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ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、2点について御報告いたします。
第1点は、来年度の予算編成等についてであります。
県下の経済情勢は、県内企業における設備投資の増加や、観光客の増加などにより、新型コロナウイルス感染症で影響を受けた県経済の回復が順調に進んでおります。一方、賃金上昇が物価高騰に追いつけない状況もあるなど、まだ本格的な回復には至っていないと認識しております。
こうした中、上向きに転じた本県経済の回復を本格化するためには、県内中小企業への支援、農林水産業の活性化、喫緊の課題である人手不足や物価高騰への対策、また、出生数の減少傾向をできるだけ早く反転できるよう目指した子育て政策、及び若者の県内定着に向けた総合的な対策に粘り強く取り組むとともに、南海トラフ地震などに備えた防災・減災対策、インフラの老朽化対策、県下全域における交流人口の拡大など、時機を捉えた的確な政策の推進を図る必要があります。
今般、現状の県税収入等の伸びがこのまま見込めるものとして、財政運営ビジョンの将来見通しの再推計を行ったところ、物価高騰等により既定経費などが歳入の伸びを大きく上回って増加すると見込まれたところであります。
今後、国において「年収の壁」引上げや揮発油税等の暫定税率廃止などを含む令和8年度税制改正についての検討が始まることから、来年度の税収や地方交付税をはじめとした地方財政への影響にも配慮した制度設計となるよう、全国知事会とも連携して、要望してまいりたいと考えております。
令和8年度当初予算の編成に当たりましては、再推計後の財政運営ビジョンに沿いまして財政運営を行いつつ、物価や労務単価の高騰などに的確に対応したうえで、総合計画に掲げる基本目標である「人生100年時代のフロンティア県」の実現に向け、「県民100万人計画」、「デジタル田園都市100計画」、「にぎわい100計画」、この3つの基本方針の下、17の重点政策を推進するとともに、今年度予算から新たに設定した未来投資枠を継続し、県政各分野における、早急に解決しなければならない社会課題への対応や、県勢発展の礎を築くための投資に、引き続き、積極的に予算を配分してまいりたいと考えております。
4月18日に開幕した瀬戸内国際芸術祭2025は、今月9日に、春・夏・秋の3会期、合計107日間の日程を無事に終えることができました。
開催にあたって様々な御支援をいただいた県議会の皆様及び県民の皆様、そして事前の準備から会期中の運営に至るまで、多大な御尽力をいただいた地元市町や地域住民の皆様、関係事業者の皆様、日本のみならず世界各地からボランティアサポーターとして関わってくださった多くの皆様に、心から厚くお礼申し上げます。
瀬戸内国際芸術祭は、第1回の2010年から「海の復権」をテーマに掲げ、過疎、高齢化が進みながらも、美しい景観や固有の文化が残る瀬戸内の島々に活力を取り戻すことを目指してまいりました。
6回目となった今回は、新たな会場として本県沿岸部の3つのエリアを加え、これまでの開催で最多となる37の国と地域のアーティストが、作品を通じてそれぞれの地域がもつ自然や歴史、文化にスポットライトを当てました。
会期中、計108万人余に上る国内外からの来場者をお迎えし、作品を巡っていただくことで、地域の活性化につながったものと考えております。
この芸術祭の開催で得られた貴重な経験とつながりを生かして、引き続き、本県の発展につなげてまいりたいと考えております。
さて、今議会に提案いたしました議案は、令和7年度一般会計補正予算議案など27議案であります。
第1号及び第2号議案は補正予算関係でありまして、その主な内容を御説明いたします。
まず、第1号議案の一般会計補正予算のうち、防災・減災対策及び地域活性化対策につきましては、県民の生命・財産を守る安全・安心対策事業として、災害時には避難所となる県立学校体育館などの空調設備について、工事費の高騰などに対応するため、既定予算を増額するとともに、次年度整備予定の一部について前倒して着手しようとするものであります。
また、本庁舎北館の再編整備について、災害対応の拠点として建築構造の詳細検討などを行うものであります。
次に、県単独の公共等事業として、林道施設の整備や小規模土地改良事業による農業生産基盤の整備に加えまして、道路の維持修繕や交通安全施設の工事、河川の護岸工事、港湾施設の改良や維持修繕などを実施するとともに、施設の老朽化への対応などとして、県有施設の改修や設備・機器の更新を行うことなどにより、災害に強い香川づくりと地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。
そのほか、サンポート高松地区及び直島に宿泊施設を建設する民間事業者から、資材高騰等に対応するための資金調達について、地域総合整備財団の地域総合整備資金貸付制度の活用の申込みがあり、県では、当該宿泊施設の本県への進出は、本県初の世界的に希少性の高いホテルの進出であり、瀬戸内海地域の国際的ステータス向上に寄与することや、雇用の創出、交流人口の拡大、県産品振興、離島振興など、地域貢献が大きく、公共性も高い事業と判断し、財団の審査を経たうえで、事業者に対して無利子の貸付けを行おうとするものであります。
以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計補正予算の総額は88億8,500万円余となっておりまして、財源としては、県債58億1,300万円、基金繰入金30億円余などとなっております。
併せて、県単独の公共等事業における適切な工期を確保するために、繰越明許費を55億2,100万円余計上するとともに、台風時期の前に工事を完了させることが望ましい広域河川改修事業などについて債務負担行為を設定し、早期に着手することにより、円滑な事業執行を図ってまいりたいと考えております。
また、川部みどり園及び五色台少年自然センターの給食業務や、来年度、県立高校などに入学する生徒が使用するタブレット端末の購入補助事業について、必要な準備を進めるために債務負担行為を設定するとともに、香川県県民ホールやさぬきこどもの国などの指定管理による委託業務に係る債務負担行為を設定するものであります。
次に、第2号議案の特別会計の補正予算につきましては、駐車場事業特別会計において、サンポート高松多目的広場地下駐車場の指定管理による委託業務に係る債務負担行為を設定するものであります。
第3号議案は、政党助成法の一部改正に伴い、文書の写しの交付に係る手数料を新たに設定するなど、所要の改正を行うもの、第4号議案は、関係政令の一部改正に伴い、公益認定等審議会委員の任命対象に、公益信託に係る活動に関して優れた識見を有する者を追加するもの、第5号議案は、関係省令の一部改正により、特定個人情報を利用することができる事務が新たに省令で規定されたことに伴い、重複する条例規定を削除するものであります。
第6号議案は、旧香川県立体育館解体工事の請負契約の締結について、第7号から第26号議案までは、香川県県民ホールなど20施設の指定管理者の指定について、第27号議案は、令和8年度における香川県が発売する宝くじの発売限度額を定めることについて、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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