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調査区の西半分で、南北方向の複数の溝と瓦がまとまって出てきています。
溝の上には多くの瓦があり、溝の全貌は分かりませんが、少なくとも4本の溝がありそうです。
調査箇所は開法寺跡との境付近なので、溝群は開法寺の区画施設かもしれません。
これまでの国府側の調査で確認している区画施設を囲む施設の可能性もあります。
今後、溝の全貌や瓦と溝の関係を明らかにしつつ、溝群の性格に迫っていく予定です。(10月11日)
溝の検出状況1(北より)
↑は開法寺塔跡(県指定史跡)
現在、掘立柱建物の調査を進めています。
径10~20cmの円形の小さな柱穴が四角く組み合います。
時期の異なる2棟の建物が重なり合っているようです。
軟弱な灰白色系の砂質土の埋土という特徴から、現時点では中世後半~近世の建物ではないかと考えています。
国府が営まれた古代の遺構はこの下に眠っています。(10月6日)
掘立柱建物の検出状況
現在、バックホーで掘り下げた遺構面を平滑に整えています(遺構面精査)。
遺構面の上面が黒く土壌化しているため、古代の遺構はまだ確認できていませんが、興味深いものが出てきました。
鮮やかな緑色の銅です(写真左)。8mmほどの不整形なものであり、製品ではないようです。
近い箇所からもう2点の「銅のかけら」と鉄滓(スラグ)も出てきました。
周辺の土には炭化物(炭)も含まれているため、鋳造関係の遺構かもしれません。
まだ検出の途中ですが、楽しみな遺構です♪
銅の出土状況
今年度の調査箇所は、当センター(写真の赤丸)の近くで、開法寺塔跡(写真の青丸)のすぐ東側になります。
広大な国府の範囲のなかで、平成23年度から重点的に調査を進めてきた開法寺東方地区の一角にあたります。
何が出てくるか、今からワクワクしています。(平成29年9月14日)
※今年もホームページで発掘調査の情報をいち早くお伝えしていきます。
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