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公開日:2020年12月10日

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讃岐国府跡 調査現場から 29

香川県埋蔵文化財センター

毎日が検証作業の繰り返し

発掘調査も終盤に差し掛かりました。現在、掘立柱建物の調査を進めています。
掘立柱建物の調査に際しては、遺構配置を図化した図面を作成し、三角定規などを用いて、一つの建物に復元できる柱穴の組み合わせを考えます(写真左下)。
データはパソコン上で管理し、効率化を図ります(写真右下)。
こうした作業で復元した建物を実際に掘り下げますが、その結果、復元に誤りがあることが判明することもあります。
その場合、すぐに再検討し、その日のうちに図面の修正を行い、翌日再び遺構に向き合って建物復元の妥当性を検証します。
讃岐国府跡には多くの建物がありますので、毎日検証作業を繰り返しています。(2月20日)

検証作業1
遺構配置図上での建物復元

検証作業2
パソコン上での管理

現地説明会を開催しました

2月11日(土・祝)に現地説明会を開催しました。
時おり雪が舞い、寒風が吹きすさぶ寒い一日でしたが、260人という多くの方に足をお運び頂きました。
讃岐国府跡(県埋蔵文化財センター主催)と開法寺跡(坂出市教育委員会主催)のダブル現地説明会の開催という初の試みであり、混乱が予想されましたが、見学者の皆様のご協力のおかげで、滞りなく開催することができました。
讃岐国府跡では広い調査区を設定したことで、建物相互の配置状況が明らかになり、区画施設内の空間構成が見えてきたことや、国府直前の姿がより明らかになったことなどをお伝えしました。
今後、2月末まで補足調査を行い、3月には埋め戻して旧状の水田に戻す予定です。(2月13日)

現地説明会1
写真奥:讃岐国府跡現地説明会 写真手前:開法寺跡現地説明会(坂出市教育委員会主催)

現地説明会2
讃岐国府跡現地説明会

現地説明会に向けた準備 『調査指導』

現地説明会を2月11日(土・祝)に開催します。
それに先立ち、讃岐国府跡調査指導専門委員会の委員の先生方に調査状況を御視察頂きました。
出土した遺構や遺物の評価、今後の調査の進め方などについて、様々な御意見を頂きました。
官衙研究のスペシャリストの先生方からの御意見を踏まえて、現地説明会では調査の成果を分かりやすくお伝えできればと考えています。(2月6日)

調査指導

興味深い遺物が出土しました 第8弾

「何か、緑色のもんが出た。銅とちゃうか?」と作業員さんからの連絡。
9世紀頃の廃棄土坑を掘り下げていると(写真右)、小指の先ほど小さな銅製品が出てきました(写真右下)。
取り上げてみると、笠形の頭部に短い突起が付いた形と分かりました(写真左下)。
形から鋲であると判断できます。銅製なので、調度品などに使われる飾りを兼ねた釘と考えられます(銅(どう)鋲(びょう))。
かなりの貴重品・希少品です。何に使用していたのか、想像するだけでワクワクします。(1月30日)

銅鋲出土
銅鋲が出土した廃棄土坑

銅鋲1
銅鋲の検出状況

銅鋲2
取り上げ直後の銅鋲

柱穴がかなり重複しています!!!

今年度の調査区のうち、最も大きな調査区の遺構検出を進めています。
写真2が示すように、かなりの数の柱穴があり、検出作業は難航しています。
しかも、柱穴は同じ場所で重なり合っています(写真3)。
柱穴は直線的に並ぶことで柵列、四角く組み合うことで建物になります。
現在、検出した柱穴がどのように組み合うかを検討していますが、本調査区は過去の讃岐国府跡の調査のなかでも、遺構密度が最も高く、多くの建物が復元できそうです。(1月23日)

検出作業
写真1 検出作業の様子

検出状況1
写真2 検出状況全景

検出状況2
写真3 重なり合う柱穴

大きな柱穴を検出中です!!

今年度の讃岐国府跡の発掘調査は、3つの調査区を設定しています。
そのうち、34-3Trとした調査区で遺構の検出作業(柱穴や溝といった遺構の輪郭を確定させる作業)を行っています。
1m近い大きな柱穴が数多くあり、どうやら直線的に並びそうです。
このサイズの柱穴は通常の集落跡で確認されることは少なく、さすが国府と実感できる大きな柱穴です。
今後、大型の建物となるか、柵列となるかの2つの案を慎重に検討しながら、調査を進めていく予定です。(1月11日)

34-2トレンチ
写真1 34-3トレンチ全景

大型の柱穴1
写真2 大型の柱穴

大型の柱穴2 写真3 大型の柱穴が重複する状況

興味深い遺物が出土しました 第7弾

讃岐国府跡の調査を行っていると、鉄製品が出土することがあります。
中でも鉄釘の出土数が多く、今回の調査でも出土しました(写真1)。
長さは10cm近くもある大型の釘です。建物を建てる際に用いられたと考えられます。
その一方で、形がよく分からない鉄製品も出てきます(写真2)。
全体形はかぎかっこ形( [ )で、下側の先端部はやや先細ります。
鎹(かすがい)の可能性もありますが、上側には別の鉄が付着しており、全体形はよく分かりません。
腰帯具(ベルト)の絞具(かこ)の可能性もあるのではないかと考えています。
腰帯具は官衙を象徴する遺物であり、小さな鉄片ですが、重要な出土品です。
今後、X線写真撮影やさび落としを行い、その性格を慎重に見極めたいと思います。
(平成29年1月10日)

鉄製品1
写真1 出土した鉄釘

鉄製品2
写真2 不明鉄製品の出土状況

鉄製品3
写真3 取り上げ後の不明鉄製品

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