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公開日:2020年12月10日

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平成23年9月県議会定例会提出議案 知事説明要旨

ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、4点について御報告いたします。

第1点は、豊島廃棄物等処理事業についてであります。

平成15年9月に豊島廃棄物の本格処理を開始してから、約8年が経過いたしました。計画期間があと2年となり、豊島廃棄物等の計画的かつ円滑な処理を進めるうえで、廃棄物等の残存量をより正確に把握しておく必要があることから、処分地内の現地測量を行い、その後、廃棄物等の処理対象量や残存量の推計などを行いました。

推計の結果、処理対象量は、体積で約59万5千立方メートルないし62万2千立方メートル、重量では、約86万8千トンないし90万5千トンとなり、現行より、体積で、約3万3千立方メートルないし6万立方メートル、重量では、約20万トンないし23万7千トン増加する見込みとなりました。

これは、「公害等調整委員会」のボーリング調査結果をもとに予測した廃棄物底面の下などに約1万6千立方メートルの想定外の廃棄物が存在したことや廃棄物等の密度がこれまで実測により推計していた値より、相当高くなっていたことなどによるものであります。

処理対象量の増加により、処理終了は、計画期間より約3年1カ月から3年6カ月延び、平成28年4月ないし同年9月になる見込みであり、全体事業費は、約330億円から約122億円ないし137億円多い、約452億円ないし467億円が見込まれます。

豊島廃棄物等処理事業は、これまで、平成24年度末の全量処理を目指して取り組んできたところであり、6月県議会定例会においても同年度末までに全量処理は可能であると考えている旨、答弁申し上げましたが、処理対象量の増加により処理期間を延長せざるを得ず、また、多額の経費をさらに負担しなければならなくなり、早期の処理終了を望んでいる直島町や豊島住民の方々はもとより、県議会や県民の皆様に対し、誠に申し訳なく思っております。

県では、本年6月に国に対して要望した「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」いわゆる産廃特措法の期限延長と既存の枠組みでの財政支援につきまして、期限延長を要望している他県とも連携しながら、今後、さらに、強く要望してまいります。

また、今回の県による推計につきましては、今月17日に開催される「豊島廃棄物等管理委員会」におきまして審議いただくことにしておりますが、今後、廃棄物等の掘削が進むことによりまして、量も増減する可能性があり、毎年度、測量調査を実施し、処理した量や密度などを把握し、より正確な進行管理に努めてまいります。

本事業は、平成12年に合意した調停条項に基づき取り組んでいる県政の最重要課題の一つであり、何としてもやり遂げなければならない事業であると考えており、引き続き、直島町と豊島住民の方々、県議会をはじめ県民の皆様の格別の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に全力で取り組んでまいる所存であります。

第2点は、新中央病院の防災対策等についてであります。

新中央病院の防災対策を検証するために設置した「新中央病院防災対策検討会議」においては、地震、津波、地域防災の専門家である4名のアドバイザーの御意見を伺い、また、アドバイザーの1人である海洋研究開発機構の金田先生による高松港における津波シミュレーション結果も踏まえながら御議論いただき、先月2日に「新中央病院の防災対策の見直し案」を取りまとめていただきました。

取りまとめられた見直し案は、大規模災害時において中央病院に求められる機能・役割を果たしていくために必要な対策について、病院敷地内の対策及び敷地周辺の対策に分けて、ハード・ソフト両面から幅広く示されたものであります。

今後、県民の皆様の安全・安心のために万全を期すため、取りまとめられた追加の防災対策を実施し、整備場所は変更せず、朝日町において新中央病院の整備を進めてまいりたいと考えており、6月11日以降、一時中断しておりました工事を10月上旬から再開し、平成25年度中の新病院開院を目指してまいりたいと考えております。

第3点は、高松・上海線の運航状況等についてであります。

東日本大震災の影響で訪日中国人旅行客が激減したために、就航が延期となっておりました春秋航空の高松・上海線については、日中両国における関係者の方々の御尽力もいただき、週2往復ではありますが、去る7月15日に就航したところであります。これまで約2ヶ月間、1往復運航し、利用者数は、5,068人、利用率は88%、台風の影響があった便を除けば93.3%と、まずまずの滑り出しとなっております。

この路線は、中四国地方で初のLCCによる運航ということで注目を集めており、四国の他県や岡山県、さらに関西などからも幅広い層の利用が見込まれています。

訪日中国人旅行客の動きは、未だ本格的な回復に至っておりませんが、今後、この路線を利用して中国から多数の来訪者をお迎えすることにより、県経済の発展と県民生活の向上、両地域間、両国間の交流の拡大及び高松空港の再生に資することを大いに期待しているところです。

10月からは、運航曜日が木曜・日曜に変更され、週末を利用した旅行の計画が立てやすくなることから、観光面を中心に効果が見込まれますので、中国人観光客の、より一層の誘致に向けた中国でのPR活動や、日本での早期の路線定着に向けた利用促進に取り組み、インバウンド・アウトバウンド双方向での利用拡大を図る中で、少しでも早く当初の計画便数である週4往復の実現に向け、全力を挙げたいと考えております。

第4点は、南米の県人会訪問についてであります。

過般、私は、県議会ともどもにアルゼンチン香川県人会創立45周年記念式典及び北伯(ほくはく)香川県人会創立35周年記念式典に参加いたしまして、この機会に南米各地で御活躍されている本県出身の多くの方々にお目にかかり、移住当時の苦労話や近況をお伺いするなど交流を深めてまいりました。改めまして、これらの国々と我が国との関係に思いをいたしますとともに、本県出身の方をはじめとする移民の皆様が築かれた日本に対する信頼などを将来に向かって発展させていくことの大切さを感じたところであります。

さて、今議会に提案いたしました議案は、平成23年度一般会計補正予算議案など18議案であります。

第1号ないし第5号議案は補正予算関係でありまして、その主な内容を御説明いたします。

まず、新中央病院の整備につきましては、県立病院事業会計での追加の防災対策として、病院敷地の地盤改良、建物地盤や築山(つきやま)のかさ上げ、建物への浸水対策、防災棟の新設、汚水貯留槽の容量拡大などを行うとともに、敷地周辺の対策として、一般会計で、アクセス道路のルート確定のための地質調査や液状化判定などを実施するものであります。

次に、防災対策として、東日本大震災に係る被災者に対する生活再建支援金の支払い等に対応するために必要な「被災者生活再建支援基金」への事業資金の拠出を行うとともに、県有施設の耐震化等を加速化させるため、防災拠点施設などの耐震診断の追加、高松養護学校寄宿舎の改築整備のための設計、新丸亀警察署(仮称)の整備などに取り組むものであります。また、災害時における情報収集や伝達のあり方の検討、県有施設への緊急地震速報受信装置の整備、放射能測定体制の強化、今後の震災対策の検討のために必要な基礎調査や海岸保全施設等の地質調査、水道用水供給事業において、水道応急資機材の備蓄倉庫の整備などを行うとともに、緊急輸送道路の機能を確保するために、沿道の民間建築物の耐震診断・耐震改修等に対し補助金を交付する市町に対する補助制度を新たに設けようとするものであります。

次に、今年に入って交通死亡事故が大幅に増加している状況を踏まえ、交通安全対策として、信号機のない交差点への自発光式標識の設置や危険なカーブにおける規制標示等の高輝度化に取り組むとともに、交通安全啓発活動を重点的に実施するものであります。このほか、国の経済対策に伴い造成した「子育て支援対策臨時特例基金」を活用した事業の執行を図るとともに、ことでん沿線地域の公共交通の利便性と乗り継ぎ機能の向上を図るためのICカード導入に係る補助、農業試験場跡地の売却に伴い必要な踏切整備に係る経費の負担、工業用水道埋設管の修繕などを行うものであります。

なお、平成22年度の一般会計決算剰余金は、地方財政法の規定に基づき、その2分の1相当額を財政調整基金に、9月補正予算に活用する財源を除いた残額については、今後に備え、県債管理基金にそれぞれ積み立てることとしております。

以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計補正予算の総額は76億1,500万円余となっており、その財源は、繰越金60億6,000万円余、地方交付税8億7,500万円余、繰入金5億3,900万円余、県債8,700万円余、国庫支出金5,300万円余をもって充当することとしております。

第6号議案は、地方税法の一部改正等に伴い、年金型生命保険金について、相続税の課税対象となった部分については、所得税の特別還付との整合性等を図り、個人県民税について特別還付できることとし、さらに、自動車取得税が非課税となる一般乗合用のバス路線を定めるとともに、過料の上限額の引き上げなどを行うものであります。

第7号議案は、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部改正により、新たに「サービス付き高齢者向け住宅」の登録制度が創設されたことに伴い、登録申請手数料の額の設定等を行うものであります。

第8号議案は、東日本大震災に伴い、原子力事業所の敷地内、警戒区域等において、災害警備等に従事した場合における警察職員の特殊勤務手当の支給について定めるものであります。

第9号議案は、新たな香川づくりの指針として、本県の進むべき基本的方向とその実現のための取組みを示した、平成23年度から27年度までを計画期間とする「せとうち田園都市香川創造プラン」の策定について、香川県行政に係る基本計画の議決等に関する条例に基づき、議会の議決を得ようとするものであります。

第10号議案は、第2次かがわ男女共同参画プランの策定について、第11号議案は、共助の社会づくり推進指針の策定について、第12号議案は、香川県環境基本計画の策定について、第13号議案は、香川県みどりの基本計画の策定について、第14号議案は、かがわ食育アクションプランの策定について、第15号議案は、香川県農業・農村基本計画の策定について、第16号議案は、香川県水産業基本計画の策定について、同条例に基づき、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。

第17号議案は、地方財政法等の規定に基づき、県が行う建設事業に対する市町負担金について、第18号議案は、県営住宅家賃の長期滞納者に対する訴訟の提起について、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。

以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。

提案理由(平成23年9月県議会定例会)(PDF:144KB)

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