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公開日:2020年12月10日

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讃岐国府跡 調査現場から 26

香川県埋蔵文化財センター

ミステリーハンター現地研修 -古代山城高安城の見学-

11月22日(日曜日)、現地研修を行いました。今回の研修場所は大阪府と奈良県をまたがる古代山城高安城で、講師は古代学研究会会員の米田さんです。

高安城は天智天皇が667年に築城したことが文献に記されていますが、長い間幻の城とされていました。昭和53年、八尾市の市民グル―プ「高安城を探る会」が6基の倉庫跡を発見し、平成11年には今回の講師の米田さんたちが石塁の一部を発見しています。今回の研修ではこれらの遺構と終末期古墳である高安山1号墳を見学しました。

最初に見学したのは米田さんたちが発見した石塁です。石塁は近鉄高安山駅からほど近い場所でしたが、見学には難航する場所にあり、周囲の木々につかまりながら、やっと現地に到着しました。「よくこんな場所にある石塁をみつけたなあ。」バイタリィティあふれる米田さんたちの調査の成果には感心しました。

休憩後、次に向かったのは高安山1号墳です。この古墳は高安山(488m)山頂近くの尾根に造られた横穴式石室墳です。昭和56年に大阪府教育委員会が高安城範囲確認調査の一環として発掘調査した無袖式の横穴式石室で、7世紀中頃から後半頃に築かれたことがわかっています。高安城とほぼ同時期に築かれた古墳ということで、高安城の築城関係者の墓に違いないとミステリーハンターたちは想像をたくましくしていました。

いよいよ最後は市民グループが発見した倉庫跡の見学です。この遺構は高安城金ヤ塚倉庫跡群と名付けられ、昭和57年に橿原考古学研究所により発掘調査され、建物跡の礎石は奈良時代のものであることがわかったそうです。礎石群の外側には掘立柱建物の柱穴がみつかっており、米田さんは礎石群よりも古い時期の建物の柱穴の可能性があるのではと考えているようでした。

高安城の見学は山歩きばかりでしたが、ミステリーハンターたちは疲れ知らずです。たくさんの方々の熱心な調査で古代の高安城が徐々に明らかになったことを肌で感じ、もっとがんばろうと決意を新たにしていました。(11月23日)

高安城跡

倉庫跡に向かう

(写真上)高安山駅から倉庫跡に向かいました。

(写真左)米田さんたちが発見した石塁(E地点)

倉庫跡 (写真左)倉庫跡の見学

参考文献 奥田 尚・米田敏幸「高安城の外郭線 -探索 一年を終えて-」2000


 

遺構検出をしています。

発掘調査が始まって2週間余りがたちました。暑くもなく、寒くもなく、屋外作業には最もよい季節です。讃岐国府跡の発掘調査では遺構検出をしています。遺構の性格はまだわかりませんが、いくつかの遺構がみつかっています。(10月16日)

遺構検出

遺構検出をしています。

ミステリーハンター

ミステリーハンターもがんばっています。

平成27年度の発掘調査が始まりました。

平成27年度の讃岐国府跡発掘調査が例年より1月早く10月1日(木曜日)から始まりました。約800平方メートルの発掘調査を行い、平成25・26年度に検出した大型建物跡の全容を確認し、開法寺伽藍東側のエリア全体での大型建物の規模や配置を明らかにします。

調査は平成28年3月13日までの予定です。2月には現地説明会も予定しています。雨天以外の平日、月曜日から金曜日に発掘調査を行っていますので、お気軽に讃岐国府跡の発掘調査現場をのぞきに来てください。(10月5日)

調査地点

平成27年度発掘調査区(33次)の位置
坂出市都市計画図1/2500を使用しました

調査風景

発掘調査風景

 

 

 

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