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公開日:2020年12月10日

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第67回日本伝統工芸展

第67回伝統工芸展チラシ表紙

第67回日本伝統工芸展について

会期 令和3年12日(土曜日)~117日(日曜日
※会期中は無休
開館時間 午前9時~午後5時
(入館は閉館の30分前まで)
会場 香川県立ミュージアム2階特別展示室
展示内容

日本伝統工芸展は、歴史・芸術上特に価値の高い工芸技術を保護・育成するとともに、先人から受け継いできた優れた技を磨き、現代生活に即した新しいかたちを築き上げることを目的として昭和29年(1954)から毎年開催され、今回で67回を数えます。
今回の高松展では、重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品42点をはじめ、受賞作品及び四国在住作家の入選作品など計200点を展示します。このうち、香川在住作家の作品が15点あります。

展示点数200点(内訳:陶芸37点、染織15点、漆芸80点、金工17点、木竹工18点、人形9点、諸工芸24点)

 

観覧料 一般650円、前売・団体(20名以上)520円
※ミュージアムパスポートを使用できます
※高校生以下、65歳以上、身体障害者手帳等をお持ちの方は観覧料無料
組織
  • 主催|香川県立ミュージアム
    香川県教育委員会
    公益社団法人日本工芸会
    NHK高松放送局
    朝日新聞社
    日本伝統工芸展高松店実行委員会
前売券 香川県立ミュージアム

展示構成とみどころ

日本工芸会総裁賞
乾漆平文蒔絵漆箱(かんしつひょうもんまきえうるしばこ)「氷壁」須藤靖典


吹雪で叩き付けられ岩壁に積もった雪が氷へと変化する、厳冬の静寂な夜が表現されている。三種の蒔絵粉を三層に蒔き分け白漆で固めることにより雪の重なりの深みを、やがて透徹した氷となる兆しは銀板と夜光貝がまとうそれぞれの光で表される。蒔絵・平文・螺鈿の伝統的な技術の組み合わせが、現代のかたちへと昇華した逸品である。
((公財)根津美術館学芸員永田智世)

高松宮記念賞
神代杉彩線木象嵌十二角箱
(じんだいすぎさいせんもくぞうがんじゅうにかくばこ)桑山弥宏


指物は、釘やビス等を使わず凹凸を用いて組手、継手などを用いて制作する技法である。素材に神代杉を用い正確に接がれた十二角形の箱からは、鍛錬された技術と鋭敏な感性が感じられる。黒柿による彩線と木象嵌を上手く組み合わせ、とかく単調になりがちな連続模様に躍動感を持たせている。今後の展開に期待するものである。
(東京国立近代美術館特任研究員松原龍一)

文部科学大臣賞
久留米絣着物(くるめかすりきもの)
「光芒(こうぼう)」松枝哲哉


藍のように深い暗闇の中に、幾筋もの光がほとばしる天空を見たのだろうか。白い木綿糸を括り、藍の濃淡で染めた経と緯の絣糸を織り上げることで初めて現れる景色には、自然の、生命への賛歌ともとれる作家の心象が映し出される。従来の絵絣から一転し抽象表現に踏み出し始めた、これからの久留米絣の道標となるべき作品である。(東京国立博物館学芸研究部調査研究科工芸室長小山弓弦葉)

東京都知事賞
真珠光彩壺(しんじゅこうさいつぼ)
中田博士

螺旋状の曲線を描いて上昇していく稜線が口部分に集中して張りのある球状を形成する。悠揚迫らざる堂々たる形が何より魅力である。凛とした白磁色がその魅力をより強め、さらに細い線条にキラッ、キラッと輝いている部分がある。表面の色感を整える際にマスキングを施した部分が別種の光を発するのである。これが実に美しい。
(茨城県陶芸美術館長金子賢治)

NHK会長賞
紙胎皺矢羽根文箱(したいしぼやばねもんはこ)
人見祥永


主要な素材は京都黒谷の和紙で、木型に漆で貼り重ねた素地の上に、しわ寄せてから切ったパーツを矢羽根形に貼り合わせた。控えめな光沢の上塗りは溜塗で、蓋表の褐色から側面下部の黒までのグラデーション。東南アジア産の玉虫の翅を貼った青緑色に輝く帯と夜光貝の白い線が、凹凸のある和紙の面を引き締める。各素材の色彩や質感の組み合わせが絶妙で、とても洒落ている。(東京藝術大学美術学部非常勤講師近藤都代子)

朝日新聞社賞
碧釉漣文器(へきゆうれんもんき)
木村芳郎


作家が長年取り組んでいる大きな盤の形に、さざ波状の文様を施し、そこに微量の銅とコバルトを主体とした碧く呈色する釉薬を施した作品である。長い間取り組んでいることから、技術的にも上達していることは明らかで、飛びかんなのように見せながら、単純な飛びかんなには表現できない文様や、何回も釉薬をかけ、何回も焼成を繰り返す必要がある濃い碧釉の見事な深みなど、見どころの多い作品である。(岐阜県現代陶芸美術館顧問江本徹)

 

香川の人間国宝

左:珊瑚蒟醬合子(さんごきんまごうし)
山下義人

右:籃胎蒟醬菓子器(らんたいきんまかしき)「夕映え」
大谷早人

作品の解説文は、「第67回日本伝統工芸展」図録掲載の審査講評から引用しています。

関連イベント

1.講演会「彫りと色彩の讃岐漆芸」チラシ(PDF:434KB)

日時・
講師
1月9日(土曜日)13時30分~15時00分
住谷晃一郎(香川県美術コーディネーター)
会場 地下1階講堂
内容 玉楮象谷から始まる讃岐漆芸。その技は現代まで引き継がれ、これまでに6人の重要無形文化財保持者(人間国宝)を輩出してきました。讃岐漆芸はどのようにして生まれ、どう発展してきたのでしょうか。そして、讃岐漆芸を支えた人々にはどのような物語があったのでしょうか。長年、讃岐漆芸の研究を続けてこられた住谷氏が讃岐漆芸の魅力を紹介します。
申込 100名(要事前申込・先着順)無料

2.陳列品解説

(公社)日本工芸会四国支部会員による陳列品解説をSNSで発信します。
陶芸:伊藤信夫氏、漆芸:石原雅員氏、諸工芸:近藤裕美子氏

3.うるしの器でほっと一息

漆の器で会期中限定メニュー「あんもち雑煮」楽しめます
期間:本展会期中
場所:1階カフェポットミュゼ
協力:漆の家、NPO法人アーキペラゴ

4.普及活動

伝統工芸について紹介するパンフレットを作成し、県内小学校の4~6年生及び来場した子どもに配布します。

1の申込方法

電話、はがき、ファックス、インターネットによる電子申請(香川電子自治体システム)でお申込みください。定員になり次第終了します。

申込先:〒760-0030高松市玉藻町5番5号香川県立ミュージアム学芸課(はがき・ファックスの場合、お名前、電話番号、希望する講演会・講座名をご記入ください。)
※電話:087-822-0247(学芸課)FAX:087-822-0049
※「かがわ電子自治体システム」https://s-kantan.com/pref-kagawa-u/

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