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公開日:2025年10月29日

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知事記者会見 令和7年10月27日(月曜日)

知事記者会見録

  • 日時:令和7年10月27日(月曜日)13時00分から13時30分
  • 場所:香川県庁本館9階県政記者室
  • 作成:広聴広報課

質問項目

1.来年度政府予算への要望について
2.県立大学設置・拡充検討委員会について
3.日経平均株価の上昇について
4.SNS時代の選挙のあり方について

質問事項

【1.来年度政府予算への要望について】
【2.県立大学設置・拡充検討委員会について】
幹事社:幹事社から2点質問させていただきます。1点目は来年度政府予算の要望についてです。先週24日に来年度政府予算等の編成に向けた要望のため、関係省庁をご訪問されました。主な要望項目と特に望みたいことについて、理由とともにお聞かせください。2点目は、県立大学の設置・拡充検討委員会についてです。県立大学の設置・拡充に関する第2回の検討委員会が先日開かれました。ここまでの議論について受け止めをお聞かせください。また、検討委員会で示されたアンケート結果では高校生の希望する学部・学科と企業の求める学部・学科での一定のずれがございました。アンケート結果について知事の受け止めと今後の課題をお聞かせください。

知事:いつも大変お世話になっております。今日もどうぞよろしくお願いいたします。今、2つご質問をいただきました。先週24日に、来年度の政府予算などの編成に向けた要望(のため)に、関係省庁を訪問いたしました。要望項目でございますけれども、国土強靱化関連予算の確保、四国の新幹線の導入、高松空港の機能強化、ため池やほ場整備などの農業農村整備事業関連予算の確保、こういった内容で要望をさせていただきました。特にこの中で要望した内容というご質問でしたけれども、これにつきましては、国土強靱化関連予算の総額の十分な確保、そして補正予算での計上、この点を要望してまいりました。新たな国土強靱化中期計画の1年目になることから、今後の防災・減災対策の事業規模のベースの1つになる重要なものであるため、この点について強く要望をしたところでございます。2点目のご質問は県立大学の設置・拡充検討委員会についてでございます。まず、これまでの議論の受け止めでございますが、県立大学の必要性につきましては、これまでの議論の中では、設置をする、あるいは県立大学の拡充をしていく、こういうことであれば、今後の県内産業や県の地域社会に貢献できる実践重視の大学が求められているのではないかというご意見や、高校生が大学を選ぶ際の判断基準としては、学びたい学部や学科、それと入試の難易度、こういったことがあるので、十分留意をする必要があるのではないかというようなご意見があったことが、私としては印象に残っているところでございます。それから、アンケートについて、高校生側の求める学部・学科と企業側の求める学部・学科との間に一定のずれもあったということで、この結果についての受け止めでございます。高校生の希望する学部としては、社会科学、保健、教育、人文科学、工学、このような順番でございました。それに対しまして企業では、全体として学部・学科を問わないというお答え、次に工学、そして社会科学といった内容ですので、必ずしも一致はしていないと思います。高校生のアンケート結果については、現在高校生が進学をしている、これは県内・県外問わず進学しておりますけれども、その傾向と似ている、そういう結果になったのではないかと考えております。また、企業アンケートの結果につきましては、現在の企業の人材確保の現状を踏まえたニーズを反映しているのではないかと受け止めております。今後の県立大学設置・拡充に向けての課題でございますけれども、1つは県内大学との役割分担。それから順不同で申し上げますが、大学の規模や、設置する学部・学科、県内大学を卒業して県内に就職してもらうための方策、それから費用や効果についての検討、こういったものが今後、非常に重要な課題になってくるのではないかと考えております。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【2.県立大学設置・拡充検討委員会について】
記者:幹事社質問の中にありました県立大学の関連でいくつかお伺いします。先週22日に行われたのが第2回の検討委員会で、年明けにまた第3回目が予定されている中で、検討委員会の着地について伺います。今のところは、各種いろいろなご意見が出たりですとか、こういう大学がいいのではないかと、良くも悪くも多岐に議論がわたっているので、この3回目の議論を経て、最終的に検討委員会として、例えば中間取りまとめですとか、何かしらのご提案をいただくようなことを想定しているのか、それともあくまでも論点の整理をしていただいて、それをもって、県や県議会の方で議論するというような流れを考えていらっしゃるのか、今後のスケジュール感というか、プロセスについて伺ってもよろしいでしょうか。

知事:検討委員会の結果についてはできるだけ早くと思っておりますが、1年程度はかかるかと考えてスタートいたしました。来年の春・夏、このぐらいにまとめのイメージで、今、進めております。この位置づけでございますけれども、最終的に拡充や設置ということを判断するのは、県の方ですることになりますが、そのベースになる結果を取りまとめていただけないかと考えております。そういう趣旨においては、設置の是非であったり、規模であったり、望まれる学部・学科であったり、県内の就職に繋がるような併せて取る措置など、いろいろな観点からのご提言をいただいて、その中において、県の方で判断して、次に進めてまいりたいと考えております。

記者:アンケートの調査結果についての質問もございましたけれども、それに関連して、当日配られた、公表されたアンケートの調査結果の高校生の回答などを見ますと、大学進学を希望する5,945人のうち、香川県内を「進学を希望する地域」として挙げている学生が21.2%と、逆に言うと、10人いると2人くらいが香川県内を志望して、残り8人は基本的には県外エリアというような数字になっています。この21.2%という数字が高いのか、低いのかですが、現時点のその評価について伺ってもよろしいでしょうか。

知事:この数字は低いといいますか、もう少し高くしていかないといけないのではないかと考えております。それは今後、人口減少、特に若い方が減ってくる中で、外に行く方が現状どおり、あるいは今の傾向はそれより増加しているような状況ですが、そういう状況では、中期的、あるいは長期的な香川県の発展は望めないのではないかと考えておりますので、この数字ももう少し高くなっていかないといけないかと思います。

記者:もう1点、先ほどの幹事社質問へのご回答に関連して、そのアンケートの「高校生側が希望する学部」というのと「企業側が希望する学部・学科での学び」なんですが、ざっくり言うと、工学系・技術職系を求める傾向が強い企業と、いわゆる文系の社会科学を求める学生という分かれ方だったのですが、そっくりそのまま県内定着という観点で考えると、かなり難しさを感じる。工学系を仮に新学部として設置したとして、県内からどのくらい進学するのか、みたいな捉え方ができるような数字でもあったと思うのですが、このギャップについての受け止め、その埋め方も含めて、今、どうお感じになられているのか伺ってもよろしいでしょうか。

知事:高校生の進学については、年代のことから考えると、現状の進学状況がありますけれども、そういったところを踏まえての答えになってくる面があるのではないかと考えます。今のアンケートの中でも、就職に有利な大学ということを考えるというような回答もされているのですが、そういう就職との関連みたいなものがもう少し出てくれば、高校生のニーズ、意向というのも変化する可能性もあると思います。そういう中で、設置・拡充する大学の学部・学科は考えないといけないと思いますし、今、委員会の先生方においてもそのような考えで、今後ご意見いただけるかと思います。

記者:先ほどもご回答の中にあった議論のスパンの話なんですが、1年程度で検討委員会の結論というか、何かしらのご意見、提言を受けるというお話でしたけれども、ここ最近で県立大学の新設に動いた佐賀県などですと、数年スパンの議論を経て開設に向かっているわけで、この1年という議論の長さについて、これは十分なものとお考えなのかどうかを伺ってもよろしいでしょうか。

知事:この委員会は先ほどの観点、いろいろな設置する学科であったり規模であったり併せて取るいろいろな県内定着の方策であったり、こういった大きな基本的な方向性を提案していただくものであります。これを受けて、さらに、実際に設置するとしたら、数字的なものを詳細に詰めながら、今の項目についても詰めていかないといけない。そして、この大学の設置は、国の認可も必要でありますので、国とのいろいろな協議もございます。実際に実現するまでには時間がかかる、こういうことだと思います。大きな方向性については、できるだけ早くいただいて、さらに次のステップに行きたいと考えております。

記者:今の大学の話なんですが、第2回の検討委員会の結果を踏まえて、県の方とすれば、工学系の学部の設置が選択肢の1つになるというような見解を示されていましたが、知事ご自身は工学系の学部の有用性というのはどうお考えでしょうか。

知事:1つは、香川県の企業で、特に製造業を中心に、技術者・エンジニアといった人材が非常に採用しにくく、将来の不足が懸念されるということがありますので、そういうニーズを踏まえると、有力な候補の1つだと思います。それから、高校生といいますか、入ってくる側から考えた場合については、香川大学に工学部がございますし、徳島文理大学にも一部ありますが、かなり他の文科系に比べると少ないということがございますので、そういった、行こうと思う高校生の、いわゆる技術系を目指す理科系の高校生の選択としては、今、現状でも少ないかと考えております。

記者:県とすれば、ある程度、工学系の学部の設置というのは、かなり大きな選択肢に入っていると考えてよろしいでしょうか。

知事:候補の1つだと考えています。ただ、まだ委員会の途中でありますし、決定ということではないということでございます。

記者:先日のアンケートで、県内大学等からの意見の中には、「県内進学者を確保しても、既存の県内大学の進学者が減少するのでは意味がないのではないか」とか、「県内大学に進学する学生に有利な奨学金を設けるなどの方が、コストパフォーマンスがよいのではないか」という意見もありました。こういった既存の県内大学からの意見というのを、今、どう受け止めていますか。

知事:県内大学の意見は非常に重要なものと受け止めています。まず、県内大学、今ある大学に入っている方が県立大学の方に来るようなことであったら、設置・拡充の目的を果たさないと思いますので、しっかり役割分担を考えていかないといけないということがあります。それから奨学金については、奨学金の制度も含めて、既存大学の卒業生が就職する際に県内を選んでもらえるようなことを今でもやっておりますけれども、今後、今の状況を踏まえると、拡充をしていかなければいけない状況になってきているかと思っています。

記者:役割分担ということについて、具体的にどういう方策があるのでしょうか。

知事:県内の私立大学で言えば、文科系の定員が大半でありまして、徳島文理大学に理科系の定員が一部ございますけれども、非常に理科系、技術系を将来専攻していこうかという学生にとっては、県内には選択肢があまり無い・少ない、こんな状況であると思いますので、そういうことにおいては、そこの薄い部分を埋めていくみたいなことが役割分担の1つの考え方ではないかと思っております。

記者:3回目の検討委員会では、仮に設置・拡充を行う場合に候補となる学部・学科と費用みたいな、具体的な議論に入っていくと思うのですが、「そもそもやる必要があるのか」というところの議論よりも先に具体的な話を進めていくと、それが既成事実のようになってしまうのではないかという懸念もあるのですが、少子化の中で、税金をかけて新たな大学を設置するとか、拡充するという必要性の部分の議論というのはどうなのでしょうか。

知事:まさに今、県立大・県内既存大学の分担関係ですとか、求められているものがどういう人材なのかというのは、必要性の一番重要な議論だと思いますので、そういう意味で、それをまずいろいろと、今、やっていただいております。そういう中で、さらに数字的なもの、費用がどのぐらいかかるものなのか、こういったものを見ながら議論を進めていくということになります。そのようなステップで今からも進めたいと思います。

【3.日経平均株価の上昇について】
記者:日経平均の株価が、今日、5万円台を突破しました。これについて、知事として受け止めがありましたら、所感でも構いませんが、何かありましたら教えてください。

知事:株価については、いろいろな要素、投資家さんの売買に影響されるものでありますので、特に私から何かコメントするようなことはありません。経済状況については、マクロ的には県内経済も順調な回復を見せているという評価を日銀でもされていますが、私も、実際そのように感じます。一方で、個人の消費については、まだまだだなと(感じております)。これはやはり物価高が影響していて、こういったところを乗り越えていかないと経済の回復・発展に繋がっていかないと思いますので、こういったことが非常に今、求められているかと感じます。

【4.SNS時代の選挙のあり方について】
記者:話題が変わるのですが、昨日、宮城県で知事選挙がありまして、現職の村井さんが当選されました。これに関連して、今回の選挙もSNS選挙のような様相でして、ネット上で宮城県政に関するデマであったり、誹謗中傷の流布というのがまた問題になりました。来年には香川でも知事選を控えていますが、知事ご自身として、そういった選挙のあり方について、何かお考えがありましたらお聞かせください。

知事:誹謗中傷とかいわゆるデマ、こういったものは一般論としても許されないことだと思いますし、選挙ということについても、非常に、民主主義の根幹に関わることなので問題であり、看過できないものだと思います。特にSNSの場合は、匿名性があったり、拡散が非常に広くスピーディーにされるようなことがありますので、デマとか誹謗中傷については、本当に危険性もあると思います。いろいろな、今後そういったことが起こらないような手立てを講じることは、急がれることであると感じます。

記者:全国知事会を通じてでも結構ですが、知事として、この問題について何か対応を求めていくようなお考えというのはお有りでしょうか。

知事:知事会でもこの話は毎回のように出ております。政府に対して、そういったことができるだけ起きないような手立てを早急に講じるべきという意見は、知事会としても、いろいろな場で発信をしているところであります。

【2.県立大学設置・拡充検討委員会について】
記者:県立大学のことで、改めてなのですが、知事としては"なぜ"やはり"今"設置、そして拡充をしなければならないとお考えなのかというのをお聞かせいただけますか。

知事:県内の若い方が生まれてくる、高校まで過ごす総数が減ってくる中で、特に高校を出たときに、県外に進学して就職をするというような流れが、むしろ増えてきているような現状があります。そうすると、総数が減って、出て行く人が増えると、ダブルで、県内で活躍する人がかなり大きく減ってくるということになります。そうなると、いかに香川県が、既存の産業もある、自然も豊かで地の利があるという前提があっても、担っていく人が大きく減ってくることでは、なかなか発展というのは望めないのではないかと強く思います。そのためにはいろいろな手立てがいるのですが、その1つとして、県内の大学をもっと選択肢にしてもらえるように、受け皿を作っておく必要がある。その受け皿は今でももちろんありますけれども、総数が全国的にもワースト3位になるぐらいの受け皿の少なさですし、中身を見ても、理系・技術系を目指すような方が行くということになると、選択肢がかなり少ないというようなこともありますので、そのような状況から設置を検討してるところでございます。

記者:「大学設置以外にもいろいろな方策」と今もおっしゃいましたけども、例えば他にはどういうことをしていこうとお考えですか。

知事:大学を出て、県外もそうですが、県内に就職をしていただくときの奨学金のことが一番、既存の制度としてはありますけれども、戻ってきてもらうための優遇措置みたいなことがあると思います。それから、もう少し広く長く考えると、県民全体で、このような、県内を担う人材の育成の重要性について考えていくといったことや、県・市・町でいろいろな企画をして、県内産業をもっと知っていただくことなどを、進めていきたいと思います。

以上

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