料整理中

田畑を耕す際、牛馬に引かせて使用された農具です。江戸時代の農書では、現在の兵庫県南西部で粘性が強い土を砕くために使うと記されています。香川県内では明治時代に広く使われはじめ、旧綾上町では回転馬鍬の普及により田畑の耕作を日雇い人に頼む必要がなくなり、「日雇い倒し」等と呼ばれました。
本展の開催に伴い、県内12ヶ所の資料館等に収蔵されている回転馬鍬129点を調査しました。これらに記された文字から製作者と使用者の住所を見ると、それぞれの住所が近接するものが多く、地元の農機具製作者による製品がしばしば近隣の農家により使われた可能性が見えてきました。
昨年度開催した企画展では、県内の資料館等が収蔵する千歯扱ぎ約220点を調査し、鳥取県倉吉など県外の有名産地の製品が多数を占め、県内生産品はわずかであることを確認しましたが、このようなありようと比べると回転馬鍬の生産体制は近隣地域との結びつきが強かったと考えられます。

▲唐箕(とうみ)(大正8(1919)年三木町内収集)三木町教育委員会蔵

脱穀したモミとワラくず等の選別に使われた大型の農具です。外面に製作者の氏名・住所や製品の性能説明などが書かれることが多い農具ですが、この唐箕は農家の心情を記している点に特徴があります。
様々な言葉が見られますが、「百姓ゝ是れ程良き職業はなし」「日本の為に又食糧確保の為に尊い汗を流しませう」などの文言には、戦時下に農業に従事する農家の誇りがうかがえます。

Mi-1 Mi-2

▲箕(み)(左:昭和21年・右:昭和23年香川郡直島町収集)資料整理中
穀物の殻・ゴミを取り除いたり、運搬・乾燥のために使われた道具です。写真の2つの箕は、直島の同じ家で使用されていました。形や大きさがよく似ており、竹を網代編みした製作方法も細部までほぼ同じですが、価格は昭和21(1946)年の60円(左写真)から昭和23(1948)年には300円(右写真)へ5倍にも急上昇しています。様々な条件がほぼ同じである中、価格だけ大きく異なるため、戦後のハイパーインフレを反映していると考えられます。
モノから読み取れた情報と文字記録を合わせて考えることにより、当時の経済動向が見えてきます。

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展示

 

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