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公開日:2019年12月27日

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平成19年10月17日 答申第442号(香川県情報公開審査会答申)

平成19年10月17日 答申第442号

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が行った非公開決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成17年4月18日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求(以下「本件請求」という。)を行った。

  • (1)同一人が同一実施機関に対して複数の公開請求をして、先の公開請求に対する公開(一部公開を含む。以下同じ。)よりも、後に公開請求をした行政文書のほうが、先に公開されたことが分かる一切の文書
  • (2)同一人が同一実施機関に対して複数の公開請求をした場合、先の公開請求対象文書の中の一部の行政文書について、後に再度の公開請求をして、後の公開請求に対して公開又は非公開(不存在を含む。)の決定がなされたことがわかる一切の文書
  • (3)公開請求書の到達日から開示日までに2年以上の期間を要した公開請求に対する決定通知書控え又は写し
  • (4)公開請求書の到達日から開示日までに1年以上2年未満の期間を要した公開請求に対する決定通知書控え又は写し
  • (5)公開請求書の到達日から開示日までに6か月以上1年未満の期間を要した公開請求に対する決定通知書控え又は写し
  • (6)非公開処分等に対する不服申立書の受付年月日、答申年月日、答申により開示した年月日等の分かる帳簿類又は一覧性のある文書(平成11年度以降のものに限る)以上の1乃至6のいずれも県民室で保有する文書に限る。

2 実施機関の決定

実施機関は、本件請求の(1)、(2)及び(6)に対応する行政文書については、不存在として平成17年4月27日付けで本件処分を行い、また、本件請求の(3)、(4)及び(5)に対応する行政文書については、調査する行政文書の範囲が長期間にわたるため、平成17年4月27日付けで公開決定等期間延長通知を行った上、不存在として平成17年5月19日付けで非公開決定を行い、異議申立人に通知した。

3 異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、平成17年4月30日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

1 異議申立ての趣旨

「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 異議申立ての理由

異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、香川県の情報公開条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をすべきである。
  • (2)本件「決定通知書」の「公開しない理由」は、虚偽である。不服申立書の受付年月日、答申年月日等の記録が存在しないとは考えられない。その他の文書についても決定通知書の写しを所持しているので、不存在という理由はあり得ない。

第4 実施機関の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。

1 本件請求の(1)及び本件請求の(2)について

県民室では、香川県情報公開事務取扱要領(以下「要領」という。)の規定により行政文書公開請求書(以下「請求書」という。)の写し並びに行政文書公開決定通知書、行政文書一部公開決定通知書及び行政文書非公開決定通知書(以下「決定通知書」という。)の写しの送付を受け、一の請求ごとにまとめ、年度ごとに保管しているが、これらの文書には、本件請求の(1)及び本件請求の(2)に係る情報は記載されていない。
また、個々の情報公開請求やその請求に対する処分が、他の情報公開請求やその請求に対する処分とどのような関係になっているかということについては、県民室において特に把握する必要性もないことから、本件請求の対象となるような行政文書は作成、保有していない。
以上のように、県民室においては、本件請求の対象となる行政文書を作成、保有しておらず、不存在であることから本件処分をしたものである。

2 本件請求の(6)について

公開決定等に対する不服申立てについては、法令等の手続に従って、諮問、答申、裁決又は決定、公開の実施等が順次進められ、事案ごとに完結するものであり、また、条例を所管する県民室において、一連の手続の進行状況等が分かる一覧性のある帳簿等の資料を作成、保有すべき事務上の特段の必要性もない。
よって、本件請求の(6)の行政文書を県民室では作成、保有しておらず、不存在であることから本件処分をしたものである。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。

2 本件請求対象行政文書の存否について

  • (1)本件請求(1)及び本件請求(2)について
    要領の規定により、請求書並びに決定通知書並びに行政文書公開決定等期間延長通知書及び行政文書公開決定等期間特例延長通知書(以下「延長通知書」という。)は、その請求内容に係る課及び出先機関が原本を保管し、県民室はその写しを保管することとなっている。そして、県民室では、請求日の年度ごとにファイルを作成し、請求書の写しを取得した順番にそのファイルに綴じており、決定通知書及び延長通知書の写しは、それに係る請求書の写しの次に綴じて、請求書単位で一連の書類を保管している。そのため、これらの書類は、請求人ごとや実施機関ごとに分けられてはおらず、また、写しの取得順に綴じられるため、必ずしも請求日付順に綴じられていない。
    実施機関は、非公開理由等説明書において「個々の情報公開請求やその請求に対する処分が、他の情報公開請求やその請求に対する処分とどのような関係になっているかということについて、県民室において特に把握する必要性がない」との理由で、本件請求の(1)の「同一人が同一実施機関に対して複数の公開請求をして、先の公開請求に対する公開(一部公開を含む。以下同じ。)よりも、後に公開請求をした行政文書のほうが、先に公開されたことが分かる一切の文書」、及び本件請求の(2)の「同一人が同一実施機関に対して複数の公開請求をした場合、先の公開請求対象文書の中の一部の行政文書について、後に再度の公開請求をして、後の公開請求に対して公開又は非公開(不存在を含む。)の決定がなされたことがわかる一切の文書」に該当するような情報が整理された行政文書を作成、保有していないと主張している。
    上記の理由については、さらに実施機関から「請求書等の写しを保管する目的は、請求書に対する決定通知書及び延長通知書を条例に基づき作成していることを確認するためであり、決定通知書の内容は、請求書により特定される行政文書によって異なること、請求日から公開日までの期間も、請求書により特定される行政文書の枚数や非公開部分により異なるものであることから、それぞれの請求書及び決定通知書相互の関係を調査し整理する必要はない。さらに、本件請求の(2)については、県民室では、公開した行政文書の写しを保管しておらず、決定通知書の「公開請求に係る行政文書」に記載されている行政文書の名称では、先の公開請求対象文書の中の一部の行政文書について、後に再度の公開請求があったか否かを確認することは困難である。」との説明があり、その説明に不自然な点があるとは認められず、本件請求の(1)及び本件請求の(2)の対象となる行政文書の存在を推認させる特段の事情もない。
    したがって、実施機関が、本件請求(1)及び本件請求(2)の対象となる行政文書が存在しないとして、非公開とした本件処分は妥当と判断される。
  • (2)本件請求の(6)について
    条例第18条の規定により、公開決定等について行政不服審査法による不服申立てがあったときは、原則として審査会に諮問しなければならず、香川県情報公開審査会規則(昭和62年香川県規則第5号)第5条の規定により審査会の庶務は、総務部県民活動・男女共同参画課(県民室)において処理することとなっている。そして、不服申立てのあった実施機関から諮問書が審査会に提出された場合は、香川県情報公開審査会審査要領等により審査会において審査の上、答申書を作成し、実施機関及び不服申立人に送付しており、県民室では、諮問1件ごとに諮問書、非公開理由等説明書、意見書等を綴じたファイルを作成するとともに、答申した順番に答申書の写しを綴じたファイルを作成している。
    実施機関は、非公開理由等説明書において「公開決定等に対する不服申立てについては、法令等の手続に従って、諮問、答申、裁決又は決定、公開の実施等が順次進められ、事案ごとに完結するものであり、また、条例を所管する県民室において、一連の手続の進行状況等が分かる一覧性のある帳簿等の資料を作成、保有すべき事務上の特段の必要性もない。」との理由で、本件請求の(6)の「非公開処分等に対する不服申立書の受付年月日、答申年月日、答申により開示した年月日等の分かる帳簿類又は一覧性のある文書」に該当する行政文書を作成、保有していないと主張している。
    上記の理由については、さらに実施機関から「諮問案件については、年度ごとに受付け順に付した諮問番号で管理しており、後日必要とするのは、公開決定等や諮問案件の審査の参考として利用する答申書の写しで、不服申立書の受付年月日、答申年月日、答申により開示した年月日等の分かる帳簿類等は必要としていない。」との説明があり、その説明に不自然な点があるとは認められず、本件請求の(6)の対象となる行政文書の存在を推認させる特段の事情もない。
    したがって、実施機関が、本件請求の(6)の対象となる行政文書が存在しないとして、非公開とした本件処分は妥当と判断される。

よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

(省略)

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