ホーム > 組織から探す > 東讃保健福祉事務所 > 香川県東讃保健福祉事務所 > 感染症の予防や検査に関する情報 > RSウイルス感染症/ヒトメタニューモウイルス感染症について

ページID:39861

公開日:2023年4月19日

ここから本文です。

[シリーズ]正しく知れば、まもりあえる。感染症のこと。

RSウイルス/ヒトメタニューモウイルス感染症

はじめに:RSウイルス感染症って、知っていますか?

こどもは、たくさん熱を出します。その原因は、さまざまですが、そのほとんどは、ウイルス感染症が原因です。

RSウイルス感染症は、そのなかでも、2歳までにほとんど全員が一度は感染する、実はとても身近な感染症です。こどもも、大人も、一年を通して、感染することがあります。

風邪の仲間なので、大人にとっては、かかるといけない「こわい感染症」ではありません。しかし、特に幼いこどもでは、症状が重くなりやすく、入院が必要になることがあります

RSウイルス感染症は、基本的な感染対策を行うことで、予防できます。でも、正しい知識がないと、十分に予防ができず、後悔するかもしれません。

RSウイルス感染症について知り、自信をもって、こどもをウイルスからまもれるようになりましょう。そして、感染した時に、あわてることがないように、みんなで備えましょう。
 

Q&A

1)RSウイルスって?

2)RSウイルス感染症の症状は?

3)RSウイルス感染症は、どうやってうつる?

4)感染を予防するために、なにができる?

5)RSウイルス感染症は、どうやって診断される?

6)RSウイルス感染症は、どうやって治療するの?

7)いつから登園・登校できる?

8)医療機関への相談・受診の目安は?

9)注意すべき合併症はありますか?

10)重症になりやすいのは、どんなとき?

11)パリビズマブという薬があると聞いたのですが?

12)ヒトメタニューモウイルス感染症とは?

もっとくわしく知りたい方へ(主要参考文献・サイト)

 

誰が感染する?

  • RSウイルスは、ありふれたウイルスで、こどもの半数以上が1歳まで、ほぼ全員が2歳までに1度は感染します。1回の感染では免疫が十分できず、大人になってもかかります。年齢が上がるにつれ、徐々に症状は軽くなります。

いつ流行する?

  • RSウイルスは、秋から冬に流行します。ただし、流行のタイミングや重症度は、年ごと、地域ごとで変わります。そのため、1年を通して感染することがあり、日常的な予防が大切です。

どこでうつる?

  • こどもでは、保育園など集団活動を行う場所で、感染が拡がりやすいです。こどもがウイルスを外からもらってくると、家族内で感染が拡がります。高齢者では、長期療養施設などで、集団感染が起こることがあります。

 

  • RSウイルスに感染すると(RSウイルス感染症)、気道や肺に炎症(腫れや痛みが出ること)を起こします。ほとんどの場合、軽い風邪症状に留まります。しかし、細気管支炎(肺の小さな気道の炎症)や肺炎(肺の炎症)を起こし、呼吸の状態が悪くなり、重症になることもあります。
  • 症状はすべてが一度に出るのではなく、段階的に現れます。また、症状の出方やよくなるまでの経過には個人差があります。
  • 乳児では、機嫌が悪くなったり、活気がなくなったりするだけのことがあります。ふだんと様子が違う場合は、受診しましょう。
  • ひどい咳や、喘鳴、息苦しさは、症状が重くなるとみられます。特に、RSウイルスに初めて感染した乳児で、みられやすいです。これらの症状がある場合、細気管支炎や肺炎を起こしている可能性があるので、必ず受診させましょう。

 

飛沫感染とは?

  • 感染者が、会話や、せきやくしゃみをすると、ウイルスを含んだ飛沫(しぶき/ひまつ)が飛び散ります。この飛沫が、目、鼻、口に入ることで、粘膜からウイルスが体内に入り、感染します。このような感染の仕方を「飛沫感染」と呼びます。
  • 飛沫感染は、飛沫が届く1~2mの範囲で起こります。

接触感染とは?

  • 感染者が触れた物の表面には、ウイルスが残ることがあります。また、せきやくしゃみによって、ウイルスを含む飛沫が物に付くことがあります。こうした物を触った結果、ウイルスが目、鼻、口に入ると、感染します。このような感染の仕方を「接触感染」と呼びます。
  • ウイルスに触ったり、感染者と肌が触れ合ったりするだけでは、感染しません。ウイルスが付いた物や肌を触り、その手で自分の目、鼻、口を触ったりすると、感染します。また、ウイルスが付いた物や手をなめたり、感染者とキスをしたりして、直接ウイルスが目、鼻、口に入ると、感染します。

いつからいつまでうつる?

  • 感染者は、症状が出る1~2日前から、他の人へうつす可能性があります。また、症状が出てから3~8日程度までは、他の人へうつしやすいです。
  • 乳児や免疫力が低下している人では、症状がなくなっていても、4週間程度までウイルスを出し続けることがあります。
  • 肌についたウイルスは30分程度、物の表面についたウイルスは数時間、感染力をもっています。
  • 症状が軽い場合、本人が感染に気づかないこともあります。ウイルスはいつも身近にあると考え、日常的に、感染対策を続けることが大切です。

 

あなたができることは、たくさんあります。

  • 乳児のRSウイルス感染症は重症になりやすいですが、家族から感染することが多いです。RSウイルス感染症には、まだワクチンがありません。基本的な感染対策で、予防することが大切です。

せきエチケット

  • せきやくしゃみが出ている時は、マスクを着用しましょう。
  • せきやくしゃみをするときは、咳エチケットを守り、ティッシュやそでで口をおおいましょう。
  • 「せきエチケット」について、くわしくはこちら(外部サイトへリンク)

手洗い

  • 石鹸と流水で、20秒以上かけて洗いましょう。
  • 手洗いはこまめに行い、洗っていない手で目、鼻、口を触らないようにしましょう。

共用品※の消毒

  • RSウイルスは消毒に弱いウイルスです。石けん、アルコール、次亜塩素酸ナトリウムなどが有効です。頻繁に触れる物や共用品(※)の表面は、こまめに消毒しましょう。
    ※ドアノブ、手すり、スイッチ、机、イス、おもちゃ、食器、タオルなど
  • 症状がある人との濃厚な接触(キス、ハグ、握手など)、食器やタオルなどの共用を避けましょう。

保育施設などにおける対策

  • 上記の感染対策を普段から実施しましょう。
  • 流行期は0歳児と1歳以上のクラスを互いに接触しないよう離し、互いの交流を制限します。特に、呼吸器症状がある年長児が、乳児に接触することを避けてください。

感染リスクを踏まえた感染対策の強化

  • 「風邪症状がある人」、「重症化リスクが高い0~1歳児などと関わる人」、「重症化リスクが高い人」は、特に予防に努め、感染対策を徹底しましょう。
  • 地域の流行状況も考慮し、感染リスクが高い場所(公共の場や託児所など)で過ごす時間を減らすことも考えましょう。

禁煙しましょう

  • 受動喫煙は、小児をRSウイルス感染症に感染させやすく、また、より重症化させる可能性があります。喘息など、ほかの呼吸器疾患・感染症にも悪影響を及ぼしますので、禁煙をおすすめします。

 

  • 軽症のRSウイルス感染症は、症状や周囲の流行状況をもとに診断されます。特効薬はなく、検査をして診断がついても、風邪と同じように対応することになるので、検査は保険適応の範囲で、医師が必要と判断した場合に行われます。
  • 迅速検査キットは、鼻の奥の粘膜を綿棒でぬぐった液を検体として、抗原(ウイルスの一部分)を検出する検査です。10~15分で結果が出ます。
  • 迅速検査キットの保険適応は、1歳未満です(入院した場合や、パリビズマブ適応がある場合を除く)。
  • 医療機関によっては、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザと区別するための同時抗原検査や、PCR検査が使用されることもあります。

 

  • RSウイルス感染症に対する特異的な治療薬は、現在ありません。風邪に準じて、自宅で安静にし、療養しましょう。
  • 発熱やせきなどに対しては、症状を和らげる治療(対症療法)を行います。解熱薬や、咳・痰、鼻水を抑える薬、気管支を拡げる薬が使われます。
  • 市販の解熱薬を使うことはできますが、小児には安全でない成分を含むものがありますので、小児用であることを確認するか、かかりつけ医に相談しましょう。
  • 脱水症に気をつけましょう。痰や鼻水の粘り気が強いと、息苦しさが増します。水分補給で粘り気が少なくなり、脱水症を予防できます。
  • 重症化が心配な乳児や、細気管支炎・肺炎や脱水症など重症例では、入院が必要な場合があります。入院では、酸素投与、点滴、呼吸管理などが行われます。

喘息への影響

  • 喘息があるこどもでは、RSウイルス感染症を含む呼吸器感染症で、喘息症状が悪化することがあります。症状が軽くても、早めに受診しておきましょう。

 

出席停止期間

  • RSウイルス感染症では、特に定められた出席停止期間(保育園を何日間休ませなければならないという決まり)はありません。風邪に準じて、せきなどの症状がなくなり普段どおり元気であれば、園と相談し登園させることができます。
  • 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」では、「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」を登園再開の目安としています。

登園届

  • RSウイルス感染症では、登園再開時に「意見書(医師が記入)」または「登園届(保護者が記入)」が必要かどうか、決まりはありません。園ごとに対応が異なりますので、確認しておきましょう。
  • 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」では、RSウイルス感染症を「医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症」としています。園から求められた場合は、かかりつけ医の診断を受けましょう。

園への連絡

  • お子さんがRSウイルス感染症と診断された場合、症状が軽くても、きちんと園へ伝えましょう。流行を把握でき、感染対策が取りやすくなります。

 

Check!

こどもの脱水症のサイン

  • 活気がすくない(ぼんやりしている)
  • おしっこの回数や量がすくない
  • 口の中が乾いている
  • 泣いたときに涙がすくない
  • 大泉門(頭の上にある頭蓋骨の隙間)がへこんでいる など

Check!

夜間・休日の受診に迷ったら

香川県小児救急電話相談」(#8000)

  • 小児科医や看護師等から、電話でアドバイスが受けられます。

こどもの救急(外部サイトへリンク)

  • お子さんの症状ごとに、受診の目安を知ることができます。

 

中耳炎

  • 特に2歳未満でみられやすい合併症です。
  • 発熱や耳の痛みがみられますが、乳児では症状を訴えられず、機嫌が悪かったり食欲がなかったりするだけのことがあります。

 無呼吸発作

  • ウイルスに感染することで呼吸のはたらきに異常が起こり、呼吸が20秒間以上止まったり、脈が遅くなったりして、酸素が足りなくなります。特に、生後1~3ヵ月の児にみられやすく、突然死の原因になることがあります。症状に気づいたら、すぐに受診してください。

急性脳症

  • ウイルスに感染することで脳が急激にむくみ、けいれん、意識障害、嘔吐などが起こります。RSウイルスに限らず、インフルエンザウイルスなどでも起こることがあります。頻度はまれですが、症状に気づいたら、すぐに受診してください。

 

  • 初めて感染した場合、約70%の子は、鼻水などの軽い症状だけで、数日でよくなります。しかし、残りの約30%では、症状が重くなります。特に生後6ヵ月までの乳児では注意が必要です。
  • 生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんから受け継いだ抗体を持っています。しかし、この抗体だけでは、RSウイルスを抑え込めません。生後6ヵ月以内が、もっとも重症化しやすい時期です。
  • 高齢者では、特に心臓や肺に基礎疾患(喘息、COPD、心不全など)を持つ人が、重症化しやすく、注意が必要です。

 

  • パリビズマブは、遺伝子組換え技術を用いて作成された抗体製剤です。抗体とは、ウイルスが体内で増えることを防ぐタンパク質です。
  • 流行が始まる頃から終わるまでの間、1ヵ月毎にパリビズマブを筋肉に注射することで、ウイルスと戦う抗体をあらかじめ増やしておきます。そうすることで、感染したときに重症になることを防ぎます(感染そのものを防げるわけではありません)。
  • 投与の対象となりうるのは、次にあてはまる乳幼児です。
    • 早産児
    • 慢性肺疾患
    • 先天性心疾患
    • Down症候群
    • 免疫不全
  • 投与が必要かどうか、投与の回数・時期については、医師が患者さんごとに判断します。くわしくは、かかりつけ医へご相談ください。
  • 現在、ニルセビマブという新しい抗体製剤の開発が進んでいます。ニルセビマブは効果が長く続くため、1回の投与でよく、乳児の感染を予防する効果が認められています。重症化リスクのない乳児を含め、画期的な予防薬として期待されています。

 

症状の出方

  • RSウイルスとほとんど同じです。感染後、潜伏期間(3~5日間)を経て、咳・鼻水・のどの痛みや熱が出てきます。熱は4~5日続きます。症状は1週間程度で自然によくなります。
  • 喘鳴や息苦しさがある場合は、細気管支炎や肺炎の可能性があり、入院が必要なことがあります。中耳炎を合併することがあります。また、乳児、基礎疾患がある人、高齢者では、重症になりやすいです。

感染経路と予防法

  • RSウイルスと同様に、飛沫感染と接触感染です。したがって、予防法も同じです。

検査

  • RSウイルスと同様に、迅速診断キットが使われます。検査の保険適応は、6歳未満で肺炎が強く疑われる場合です。

治療

  • 症状を和らげる対症療法を行います。ワクチンや特効薬はまだありません。

出席停止や登園の判断

  • RSウイルスと同様です。一律の決まりはありませんので、園やかかりつけ医と相談してください。

さらにくわしく

  • ヒトメタニューモウイルスは、インフルエンザやRSウイルスと同じように、気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。
  • 2001年にオランダで最初に発見されましたが、それよりも昔から世界中で流行しており、小児の呼吸器感染症の5~10%の原因ウイルスと考えられています。
  • RSウイルス感染症との違いとして、RSウイルスの流行は秋~冬が多いのに対し、ヒトメタニューモウイルスは春~初夏に流行します。また、ヒトメタニューモウイルスの初感染は1~10歳(平均年齢は22ヵ月)で、RSウイルス(0~2歳)と比べ、やや遅めです。
  • RSウイルスと同様に、感染しても十分な免疫ができず、大人になっても感染します。年齢が上がるにつれて徐々に症状は軽くなります。

 


 
もっとくわしく知りたい方へ(主要参考文献・サイト)
  • 国立感染症研究所 (NIID)「RSウイルス感染症とは」
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/317-rs-intro.html
  • Centers for Disease Control and Prevention (CDC)「Respiratory Syncytial Virus Infection (RSV)」
    https://www.cdc.gov/rsv/index.html
  • Centers for Disease Control and Prevention (CDC)「Human Metapneumovirus (HMPV)」
    https://www.cdc.gov/ncird/human-metapneumovirus.html
  • Uddin S, Thomas M. Human Metapneumovirus. 2022 Jul 18. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL)
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560910/
  • 厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A」
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
  • 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
    https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf
  • 日本小児呼吸器学会/日本新生児成育医学会「小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021」
    https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001300/4/Respiratory_syncytial_virus_in_infants_and_children.pdf
  • 日本小児科学会「RSウイルス感染症の現状と注意事項について」
    https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=456
  • 日本小児科学会「日本におけるパリビズマブの使用に関するコンセンサスガイドライン」
    https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20190402palivizumabGL.pdf
  • 香川県小児科医会感染症対策委員会「園・学校における感染症対策ガイドブック第2版」
    http://kagawa-pedi.com/pdf/Guide_ed23.pdf
  • AstraZeneca「抗RSウイルスヒトモノクローナル抗体製剤nirsevimab承認申請のお知らせ」(2023年2月28日公開)
    https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2023/2023022801.html

 

このページに関するお問い合わせ

健康福祉部東讃保健福祉事務所

電話:0879-29-8250

FAX:0879-42-5881