ご提言等の内容(まん延防止等重点措置を国に要請する際の意思決定手続きの検証について)
受付年月日
2022年05月09日
回答年月日
2022年05月17日
テーマ
まん延防止等重点措置を国に要請する際の意思決定手続きの検証について
提言内容
《検証のポイント》
特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)や基本的対処方針などに基づき、意思決定手続きが適切に実施され、かつその意思決定手続きが「歴史的緊急事態」に該当すると決定した閣議了解の趣旨に基づいて、「行政文書の管理に関するガイドライン」の規定に沿った「作成すべき記録」を作成し公表しているのか。
《検証結果》
特措法第31条の4第6項の規定に基づき、まん延防止等重点措置(以下、「重点措置」という)の適用・延長・再延長・終了を国に要請した際の香川県における意思決定手続きは、新型コロナウイルス感染症に係る事態は、行政文書の管理に関するガイドライン(平成23年4月1日内閣総理大臣決定)に規定する「歴史的緊急事態」に該当するものと決定した閣議了解(令和2年3月10日)の趣旨を逸脱しており、現時点では、意思決定の際の記録などが作成されず、公表もされず、明らかにコンプライアンス(法令順守)違反である。
《検証結果に至った根拠や説明》
特措法第31条の4第6項の規定に基づき、県の対策本部長が政府対策本部長に対し、要請することができることとなっているため、特措法を素直に読むならば、県の対策本部会議において重点措置の適用などの必要性を諮った上で意思決定し、県の対策本部長として、国に要請することがあるべき姿だと思われる。
しかしながら、香川県では、対策本部会議には、一度も重点措置の適用などの必要性に関する議題が諮られたことはなく、いつ、誰と、どのような資料でもって意思決定したのかは不明です。知事が意思決定した際の記録などを早急に作成して公表することを望みます。
(特措法第31条の4第6項)【条文引用あり】
(基本的対処方針(抜粋))【「三 新型コロナウイルス感染症対策の実施に関する重要事項」(1)情報提供・共有の10番(丸囲み数字)の本文引用あり】
(行政文書の管理に関するガイドライン(抜粋))
「第3 作成」の≪留意事項≫<歴史的緊急事態に対応する会議等における記録の作成の確保>において、政策の決定又は了解を行う会議等に関する作成すべき記録は、「開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録、決定又は了解を記録した文書、配布資料等」となっている。
第6波での香川県が行った重点措置の適用などを国に要請する際の意思決定は、すべて、県の対策本部会議に諮ることをしていない。さらに、2022年5月10日時点でも、行政文書の管理に関するガイドラインで作成すべき記録とされている「開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録、決定又は了解を記録した文書、配布資料等」の資料を公表していない。
(香川県が行った意思決定)
・重点措置の適用を国に要請【2022年01月18日】
・重点措置の延長を国に要請【2022年02月08日】
本日午前9時00分、香川県知事から政府対策本部長である内閣総理大臣に対して、新型インフルエンザ等対策特別措置法第31条の4第6項に基づき、まん延防止等重点措置を実施すべき期間を延長する公示に関する要請を、文書により行いましたのでお知らせします。
・重点措置の再延長を国に要請【2022年03月03日】
本日午後12時02分、香川県知事から政府対策本部長である内閣総理大臣に対し、新型インフルエンザ等対策特別措置法第31条の4第6項に基づき、まん延防止等重点措置を実施すべき期間を延長する公示に関する要請を、文書により行いましたのでお知らせします。
・重点措置の終了を国に要請【2022年03月16日】
本日午前11時、香川県知事から政府対策本部長である内閣総理大臣に対し、新型インフルエンザ等対策特別措置法第31条の4第6項に基づき、まん延防止等重点措置の解除要請を、文書により行いましたのでお知らせします。
回答内容
メールを拝見しました。
ご指摘のあった新型インフルエンザ等対策特別措置法第31条の4第6項に基づくまん延防止等重点措置の適用や解除についての政府対策本部長への要請は、全国各地でオミクロン株を含めた新規感染者数が急増する中、本県も感染急拡大が続き、最大の危機的な状況であると判断し、早期に強い対策を行うことで感染拡大を速やかに抑え、県民の皆さまの生命を守る適切な医療提供が続けられるよう、私が香川県新型コロナウイルス対策本部長として決定したものです。
なお、要請に当たって香川県新型コロナウイルス対策本部会議を開催することは、法令上の要件ではなく、緊急の事案であることから行っておりませんが、要請後に開催された同本部会議では、要請を行った旨を私から本部員に報告しています。
また、要請に関する行政文書については、ホームページなどで公表することを現時点では考えておりませんが、適切に取り扱っております。
皆さまからいただいたご意見も参考にしながら、一日も早く日常生活や社会経済活動を回復できるよう、国、各市町とも連携し、感染拡大の抑止とともに、保健医療提供体制の確保を通じて、県民の皆さまの健康、暮らしを守れるよう全力で取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。