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公開日:2023年12月06日

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ご提言等の内容(日本の貴重な文化財、旧県立体育館の解体について)

受付年月日

2023年11月13日

回答年月日

2023年11月27日

テーマ

日本の貴重な文化財、旧県立体育館の解体について

提言内容

1964年、東京オリンピックの開催された年に、世界的な建築家丹下健三の設計による体育館が東京と香川県にできます。
◆東京●代々木の体育館
◆香川県にできた●香川県立体育館(俗称;舟形体育館)
どちらもコンクリート製の見事な曲線の建物です。
世界に類を見ないデザインと工法による建物です。
近年、代々木体育館は世界遺産に登録されるかもしれないと言われています。
香川県はこの文化財、将来の世界遺産、国宝ともと言われる舟形体育館を来年度(2024年度)解体する予定だそうです。
香川県では今新しい県立体育館を200億円かけて建築中です。旧県立体育館(舟形体育館)の再生にかかる費用は20億円だそうです。
香川県高松市では高松城の再建に注力しています。
舟形体育館を解体すれば50年、100年後に必ず後悔します。
世界的な建築家である丹下健三が作ったこのユニークな建物は解体してはいけないと思います。
文化や芸術は壊してしまうと取り戻すことができません。

今年の夏、わたしは瀬戸内国際芸術祭に参加している直島に行きました。
そのとき、メキシコの大学の建築学科に通っているというメキシコ人女性に会いました。
彼女の話を聞いてみると、直島にある美術館を見に来たというのですが、美術館に展示してあるものを見に来たのではなく安藤忠雄という著名な建築家が作った美術館そのものを見に来たと言っていました。
超びっくりです。
日本とは、それこそ地球の反対側と思われるようなメキシコから、安藤忠雄の作った美術館が見たくてわざわざここまで来たということですから。
安藤忠雄は丹下健三が日本の建築学会のコンセプトを変えたと言っています。
安藤忠雄は丹下健三を尊敬しているそうです。
耐震補強の問題だとか、再生後何に利用するかいいアイデアが浮かばないという話もありますが、美術品や芸術品というのは実用とはまた別の問題です。
この体育館は芸術品、美術品と同じコンセプトで考えていいのではないでしょうか。
丹下健三の建物も美術品に匹敵する建物だと思います。
解体してしまって50年、100年後に、『ここに丹下健三の舟形体育館がありました』なんてことにならないようにしなければいけません。
コンクリートで作られた見事な曲線の建物、壊してはいけません。
壊せば二度と、このコンセプトを持った建物はできません。
にもかかわらず来年度この建物は解体されるようです。
突然身勝手なお願いで、誠に申し訳ありませんが、知事のお力で解体を止めていただけないでしょうか。
※私は3年前にサラリーマンを卒業した前期高齢者の男です。
子や孫に少しでも、いい世の中を残すことができればと思っております。

回答内容

メールを拝見しました。

旧県立体育館は、平成25年度に耐震改修工事の入札を実施しましたが、3度の不調に終わりました。改修工事を実施するためには多額の追加予算が必要なことや、天井が低く競技施設としての機能が十分でないことから、体育館として維持するための改修工事は見送り、平成26年に閉館し、新たな県立アリーナをサンポート高松に整備しているところです。
旧県立体育館については、教育委員会において、閉館以降、県や民間事業者などによる利活用の可能性を考えながら、そのあり方を慎重に検討してきました。
このうち、県としての利活用は、新たな県立アリーナの整備が進む中、体育館としての役割を既に終えていること、現在、旧県立体育館の規模に見合う施設の整備は予定していないこと、建物の規模や構造、仕様などから、多額の耐震改修費などの費用を投じて他の用途に転用することは現実的ではないことから、県として利活用することは現実的でないと判断しました。
また、一昨年度(2021年度)に実施したサウンディング型市場調査では、旧県立体育館は丹下健三氏の設計によるもので、「我が国最初期の吊屋根構造の建築」、「吊屋根構造と一体化した、ダイナミックなアリーナ空間」、「巨大な縁梁とそれを支える大柱から構成される、彫刻的なコンクリートの造形」などの建築的な特徴を説明の上、英語版のパンフレットも作成して、民間事業者から利活用の方法などについて広くご提案を求めたところです。この調査では、こうした民間事業者ならではのさまざまなご提案をいただいた一方、資金の面では、民間事業者が県の財政支援などを受けることなく単独で持続的な運営を行うことは難しいと認識しました。
こうした状況の中、旧県立体育館の前面(西側)の道路が、大規模な地震が発生した場合の緊急輸送路に指定されていることから、現在の状態を長く続けることはできないと判断し、苦渋の選択ではありますが、解体するとの方針を固めたところです。
県といたしましては、スポーツとにぎわいの拠点となる県立アリーナの整備を進めるとともに、旧県立体育館については、その記録を保存し、後世に残していくことを検討してまいります。

担当課

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保健体育課

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087-832-3767

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