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公開日:2020年12月10日

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讃岐国府跡 調査現場から 27

香川県埋蔵文化財センター

柱穴や溝といった遺構の輪郭を確定させる作業を行っています。

現在、柱穴や溝といった遺構の輪郭を確定させる作業を行っています。
これを「遺構検出」と呼びますが、遅遅として進展しません。
写真1をご覧ください。こげ茶色のなかに黒っぽい土があります。
黒っぽい土は柱を据えるための穴(柱穴)、こげ茶色の土は古代のベース面と考えられます。
柱穴の輪郭を入れようとしても、輪郭がぼんやりとしてうまく入りません。
多量に出てくる瓦も輪郭作業の行く手をはばみます。
写真2は古代のベース面が黄色であるため、黒色系の遺構の土は識別し易く、遺構検出が比較的進んでおります。
調査区全体の遺構検出が早く完了するよう、目を皿のように見開いている毎日です。(平成28年11月6日)

検出直前の様子
写真1 遺構検出直前の様子

遺構検出
写真2 遺構検出状況

 

興味深い遺物が出土しました

興味深い遺物が出土しました。材質は須恵器。くの字形に曲がった棒状の形をしています。
取り上げてみると、先端には4条の線が掘り込まれていました。動物の足の指先を表現したようです。牛や馬、鹿の足先は蹄なので、指先を表現することはありません。
これは、「獣(じゅう)脚(きゃく)(じゅうきゃく)」と呼ばれ、獅子の足を表現したものと考えられます。中国の唐代に、硯(すずり)(すずり)や火舎(かしゃ)(かしゃ 香炉のこと)、壷などに獅子の足を付けることが好まれ、それが日本に伝わり、奈良時代に獣脚付きの器が使われ始めます。
役所(官衙施設)や寺院など、限られた場所でしか出土しない貴重品です。(平成28年10月7日)
獣脚1 

発掘を始めて1月たちました

調査を始めて1か月。天候の悪さと多量の瓦に悪戦苦闘しています。一見、まとまりなく瓦が出てきているように見えますが、よく見ると、瓦の側辺を一直線にそろえて並べた箇所もみられます。
現時点では用途や目的は判明していませんが、調査を進めるなかで明らかしていきたいと思います。(平成28年10月5日)

瓦出土1 瓦出土2

 

 

発掘調査が始まりました!

いよいよ、今年度の発掘調査が始まりました!!!
例年より、1か月早いスタートです。
調査地は昨年度、大型建物を確認した地点(写真奥の水田)の東側になります。
始まった途端に台風が立て続けに近づき、現場の管理が大変です。(平成28年9月7日)

発掘調査の様子

放送大学公開講演会で讃岐国府跡探索事業調査成果の一部を報告しました

講演の様子9月4日(日曜日)、坂出市民ふれあい会館で放送大学香川学習センター公開講演会が行われ、当センター主任文化財専門員松本和彦が「古代国家誕生までのあゆみ~讃岐国誕生プロセス~」と題する講演をしました。講演会では古代讃岐国ではどのように体制づくりが進み古代国家が誕生したかを讃岐国府跡の発掘調査成果を交えながら説明しました。大勢の参加者が熱心に聴講し、質疑応答では讃岐国府跡の大きさについてなど活発な質問が飛び交いました。(平成28年9月6日)

 

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