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・令和7年9月県議会定例会の招集について
1.県政運営について
2.旧県立体育館について
3.国内旅行の総合満足度 都道府県魅力度ランキングについて
4.瀬戸内国際芸術祭2025夏会期について
5.最低賃金の引き上げに係る施策について
知事:
【令和7年9月県議会定例会の招集について】
いつも大変お世話になります。今日もよろしくお願い申し上げます。私から令和7年9月県議会定例会の招集についてお話をさせていただきます。9月県議会定例会は、9月19日(金曜日)午前10時に招集をする予定でございます。現時点で、当初提案する議案は、補正予算議案が2件、工事請負契約の締結などの予算外議案が4件の、合わせて6件を予定しているところであります。内容といたしましては、令和6年度の決算剰余金に係る補正予算や、香川丸亀支援学校における工事請負契約の締結などを予定しております。現在、議案の最終調整を行っているところでございます。私からは以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
幹事社:
【1.県政運営について】
【2.旧県立体育館について】
質問が2点ございます。1点目は県政運営についてです。知事の任期満了となっている来年9月4日まで残り約1年となりました。この3年間の県政運営を振り返っていただいて、ご自身でどのようにご評価なさっているのかということと、残り1年の課題と展望をお聞かせください。また、2期目に向けたお考えというものもお聞かせください。2つ目の質問が旧県立体育館についてであります。旧香川県立体育館再生委員会が先月28日に県教育委員会と協議をしました。県教委によると、協議内容は知事部局にも共有されていると聞いております。そこで、協議を受けての知事のお考えを改めて伺いたいと思います。よろしくお願いします。
知事:
まず私の県政運営に関してのご質問をいただきました。知事に就任させていただいてから、約3年が経過したところでございます。この3年の間、私の進める県政・施策の展開につきまして、多くの県民の方にご協力・ご理解をいただいて進められていることに、まず感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。そして県庁の職員の方も、私の方針について共有をしていただき、一緒に進めていただいていることにも感謝を申し上げます。そして、今の運営の振り返りでございますけれども、私が就任したときに、大きくは4つの県政に向けての重点事項を挙げさせていただきました。まずは少子化の対策でございます。これにつきましては、いろいろな施策を実施してまいりましたけれども、残念ながら、まだ、少子化の流れを変えるには至っていないと考えており、大変申し訳なく感じているところでございます。今後とも、今まで進めてきた施策を広く、県民の方に知っていただく。そしてさらに充実を図るなど、この少子化対策については粘り強く進めてまいります。何とか少子化、この出生数について、できるだけ早く反転できるように、出生数を前年度よりプラスになるように進めてまいりたいと思います。この少子化対策と直接的には関連しませんけれども、今、人生100年時代ということで、もう到来していると言っても過言ではありませんけれども、健康寿命を延ばすことが、県の発展にも、それから県民の幸せにも、非常に重要であると考えております。昨年度より生活習慣、食習慣、運動習慣、それから検診の早期受診、こういったことを中心に、健康寿命を延ばす、これに力を入れてきております。これについては、これからもいろいろな関係者に協力をいただきながら進めたいと思います。それから2つ目は、経済の活性化であります。コロナ後、直近の状況を見ますと、県内の設備投資が順調に進んでいるという状況でありまして、企業立地や県内企業の設備投資の拡大を進めてきた結果、経済の回復が順調に進んできているのではないかと実感しております。これを長く続けるために、企業の経営におきましても、資材高、コスト高、こういったものが事業のネックになってきておりますので、その対策。それから何といいましても、人手不足というのが、長い経済発展の足かせになってきております。ここの2点につきまして、より注力をして、香川県の経済の長い発展を目指してまいりたいと思っております。この経済発展は、定住の促進や移住の促進にも大きなポイントになってくると思いますので、経済の振興については一層力を入れていきたいと思います。第3は、人口が減ってくる中で、関係人口の増加にも繋がるにぎわいの創出であります。サポート高松地区においては、県立アリーナが開館をいたしまして、その大きな集客の力を、今、発揮しているところであります。近隣には新たな商業施設、そして大学もあり、またプロムナードの運用も始まりまして、休日にはサンポート地区で、多くのイベントが開催をされまして、それを理由としての商店街の売り上げの伸びも聞いているところであります。今後、今、外資系ホテルの建設もようやく地上部で工事が進むようになり、待ち遠しく感じておりますけれども、このサンポート地区については、一層のにぎわいができるような、これからの整備も進めたいと思います。それから、このにぎわい、関係人口については、これからぜひ県内全体にその流れが及ぶような、県内全体の施策も進めたいと考えております。そして昨日、夏会期が終わりましたけれども、瀬戸芸の秋会期についても、安全、快適に見ていただくことを一番に考えながら、多くの方においでいただけるように、今後とも取組みを進めてまいりたいと思います。来年は、香川県で初めての、公認のフルマラソンの予定もございます。こちらについても、成功できるようにしっかりと準備を進めてまいりたいと思います。4番目は防災・減災対策でございます。南海トラフ地震の懸念が高まってきております。また、風水害についても油断のできない状況であります。海岸堤防の増強や、非耐震の住宅の耐震化、防災意識の向上など、それから万が一のときの避難所の生活環境の改善。能登半島のときの教訓でもありますけれども、こういったところに注力をおきながら、災害の備えを万全に、これからも市町と連携して進めてまいりたいと思います。この評価でございますけれども、以上のように目に見える効果も表れているところかとは思いますけれども、まだまだ効果が表れていないものもございます。評価全体につきましては、県民の皆様方に委ねたいと思います。残り1年につきまして、今、4つの観点から述べさせていただきましたけれども、安全で、健康で、活力のある香川県をさらに伸ばしていけるように、県民の皆さんにご理解・ご協力をいただきながら、県の職員とともに進めてまいります。2期目の考えでありますけれども、現在、直面している諸課題に全力で取り組んでおりますので、現時点で2期目のことまでは考えが及んでいないところでございます。2点目でございます、旧県立体育館の件でございます。先月の28日に、旧県立体育館再生委員会の方々と県の教育委員会との間で面談を行って、その内容について報告を受けているところでございます。面談の内容につきましては、安全性についての見解、それから再生委員会がご提案している事業の具体的な事業主体などについて、意見交換を行ったとの報告を受けております。今回の面談につきましては、旧香川県立体育館再生委員会側と、技術的な観点での意見交換ができたのではないかと感じているところでございます。先方から、今後、さらに面談の機会を持ちたいとの意向もお伺いしておりますので、引き続き教育委員会の方でお話をお伺いしたいと考えております。私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
【1.県政運営について】
幹事社:ありがとうございます。県政運営について補足で伺わせてください。まだ、現時点で諸課題に全力で向き合っていらっしゃるので、考えが及んでないというお話でしたけれども、出馬するか・しないかということを検討はされていますか。現段階でもまだされていないということですか。
知事:今の現時点では、2期目の出馬についても、考えている段階ではございません。
幹事社:いつごろを目途に、そういったことを検討される予定なのでしょうか。
知事:これも、時期については、現時点では考えておりません。
幹事社:未定だということですか。
知事:はい。
【2.旧県立体育館について】
幹事社:体育館の件についてですけれども、こちら「技術的な意味での意見交換ができた」ということは、知事としては、その点において面談の場を持ったことに関して意義があったとお考えの上での発言なのでしょうか。
知事:はい。技術的な面で、先方の考えていることをお互いにお話ができたということは、意義があったと思います。
幹事社:それは、直接対話をしたことに意味があったということなのでしょうか。以前からそういう資料の提出はあったかと思うのですけれども、どういう意味合いでおっしゃっているのでしょうか。
知事:資料の中以上に、実際にフェイストゥフェイスでお話をして、技術的な面についてのお互いの主張について意見交換ができたということについて、意義があったのではないかと感じております。
幹事社:一方で、教育長も、「解体方針の転換を前提とした協議の場ではない」というような趣旨のことをおっしゃっていましたけれども、それを受けて、解体の方針について知事は現時点でどのようにお考えでしょうか。
知事:現時点においては、今の県の方針のスケジュールで進めていくことが、今、適切なことではないかなと考えております。
幹事社:技術的な意味での意見交換ができたと、ただ、それを踏まえても、その方針を覆すだけの提案ではない。そういう趣旨でしょうか。
知事:技術的な内容については、一番、最大は現在の旧県立体育館の安全性の懸念のことでございまして、これについて、先方からの考え方、こちらの考え方、これを28日も、技術的な面でお互い主張し、意見交換ができたと考えております。その結果としての現在があるわけですけれども、今の時点で、今まで進めてきたスケジュールは1歩ずつ進める。これが今の判断としては適切で、やむを得ないのかなと思っております。
幹事社:これまでの県の耐震性の判断等について、再生委は独自の見解をお持ちで、それを提案されたと伺っているのですけれども、ただ、県としてはそういう話を直接聞いた上でも、県が従来から維持してきた安全性についての見解を変えるには至らなかった、そういうご判断ということですか。
知事:大まかにはそういう判断であります。安全性の県の見解については、できるだけ早く県民の皆様にも改めてご説明をしてまいります。それから引き続いて、この点についてが、今回の県の進めるべき必要性の部分ですから、しっかりと理解していただけるように、いろいろな機会を設けて、お話をさせていただきたいと思っております。
記者:船の体育館についてお伺いします。今、幹事社質問の中にもありました、再生委との協議のお話なのですけれども。協議前、その再生委員会側からの提案について、池田知事のお考えとしては、安全性についての懸念というのと、事業の主体性が不明確であること等々を理由に、現時点でその再生委の提案というのは考慮するものではないというような趣旨のお話が、以前の会見であったと思います。これは、28日の協議の中では、主にやはりその2点について、再生委からかなり意見も出て、意見交換をできたと思うのですけれども、その再生委の提案ですとか、プランに対する評価、ここの心境の変化というのはあったのでしょうか、なかったのでしょうか。
知事:教育委員会の方でお聞きしまして、その報告を受けておりまして、再生委員会で、今、考えていることは、私も承知をしたところでございます。県の安全性の懸念については、引き続いて同様の見解を持っておりまして、それについてできるだけ早く、きちんとまた改めてお話をしたいなという考えでおります。
記者:すごくざっくり言うと、再生委側が言っているのが、県の安全性の判断をする基準になっている元データというのが古いというのと、その数値の読み解きですね。専門家が見たら、今すぐに、その耐震性ですとか、倒壊の危険性が、という話ではないというところで、県側がおっしゃっていることとかなり違いがあるように思います。報告を受けた上で、それでもやはりまだ倒壊の危険性が高いですとか、今まで解体に向けて進められてきた理由に挙げられているものですね、ここのお考えについては変わらなかったということになるのでしょうか。
知事:県がこれまで進めてきた耐震の診断の結果の内容について、今時点でもやはりそうかなという思いでおります。これについて、丁寧に今後説明していきたいと思います。
記者:28日の協議の中で、また教委の方に再生委側から再度の面談を求めるということになりました。このままのスケジュールで進んだら、入札の開札後、契約に至るかどうかわからないですけれども、そのタイミングでの次回協議になる可能性が高いと思いますが、現時点で、この再生委との協議は、池田知事にとってどういう位置付けのものになっているのでしょうか。
知事:安全性についての考え方に違いもあるということですので、どういうお考えなのかということを、引き続き、お聞きしながら判断をしていくということになってくる。こういう関係かと思います。
記者:話し合い・協議に向き合う姿勢について、先週末に立憲・市民派ネットと日本共産党香川県議会議員団の県議4人の方から、知事宛・教育長宛に、解体の手続きをストップして協議に当たるべきではないかという趣旨の申入れ書があったと思います。この申入れを受けたコメントというかお考えを伺ってもよろしいでしょうか。
知事:はい。県議の4名の先生からそのような申入れを受けまして、私も内容を承知しているところでございます。ご意見は承りました。これも踏まえながら、今後、県の対応を進めてまいりたいと思います。
記者:もう1点。現時点でのスケジュールを変えずに進めていく。改めてにはなってしまうのですけれども、ストップせずにお話も聞きつつ、今の手続きも進める。この判断をされている最も大きな理由というのは、どこにあるのでしょうか。
知事:今の旧県立体育館の、南海トラフ級の地震に対する安全性の懸念でございます。
記者:引き続き、旧県立体育館について質問させていただきます。先週・先々週と伺っているのですが、ちょっと確認です。先週の会見の中で、今、話題になっている、解体を急ぐ理由として根拠にされている安全性の部分なのですけれども、株式会社丹下都市建築設計(現:株式会社TANGE建築都市設計)が2012年に行った耐震診断がもとになっているというのは間違いないでしょうか。
知事:はい。間違いございません。
記者:その株式会社丹下都市建築設計の耐震診断は10年以上前のものになりますが、それを受けて、倒壊の危険性が高いと、急いで解体しなければならないと認識したのはいつなのですか。
知事:まず耐震診断を平成24年に行い、その後、いわゆる耐震補強をしながら利用する方法がないのかというような、そういう検討時期もございました。その中で、そういう利用が望めないということに至り、安全性のための解体もやむを得ないという判断に至ったのは、約2年半前だったと考えております。
記者:サウンディング調査を2021年度に行いましたが、民間の利活用策を探るという時点までは、改修して使えるものなら使いたいという思いはあられたということですか。
知事:そういう選択肢はございました。
記者:で、そこが、民間の提案でも利活用の道が無いとなった時点で、改めて考えたときに、2012年に行った診断結果をもとに、やはり解体を急がなければという判断をされたということでよろしいですか。
知事:その通りでございます。
記者:私、株式会社丹下都市建築設計が行った耐震実施設計業務の耐震診断報告書を情報公開請求で入手しまして、見たのですが、今、おっしゃられているような、倒壊の危険性が高いというようなところは、この診断書にはっきりと明記されているのですかね。
知事:はい。されていると思います。
記者:どの辺りを読み解くと、そういう。実際、ずばりそのような文言がちょっと見当たらないところもありまして。
知事:今、ここで、ここと言うことが難しいのですけれども、その検討結果の中に耐震性を判断するような項目がございまして、懸念がある・危険性があるというような報告をいただいております。
記者:であれば、危険性が高いという状態のまま、解体を判断するまでの期間がかなりあったかと思うのですけど、その期間というのはどうだったのでしょうか。
知事:先ほど申し上げましたけれども、耐震性が不足している場合に、一般論としては補強をして使う。それも難しいようであれば解体する、というような、こういう2つの道があろうかと思います。それを両面といいますか、まずは利用できないか検討したと、こういう中で、検討の結果があったということでございます。
記者:同じ診断書を見ても、再生委員会が意見を聞いている専門家からは、すぐに全体が倒壊するような危険はないという意見もあって、それは先日の面談の中でも意見が再生委員会の方からあったかと思うのですけれども、そこは、県としてはそういう見解ではないということですか。
知事:県の見解は、平成24年の耐震性診断につきましても、国の方で定めた診断方法がございまして、それに則って診断をしていただいて、その結果を見て判断したものでございます。そういうことから考えて、今の判断に至っております。
記者:せっかくの県の資産なので、残したいという思いがあって、活用方法を検討されてきたと思うのですけれども、解体やむなしという判断になった後、別の専門家から、まだ補強すれば十分使えますよという意見が出たのに、やはりちょっとでも残したいという気持ちがあるならば、そちらに耳を傾けたいな・傾けてもいいのではないかな、という思いになってもいいかなと思うのですけれども、そういうことではないということですか。
知事:もちろん、補強をして使うという道はあるのだと思うのです。それは、これまでの中でもありましたし、そういう道はあるのだと思うのですけれども、そういった補強をするには、やはり大きな費用もかかってまいりますし、そこの部分で見通しがない中で、この懸念をずっと置いたまま時間が経っていくことは、やはり好ましくないのではないかなという、そういう判断であります。
記者:分かりました。それから、西側の道路が緊急輸送路に指定されていて、瓦れきが散乱する恐れもあるので、ということも、解体を急ぐ理由の1つとして挙げられていますが、それは、株式会社丹下都市建築設計の耐震診断とは別のものに基づいて判断されたということでしょうか。
知事:それは別でございます。
記者:それは何に基づいてなんですか。
知事:ちょっと、ものは、今すぐ私はお答えできないのですけれども、耐震判断で、倒壊をすると建物が崩れていろいろな瓦れきが散乱する中で、どのぐらいの散乱があるかということを見積もった上でのことでございます。倒壊の危険ということが、やはり、最大の懸念材料かと思います。
記者:この、株式会社丹下都市建築設計の耐震診断報告書の中では、周辺との関連性というところで、「敷地周辺道路はある程度の混雑が予想されるものの、一次輸送確保路線に面しているため、災害時の輸送は確保可能である。」、2次災害に対する安全性で、「建物周囲に十分な空地を有するため支障なし」と明記されています。ということからすると、今、おっしゃられた、県が懸念するところと大きく矛盾すると思うのですけれども、これについてはいかがですか。
知事:県の今の安全性の懸念というのは、大きな建物自身が倒壊する、これについての懸念があるということでございます。その結果に付随して、いろいろな不具合が生じる1つに、瓦れきの散乱による交通障害ということもあるということをお示ししているところでありまして、一番は、建物自身が倒壊するのではないかという、ここが最大のポイントでございます。
記者:これまでの議会答弁などを見てきても、前面道路のことは結構繰り返し言われていて、今、おっしゃられたように、建物の倒壊に付随するものだ、ぐらいのレベルではないように感じたのですけれども。
知事:議会の答弁もあったかとは思いますけれども、今、県の方針の最大のポイントは、建物の倒壊の懸念であります。
記者:倒壊にもいろいろな、どれぐらい倒壊するかという程度の問題があると思いまして、耐震診断報告書では、一次輸送路線の災害時輸送は確保可能とあるのに、「倒壊」という診断があるから瓦れきも当然散乱するだろうというのは、ちょっと飛躍があるかなと思うのですけど。
知事:あれだけの建物が倒壊するということは、いろいろな安全に対するリスクを誘発するものであると思います。その1つが、前面道路への瓦れきの散乱、こういったことかと考えております。
記者:散乱するほどの倒壊が起こるという根拠はあるのですか。
知事:あれだけの建物が倒壊するということですので、相当の、安全に対しての心配事が出てくると考えております。
記者:それが、この株式会社丹下都市建築設計が行った耐震診断の結果を、かなり拡大解釈して、もうぐちゃぐちゃに壊れるというふうに捉えているのではないかなとも思うのですが。
知事:そういうことはありません。南海トラフ級の地震で、建物が倒壊する懸念・可能性があるという結果をいただいておりまして、それを県の方で判断しておりますけれども、あれだけの建物が倒壊するということは、いろいろな危険性があると判断しております。
記者:「可能性がある」と書いてあったからその最大限を見積もるというのは、果たしてどうなのかというのはあります。つまり、別の専門家は「そんなことはない」と言っている意見もある中で、それでも県としては、そうではない、解体を急ぐのだって、今、おっしゃられているわけですよね。それが本当に根拠に基づくものなのかというのは、結構、重要なポイントかと思うのですけど。
知事:耐震判断で、倒壊の可能性があるという判断を専門家にいただき、県でも、それを認知させてもらったところであります。それが様々な危険をまた作っていく可能性が大きいということは、県としてもそのように考えておりますし、診断結果を踏まえての県の判断でございます。
記者:私の質問としては、専門家によって見解が分かれていて、そこまで崩れることはないとはっきり言っている専門家もいる中で、「耐震診断報告書に倒壊の可能性あり」ということを、「道路に瓦れきが散乱するほど壊れる」というところに結びつけているのが、かなり無理があるのではないかなという思いを抱いているのですけれども、それはどうでしょう。
知事:先週もお話を聞かせていただいておりますし、いろいろな、再生委員会の方がご相談している専門家の方のご判断なりはこれからも聞かせていただきます。
記者:改めてもう一度、本当に今すぐ壊れるのか。この再生委員会なり、民間の提案なりを検討する余地もないほど急ぐものなのかということを、改めて検討するお考えはありますか。
知事:先週から、(再生委員会として)どういうお考えで、その安全性に対してお考えなのかと聞いております。また次の機会でも、そのお話もしたいというようなことだと思いますので、お話を引き続き、聞いていきたいと思います。
【3.国内旅行の総合満足度 都道府県魅力度ランキングについて】
記者:少し話は別になるのですが、先ほどの質問でも、知事のこれまでのまちづくりの取組みや今後の香川の経済発展について話がありました。少し前の話で申し訳ないのですが、観光サイトじゃらんが発表した観光国内宿泊旅行調査2025で、香川が総合1位となる結果になりました。そのあたりの所感とその要因について、知事のお考えをお聞かせください。
知事:全国的に、観光地としてこの香川県が評価をされたということは、大変喜ばしいと感じております。この要因は、やはり瀬戸内国際芸術祭に代表される瀬戸内の魅力が全国にも認知をされてきている・広がってきている、こういったことではないかなと考えております。これからも、その魅力を一番に示しながら、他にもたくさん魅力がありますから、この1位というのは全国に知っていただくものすごく良いチャンスだと思いますので、ここを好機に、さらにPRしてまいりたいと考えております。
記者:今後、上位を維持するためにこんな施策がやりたいとか、何か施策とかを考えたりしているのですか。
知事:やはり、この瀬戸内海を知ってもらうためには、船旅を味わってもらうことが、1つは重要だと思いますので、大きなクルーズ船ということではなくて、ミニクルーズのようなものを広げて、海の魅力を知ってもらう。また、香川県下全般に、海の魅力を感じるところは、東は引田から西は三豊・観音寺まで、まだまだたくさんありますので、そういったところの魅力を知ってもらって、より今の好機を生かしていきたいと思います。
記者:その発表の中には、うどんを始め、香川はリーズナブルに旅ができるというところもあります。その辺りはいかがでしょうか。
知事:うどんというキラーコンテンツの力は、今も実感をしておりますし、これが非常に安くて美味しくて、という部分はやはり評価されているのだなと思います。この力はこれからも活用といいますか、大いに使ってPRを進めてまいりたいと思います。
【4.瀬戸内国際芸術祭2025夏会期について】
記者:昨日終了した瀬戸芸の夏会期について、振り返りをお願いします。
知事:昨日、夏会期が終了いたしまして、これも多くのメディアの方にご報道いただきまして、本当にありがとうございます。おかげさまで、この夏会期も、春会期に続いて多くの方にお越しいただいいたと思い、うれしく思っております。そして心配されました、混雑期のいろいろな問題ですけれども、平準化のために、混雑カレンダーや、できるだけリアルタイムの混雑情報をご提供した結果、
それを見て来場の方が空いた日を選んで、平日と休日の比が大分変わってきているということがありまして、大きな混乱はなかったということでございます。そして、今回初めて会場になりました、さぬき市の志度・津田エリアや東かがわ市の引田エリア。ここには、想定した以上の多くの方がお見えになってにぎわいができた、非常に今後の地域活性化の1つのきっかけにも繋がってくる可能性ができたのではないかと思っております。心配された暑さ対策でありますけれども、何人かの方が、少し気分が優れないということで、休憩所でお休みになったことはございますけれども、重度の熱中症になるような方がおられなかったということで、ほっとしているところでございます。もう間もなく、すぐ、秋会期になります。今回は、初めての宇多津エリアもあります。この秋会期に向けて、万全の準備をしていきたいと思います。ありがとうございます。
【2.旧県立体育館について】
記者:旧県立体育館の話に戻りますが、入札のスケジュールで言いますと明日から入札ということになりますが、そのあたりは今のところ変わりない、そういうことでしょうか。
知事:そのとおりでございます。
記者:予定どおりですか。
知事:まずは入札の日取りが9月2日、3日、4日の3日間。それを今度は、もし入札する方がいらっしゃった場合は、開けて、その内容・技術の提案・価格と、総合評価の予定ですので、そういったものを見て評価・審査をすることになっておりますけれども、そういった流れについて、現時点においては予定どおり進めていきたいと思っています。
記者:おそらく再生委員会側の皆さんは「県側の話を聞く姿勢」みたいなお話もされているのだと思うのですけれども、県としては、県教委の皆さんと先日協議という形がありましたが、県議さんから申入れを、先日4人の方がなさいました。その4人の方は、再生委員会側からの、今後解体すべきかどうかというようなアンケートに対してお答えになられた県議さんで、かなりの人数の方がそのアンケートにお答えになられていない・無回答であるという、そのような再生委員会さん側の主張もあるのですけれども、そのあたりの県議さんのことを知事に聞くのもあれかもしれませんが、「聞く姿勢」が問われているということについて、無回答であることへの不信感とか、そのようなものもあるのではないかとも思われるのですけれども、そのあたりというのはいかがでしょうか。
知事:県議の先生方のいろいろな対応ぶりについて、私からコメントは難しいのではないかと思っております。
記者:明日から入札ということではありますが、再生委員会との協議は、引き続き続けていくということなのですけれども、県民としては、この県の進め方・姿勢を、どのように受けとめればいいのですか。解体はスケジュールどおり進める一方で、話は聞くと言っているということを。
知事:やはり、その安全性に対して、違うお考えをお持ちの再生委員会の方がおられるということですので、そういった考えについてはしっかり、どういうお考えなのか聞いていきたいと思いますし、そういう投げかけがされているということもありますので、改めて、今の旧県立体育館の状況、安全性の心配について、しっかりと県民の方にもお知らせをして、今の県の方針について理解を求めていくということで進めたいと思います。
記者:話を進めていく中で、やはり、どうやら今すぐ壊れるのではなさそうだ、というふうに解体を急ぐ理由がなくなった場合、何か変わる可能性はあるのでしょうか。
知事:こういう場合に判断を、というのは非常にお答えが難しいので、ご理解いただきたいのですけれども、今の進めていくポイントになっているのは、今のままの状況をこれ以上ずっとまた延ばしていく、今の状況が延びていく、これが安全の面では不適切だということでございます。
記者:もう一度、先ほどの質問の繰り返しもなるかもしれませんが、倒壊の危険性があると県が判断したのは、どの課の、誰の判断なのですか。
知事:これはまず、県の教育委員会の方で判断をしたものでございます。
記者:県の営繕課ではなく、教育委員会が。
知事:営繕課が技術的な面を担っていますけれども、全体の責任者は教育委員会です。
記者:株式会社TANGE建築都市設計は、取材に対して、耐震診断をして以降、県から問合せとか、特に話をしていないとおっしゃられているのですけれども、あの診断書以降、技術も変わってきているし、もちろん老朽化も刻一刻と進んでいる中で、改めて株式会社TANGE建築都市設計に問合せとかはしていないという理解でよろしいですか。
知事:国の方の耐震診断の方法について変更はございませんし、これまでの中で、また、平成24年に行っていただいた診断内容についてお問合せするようなことは今までなかったということだと理解しています。
記者:再生委員会側の主張の中では、当時は簡略化したモデルでやっていて、今、技術も進んできていて、3Dモデルでの解析などの手法も選択肢としてはあるという紹介があったかと思うのですけれども、改めて、今、本当はどうなのだということを再検討する考えはないのですか。
知事:再生委員会の方のお考えは、また次の機会もあるとしたら聞いてみたいと思いますけれども、今の平成24年に行った耐震診断は、国の定めた方法で行っておりまして、私たちとしては、簡易的なものとかそういったことではなくて、定められたもので行っていただいたと思っています。
【5.最低賃金の引き上げに係る施策について】
記者:話題が変わりますが、最低賃金の引き上げについてなのですけれども、10月から最低賃金が香川では初めて千円を超えるということで、中小企業にとってはかなり厳しいところもあるという声を聞いています。そういった賃上げに対して、中小企業への県としての支援策について何かお考えがあれば教えてください。
知事:これまでも、支援については県も力を入れてやってきておりますけれども、国の方でも、この賃上げで、中小企業の持続的な経営が非常に困難になるケースも出てくるのではということで、力をもう一度、さらに前へ進める方針も示されております。国の方策ともよく連携しながら、これまで以上に頑張りたいと思います。
記者:昨年度の話なのですけれども、昨年度大幅に引き上げた徳島県では、補正予算等で助成なりとかをしたのですけれども、香川県で今年度についてはまだそういった検討とかはされていないということでしょうか。
知事:まだこれからですけれども、国の方策とも連携しながら、今年も、県としても中小企業の支援を拡充してまいりたいと思います。
以上
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